期間工の胃袋を満たす“工場食堂”など、「食の魅力」を徹底解説!

2024/6/21 更新
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■目次
- 1.食事や憩いの場、コミュニケーションの場でもある“工場食堂”
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・魅力① “工場食堂”には、ボリューミーな定番・人気メニューが充実!
・魅力② “工場食堂”が安価なのは、福利厚生の一環だから!
・魅力③ 賃上げの一環として、食事補助を採用する工場も
ーー「食事補助」を採用した企業側のメリット
ーー「食事補助」を採用した従業員側のメリット
・魅力④ “工場食堂”のメニューは、栄養バランスに優れている!
・魅力⑤ 期間工の平均在籍期間が長い工場ほど、食堂の評判がよい?
ーー定着率を大幅に向上させた中国人ブルーカラーへの施策
・魅力⑥ 期間工や契約社員が好きな時に利用できる憩いの場
・魅力⑦ 便利なシステムが導入され、進化する“工場食堂”
- 2.期間工の“食”の充実度を知ることが、賢い仕事選びのコツに
食事や憩いの場、コミュニケーションの場でもある“工場食堂”
比較的規模が大きな工場は駅から距離がある郊外などに立地していることが多いため、近くに食事をとれるお店の数が少ない……などの理由によって、大手メーカー直営の中・大規模工場のほとんどに従業員専用の食堂(以下“工場食堂”)があります。
しかも、そうした“工場食堂”では安い、うまい、ボリューミーの三拍子が揃った日替わり定食や、バラエティ豊かなメニューをラインナップしていることが多く、規模の大きな工場の食堂ともなると、昼時にはたくさんの従業員で食堂内は大混雑。さらにランチタイム以外の時間も、従業員の休憩スペースやリフレシュの場として活用されたり、少人数での打ち合わせの場としても利用されています。
また、幹部社員や工場を訪問した来客などさまざまな人が“工場食堂”を利用します。そのため、ランチタイムにたまたま隣に座った人が工場長や本社の重役だったりすることも珍しくありません。実際に、隣に座ったご縁で会話がはずみ、入社間もない期間工が取締役に顔と名前を覚えてもらった……ということもあるそうです。
このように食事だけでなく憩いの場、コミュニケーションの場としても活用される食堂には、どんな魅力があるのでしょうか。ここからは7つの魅力をご紹介しましょう!

魅力① “工場食堂”には、ボリューミーな定番・人気メニューが充実!
多くの期間工をはじめとする工場ワーカーが働いている中・大規模工場の“工場食堂”の最大の魅力といえばやっぱり、食欲旺盛な男性の胃袋を満たす“ボリューミー”な定番・人気メニューを豊富に用意している点にあるといえるでしょう。
ちなみに男性従業員に人気が高い“工場食堂”の定番メニューのトップ5は下のとおり。きっと、みなさんが好きなものばかりなのでは。

また最近は、期間工として働く女性が増えていることから、女性が多数活躍する“工場食堂”では、女性を意識したメニュー・ラインナップの充実にもチカラを入れているといいます。実際に生産ラインに多くの女性が従事する大手自動車メーカーの“工場食堂”では、豆乳や豆類を使用したヘルシーな新メニューを企画したり、人気メニューのカレーの具材にも野菜をたくさん使ったり、定食の主食も白米と玄米ごはんから選べるようにするなど、さまざまな工夫を凝らしています。
魅力② “工場食堂”が安価なのは、福利厚生の一環だから!
“工場食堂”の運営は一般的に専門業者に委託することが多く、委託業者は病院・社会福祉施設や教育機関、スポーツ施設などの幅広い分野でフードサービスを受託しています。そうした業者から派遣されるスタッフや調理人は、有名ホテルやレストランで長年経験を積んだ人や社内研修を受けた人が多いため、数百人分から数千人の料理を大鍋で手際よく衛生的に調理し、ベストなタイミングでサーブするコツを熟知してします。
何より「工場食堂”の魅力はなんですか?」と聞くと、多くの人が「価格の安さ」と答えますが、例えば、街なかの飲食店で供される700円程度の生姜焼き定食も、“工場食堂”ではワンコインほどで提供していることが多いですし、有名カレーチェーン店が提供する600円ほどのカレーも、“工場食堂”ではワンコイン以下で提供されています。
実はこの価格の秘密は、“工場食堂”が福利厚生の一環に位置づけられている点にあります。その仕組みはシンプルで、食堂委託業者に会社が支払う一般的な費用負担感は1食あたり200円ほどとされ、福利厚生費用として会社が計上することで非課税になるメリットもあります。※福利厚生費として計上するためには「従業員の月の価格の半分以上を会社が負担すること」などいくつかの条件があります。
このように、ボリューミーでありながらも安価な食事を提供している“工場食堂”は、単に従業員が敷地外に出ることなく気軽に食事をとれる“場”を提供するだけものではなく、以下のようなさまざまなメリットがあります。
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●“食”をとおして、従業員に満足感を感じてもらう
●“食”をとおして、仕事に対するモチベーションを高めてもらう
●“食”をとおして、従業員に健康を維持してもらう
●“食”をとおして、従業員間のコミュニケーションを深めてもらう
●“食”をとおした福利厚生として、会社にとっては節税効果がある
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魅力③ 賃上げの一環として、食事補助を採用する工場も
安価+おいしい食事を提供する“工場食堂”を擁するメーカーの工場では、最近、外食チェーン店や街のレストランで食事をする際に利用できる「食事補助」のサービスを採用するところが増えています。
「食事補助」は基本的に月の使用限度額や利用できるお店が決まっていることが多く、さらに、決済前に利用者が現金をチャージするものや、チャージなしで(キャッシュレス)で精算されるものなど、内容・仕組み・還元率はさまざまですが、大手メーカーT社で働くNさんの「食事補助」の内容や使用方法をご紹介しましょう。
勤務中や出張先で、会社が指定する外食チェーン店やレストラン、コンビニで食事や買い物をする機会が多いNさんは、こうしたときに会社から支給されたID・電子カードやスマホアプリを使ってレジの端末機で決済を行います。
多くの場合、「食事補助」の仕組みはNさんの例のようにとてもシンプルですが、Nさんが働くT社では使用限度額が7000円/月と定まっているため、5月にMAXの7000円分を使用した場合、翌6月の給与に「食事補助」利用額の50%(3500円)が還元されます。
「食事補助」は、企業・従業員双方にメリットがあるため、多くのメーカーや企業で「食事補助」を採用するところが増えています。
「食事補助」を採用した企業側のメリット
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●「食事補助」の費用は福利厚生として計上できる
●設備投資などのコストがかからない
●節税効果を得られる
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「食事補助」を採用した従業員側のメリット
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●仕事へのモチベーションアップが期待できる
●正社員、契約・派遣社員、役員を問わず、全従業員が公平に利用できる
●従業員にとって利用満足度や評価が高く、継続(利用)率が高い
●賃金アップの効果が得られる
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魅力④ “工場食堂”のメニューは、栄養バランスに優れている!
毎日食べても飽きがこないよう肉・魚・野菜など豊富な選択肢のなかから、その日に食べたいものをチョイスできる“工場食堂”では、バラエティ豊かなメニューを用意していますが、この背景には豊富なメニューのなかから、おいしいものをおなかいっぱい食べられる“食の場”を提供することで、従業員一人ひとりに高いモチベーションアップで業務に臨んでほしい……という企業側の思いが込められています。
ただし、揚げ物や肉類が好きだからといって、毎日カロリーの高いものを食べていては健康維持に支障が出かねません。そのため“工場食堂”では高カロリーのメニューにも、たっぷりのキャベツの千切りや野菜サラダをつけることで野菜不足に陥らないよう工夫を凝らしたり、定食メニューには豆腐や海藻を具材にした味噌汁、漬物、小鉢などを充実させることで、従業員の栄養バランスに配慮することで、健康管理に一役かってくれているのです。

魅力⑤ 期間工の平均在籍期間が長い工場ほど、食堂の評判がよい?
“工場食堂”の多くが、「おいしい」「安価」「ボリューミー」「栄養バランスがよい」といった魅力あふれる食事の提供に努めてはいるものの、調理人次第で味つけやメニューによって、少なからず違いは生じるもの……。
実際に、異なる大手メーカーで期間工として働いている期間工仲間の間で、「A社とB社の“工場食堂”の違い」や「メニューの充実度」が話題になることも多く、なかには、C社で期間工の契約が満了になったけど、あの食堂にまた行きたくてC社に再応募した、という人もいます。実際のところ、「食事は毎日のことだから、どうせ働くなら“工場食堂”が充実しているほうがいい」という意見が、期間工を経験した人の本音といえるでしょう。
さらにSNSを通して口コミが広がりやすい今日では、期間工仲間の間でさまざまな情報交換がなされていて、「食堂の評判が高い工場は、期間工や派遣社員の在籍期間が長いように感じた」「◯◯工場のカレーが食べたくて、期間工に再応募した」「◯◯工場の食堂の中国人コックさんが作る料理は絶品」などのコメントも共有されています。
定着率を大幅に向上させた中国人ブルーカラーへの施策
これは10年ほど前にあった実際の話ですが、中国人ブルーカラーが多く働く大手自動車メーカー関連工場では、「中国人ブルーカラーにとって食事の満足度が、働くうえでの重要なポイントになる」「出身地ごとに味つけや辛味がまったく異なる」「食事が充実していないことがモチベーション低下の要因になる」などの分析から、離職率を下げるため工場側はある施策を打ち出すことに……。
その施策とは、本場中国から四川、広東、湖南料理専門のコックを招き、「どのコックさんの、どの料理の人気が高いか」を探るため、工場で働く数百人の中国人ブルーカラーがそれぞれのメニューを試食し、投票するというものでした。
このイベントは、開催当初の予想を超える人気イベントとして好評を博したため、その後も定期的に開催されることになりますが、結果として工場側と中国人ブルーカラーのコミュニケーションが深まる効果が得られたことで、定着率も向上したといいます。さらに、来日して日本の工場で働きたいという希望をもつ中国在住のワーカー予備軍にもそうした情報が伝わり、人手不足解消に役立ったそうです。

魅力⑥ 期間工や契約社員が好きな時に利用できる憩いの場
多くの場合、11時30分〜14時のランチタイムに稼働している“工場食堂”ですが、午前中や夕方に休憩を兼ねて広い食堂でお茶を飲みながら一息つく従業員もいるため、食事を提供する以外の時間帯も食堂を開放していることが一般的です。また、24時間稼働する工場であれば、朝・昼・夜の時間帯にいつでも食事を取れるようメニューを限定して食堂を営業しているケースもあります。
このように工場によって食堂を利用できる時間や食事をとれる時間もさまざまですが、基本的に“工場食堂”は社員以外の利用は制限されているものの、社員が同伴すれば来客も使用できますし、期間工や契約社員など工場で働くスタッフは許可なく、誰でも、いつでも利用することが可能です。
魅力⑦ 便利なシステムが導入され、進化する“工場食堂”
最近の“工場食堂”では、「現金」「キャッシュレス」など多様な精算方法を取り入れていますが、オートメーション化の波も着実に食堂に押し寄せていて、下のようなワンタッチ式の精算システムを採用する“工場食堂”も増えています。
手順① ラインを進みながらトレー上にごはん、おかず、小鉢、スープ、スイーツなどの皿を載せる
手順② 皿が載ったトレーを両手でもち、精算台の上に置くようにタッチする
手順③ 合計金額がピッ!と高速で読み取られる
手順④ 自動で計算された食事代は、給与から天引きされる
このシステムは、自動改札機にスマホをかざす手軽さで精算ができるうえ、面倒な小銭の準備やチャージ、紙の食券も不要です。利用する側にとっては、ランチタイムの混雑時に行列に並ばなくてよい効果もあります。
こうしたシステムのほかにも、社員、来客、期間工や派遣社員などの利用者が食堂を利用する際に、支給されたプリペイドカードで精算する方式を取り入れている工場もありますし、そのほかにもID(電子)カードで食堂や売店の精算を給与一括後払いにする工場も最近は急増しています。

期間工の“食”の充実度を知ることが、賢い仕事選びのコツに
デジタル化、DX化の波は“工場食堂”にも確実に押し寄せていて、「おいしい、ボリューミー、安価な食事を、タイパよく食べられる」「小銭などの現金を必要としない精算システム」など、さまざまな便利さが“工場食堂”のスタンダードになろうとしています。
今回は期間工にとって大きなポイントになる“工場食堂”など「食の魅力」についてご紹介してきましたが、時給や手当の面で正社員並みの待遇の期間工は、食事面でも会社から手厚い支援を受けられることがご理解いただけたでしょうか。
メーカーの製造現場や工場でこれから期間工として働こうと考えている人は、時給や手当、勤務時間などの条件も重要なポイントになりますが、少し目先を変えて勤務先の“工場食堂”の評判や質、メニューの充実度や、食事補助サービスなどの情報を収集するのも、きっと賢い期間工の仕事選びのコツになるはずですよ。
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