フォークリフトは何種類?カウンターとリーチの違いや免許について
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2023/3/1 更新
工場や倉庫、配送センターなどで、重い荷物の運搬や積み下ろしなどの作業に力を発揮するフォークリフト。ただし、事業所の敷地内や建物の中であっても、フォークリフトの運転や作業をするためには資格(免許)が必要です。
製品や部品の運搬にフォークリフトが欠かせない工場の現場でも、資格を持ったフォークリフトオペレーター(運転作業員)が多く活躍しており、製造業への転職・就職や工場で働く際にも、フォークリフトの資格があると大きなアドバンテージとなります。
今回の工場求人ナレッジでは、フォークリフトの種類・特徴などの基礎知識とともに、資格の種類や取得する方法・メリットについて徹底解説。フォークリフトの仕事に興味のある方や、工場で働きたいと考えている方は要チェックです!
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■目次
- ●フォークリフトの特徴、作業時の注意点について
- ●【画像あり】フォークリフトの種類一覧!
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・カウンターバランスフォークリフト
・リーチフォークリフト
・サイドフォークリフト
・ウォーキーフォークリフト
・オーダーピッキングトラック
- ●フォークリフトは製造現場のさまざまなシーンで活躍
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・フォークリフトの活躍する場面(1)製品の出荷作業
・フォークリフトの活躍する場面(2)部品や資材などの入荷・運搬作業
・フォークリフトの活躍する場面(3)工場内での運搬作業
- ●フォークリフト資格の種類と取得方法・難易度について
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・最大積載荷重1トン以上の場合
・最大積載荷重1トン未満の場合
- ●フォークリフトの資格を取得するメリット
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・フォークリフトの資格が生かせる仕事・職場
・資格を持っていると収入面にも反映されやすい
- ●【まとめ】フォークリフトの資格の種類は大きく分けて2種類!
フォークリフトの特徴、
作業時の注意点について
製造業・物流業の現場を中心に、さまざまな場所で使われているフォークリフトは、油圧を利用して重い荷物や資材を運ぶ荷役運搬自動車のこと。車体に設置されたフォーク(つめ)を貨物の下やパレット(荷物を載せる台座)に差し込み、持ち上げて運ぶことから「フォークリフト」という名称で呼ばれています。
フォークリフトは重い荷物を持ち上げたまま走行できるため、人の手では運べない重量物を大量に運搬する作業に力を発揮します。また、車体のマスト(支柱)を伸ばしてフォークを昇降させることで、車体より高い場所に荷物を上げ下ろしすることも可能です。
このように、フォーリフトの作業では荷物を高く積んだ状態で移動したり、狭い場所で重量物を上げ下ろしするような場面も多くなります。そのため、フォークリフトを操作するオペレーターは運転・操縦の技術だけでなく、つねに事故防止や安全面に配慮する注意力・集中力が不可欠となります。
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・フォークリフトは人の手では運べない重量物を運搬できる
・フォークリフトを運転する際は常に注意が必要
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【画像あり】フォークリフトの種類一覧!
フォークリフトには主に以下のような種類があり、現場の環境や作業内容に応じて使い分けられています。
カウンターバランスフォークリフト
![カウンターバランスフォークリフト](/images/special_knowledge_forklift_certification_img4.jpg)
フォークとマストが車両前方に設置された、最もポピュラーなタイプのフォークリフト。車体後方にカウンターウェイトと呼ばれる錘(おもり)を取り付けることで、運搬する荷物の荷重に耐え、車体の重心を安定させる構造になっています。工場では主に製品の出荷・入荷作業に使われています。
リーチフォークリフト
![リーチフォークリフト](/images/special_knowledge_forklift_certification_img5.jpg)
止まった状態でフォークを前後に動かせるフォークリフトで、オペレーターは立ったまま運転・操作します。小回りが利くので狭い場所や室内での作業に適しており、工場内での運搬作業や倉庫内での荷物整理などに使われています。
サイドフォークリフト
車体の真横に広い荷台とフォークが設置されたフォークリフトで、丈の長い木材やパイプなどの運搬に適しています。長尺のパーツ類を扱う自動車工場や、木材の加工工場などで多く使われています。
ウォーキーフォークリフト
![](/images/special_knowledge_forklift_certification_img6.jpg)
オペレーターが歩いて操縦する、歩行操作式のコンパクトなフォークリフト。他のフォークリフトが入れない狭い場所での作業に適しており、細い通路の走行やエレベーターでの移動も可能。階層によって作業が異なる現場の荷物移動や、倉庫内でのピッキング作業などにも使われています。
オーダーピッキングトラック
運転席とフォークが同時に昇降するフォークリフトで、高い場所にある荷物の出し入れに活躍します。倉庫内に高く積んだ荷物の移動・整理や、オペレーターが目的の荷物を探してピックアップする際にも使われています。
フォークリフトは製造現場の
さまざまなシーンで活躍
先述したように、製品や部品を大量に扱う製造業の工場では、日々のさまざまな業務にフォークリフトが使われています。では、具体的にどのような場面でフォークリフトが活躍しているのか見ていきましょう。
フォークリフトの活躍する場面(1)製品の出荷作業
![製品の出荷作業](/images/special_knowledge_forklift_certification_img1.jpg)
完成した製品を工場内から運び出す際やトラックに積み込む際に、フォークリフトを使って出荷作業の効率化を図ります。
フォークリフトの活躍する場面(2)部品や資材などの入荷・運搬作業
![部品や資材などの入荷・運搬作業](/images/special_knowledge_forklift_certification_img2.jpg)
工場に届いた部品や資材をトラックから積み下ろし、倉庫や工場内に運び込む際や、倉庫内で荷物を整理・移動する際にも、フォークリフトで効率的に作業を進めます。とくに自動車の製造現場は、部品を製造する工場と組み立てる工場が異なる場合が多いため、部品工場から組立工場までの運搬作業にもフォークリフトが欠かせません。
フォークリフトの活躍する場面(3)工場内での運搬作業
![工場内での運搬作業](/images/special_knowledge_forklift_certification_img3.jpg)
工場内で製造ラインに部品を運ぶ際にもフォークリフトが活躍します。広い工場内でも必要な部品を迅速に届けることができるため、製造作業のスムーズ化に大きく役立ちます。
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・フォークリフトは製造現場の「出荷」「運び込み」「運搬」などの場面で活躍している
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フォークリフト資格の種類と
取得方法・難易度について
フォークリフトの運転に必要な資格(免許)は、満18歳以上の人であれば実務経験を問わず誰でも取得でき、氏名の変更がなければ更新の必要もありません。ただし、作業を行うフォークリフトの最大積載荷重(1トン以上・1トン未満)によって、資格の種類と取得方法が異なります。
最大積載荷重1トン以上の場合のフォークリフト免許
![](/images/special_knowledge_forklift_certification_img7.jpg)
最大積載荷重1トン以上のフォークリフトで作業を行う場合、「フォークリフト運転技能講習修了証」を取得する必要があります。資格(修了証)を取得するためには、教習所で「フォークリフト運転技能講習」を受講した後、修了試験に合格しなければいけません。
●技能講習の科目内容/普通自動車免許を所持していない場合、11時間の学科講座+24時間の実技講座(全35時間)を受講する必要がありますが、所持免許などに応じて以下のような受講免除があります。
◎大型特殊・大型・中型・普通自動車免許所持者は、学科科目の受講が一部免除され、全31時間の受講になります
◎最大積載荷重1トン未満のフォークリフト業務経験が6ヵ月以上ある人は、実技科目の受講が一部免除され、全15時間の受講になります
◎大型特殊・大型・中型・普通自動車免許所持者で、最大積載荷重1トン未満のフォークリフト業務経験が3ヵ月以上ある人は、学科・実技科目の受講が一部免除され、全11時間の受講になります
●費用/2万円前後~4万5000円前後(講習の免除科目により異なる)
●取得の難易度/修了試験の合格率は95%以上となっており、資格取得の難易度としてはかなり容易なレベルです。
最大積載荷重1トン未満の場合のフォークリフト免許
![](/images/special_knowledge_forklift_certification_img8.jpg)
最大積載荷重1トン未満のフォークリフトで作業する場合、「フォークリフト運転特別教育修了書」が必要になります。「フォークリフト運転の業務に係る特別教育」を受講すれば、修了試験なしで取得できますが、最大積載荷重1トン以上のフォークリフトは運転できません。
●特別教育の科目内容/6時間の学科講座+6時間の実技講座(合計12時間)
●費用/1万5000円前後
なお、資格のない人がフォークリフトを運転した場合、労働安全衛生法の違反行為として「6ヵ月以下の懲役、または50万円以下の罰金」が科せられますので、会社の敷地内や工場内であっても、無免許運転は絶対にしないでください。また、作業の際には修了証の携帯が義務づけられていますので、修了証の不携帯や紛失にも十分注意しましょう。
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・最大積載荷重1トン以上の場合は「フォークリフト運転技能講習修了証」が必要
・最大積載荷重1トン未満の場合は「フォークリフト運転特別教育修了書」が必要
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フォークリフトの資格についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください!
フォークリフトの資格を取得するメリット
では、フォークリフトの資格を取得すると、どのような点でメリットがあるのでしょうか。資格が生かせる仕事や職場、就職・転職や収入面の優位性など、注目したいポイントをまとめて見ていきましょう。
メリット(1)フォークリフトの資格が生かせる仕事・職場が多い
![](/images/special_knowledge_forklift_certification_img9.jpg)
フォークリフトの資格を取得すれば、フォークリフトを運転・操縦するオペレーターとして活躍できます。大手メーカーの工場や倉庫、物流センターなどを中心に、フォークリフトオペレーターのニーズは高く、実務経験がなくても資格を持っていれば、採用時にも優位となります。ただし、オペレーターの求人は応募条件で要資格としている場合も多いため、この仕事を目指すなら事前に取得しておくことをおすすめします。
また、オペレーターとしてだけでなく、製造・物流の現場や工場で働く際にも、フォークリフト資格があると業務の幅や選択肢が広がり、転職・就職の際にも大きなアピールポイントとなるでしょう。
メリット(2)資格を持っていると収入面にも反映されやすい
![](/images/special_knowledge_forklift_certification_img10.jpg)
フォークリフトオペレーターは資格保有者であることから、比較的高時給の求人が多くなっています。勤務する現場や会社、実務経験などによって多少の違いはありますが、一般的な相場としては時給1200円~1600円程度となっており、より効率的に収入アップが目指せるのが魅力です。
また、一般作業の従業員として工場などで働く際にも、フォークリフトの資格を持っていると対応できる作業や仕事の幅が広がり、それにともなって資格手当や昇給などが期待できます。
【まとめ】フォークリフトの資格の種類は大きく分けて2種類!
今回の工場求人ナレッジでは、
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・フォークリフトの種類は5種類ほど
・フォークリフトは荷重によって免許が異なる
・フォークリフトの免許にはメリットが多い
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・フォークリフトの種類は5種類ほど
について解説しました。
以上、製造業の現場に欠かせないフォークリフトの基礎知識とともに、その資格に関する情報や取得するメリットについて解説しました。 フォークリフトの資格は難易度も高くありませんので、オペレーターとして活躍したい方はもちろん、製造業で働きたいと考えている方も、ぜひこの機会に取得にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
なお、一般的にフォークリフトの作業は、最大積載荷重1トン以上の車両で行う現場が多いため、できれば1トン以上の資格「フォークリフト運転技能講習修了証」を取得しておいた方が、より幅広い業務に対応しやすくなります。 また、国が資格取得の費用を一部援助する「教育訓練給付金制度」(給付条件あり)や、就業前に会社の費用負担で資格を取得できる場合もありますので、事前に確認しておくといいでしょう。