期間工ループは危険?そのリスクとメリットになるケースついて解説!

2024/5/30 更新
そもそも「期間工ループ」とは?

期間工ループとは、期間工の契約満了後(退職後)、再び期間工の仕事に連続して就くことを指します。期間工は雇用期間が定められた期間従業員なので、最長2年11ヵ月(※)の契約期間が満了すると退職しなければいけません。そのため、期間工を辞めた後に別のメーカーや同じメーカーの求人に応募して、期間工として再就職する人も一定数います。
このように「期間工として働く」⇒「満了退職する」⇒「また期間工として働く」⇒「満了退職する」⇒「また期間工として働く……」というサイクルを繰り返すことを、期間工の間では「期間工ループ」と呼び、どちらかというとネガティブな意味で使われるケースが多いようです。
もちろん、そのような用語が正式にあるわけではなく、期間工経験者がブログやSNSなどで広めた造語ですが、期間工の仕事に興味のある人なら、「期間工ループは危険、避けるべき」といった投稿を目にしたこともあるのではないでしょうか。
※「同じ企業で3年以上勤務する従業員は、正社員として雇用しなければならない」と労働基準法で定められているため、基本的に期間工の契約期間は最長2年11ヵ月となっています。
期間工ループのリスク・危険と言われる理由
ではなぜ、「期間工ループは危険、避けたほうがいい」と言われるのでしょうか。その理由としては、以下のようなリスクやデメリットが挙げられます。
特別なスキルが身につけにくい

期間工の仕事は、担当する製造ラインでの単純作業や、未経験からできるマニュアル業務がメインとなるため、自身の強みとなる特別なスキルや、将来に向けたキャリアを積みにくいというデメリットがあります。
よって、期間工ループを続けて長く働いたとしても、その経験がプラスの経歴として評価されにくく、いざ正社員を目指して転職しようと考えても、採用選考で不利になる可能性があるのです。とくに30代以降の転職市場では、即戦力となる実務経験やスキルが求められる傾向にあるため、期間工ループを続けて年齢が高くなればなるほど、転職のハードルも高くなるということです。
何歳まで働けるかわからない

原則として期間工の応募に年齢制限(上限)はなく、実際に40代でも期間工に採用され、現場の第一線で働いている人も多くいます。ただ、期間工の仕事の中には、長時間の立ち仕事や重量物を扱う力仕事も多く、工場によっては夜勤を含む二交替・三交替勤務もあります。そのため、体力のある20代のうちは、体に負荷のかかる重労働や夜勤を難なくこなせても、年齢を重ねるとキツイと感じる人も多いようです。
また、期間工の採用時には健康診断もありますので、仕事に支障がある持病(腰痛持ち・高血圧など)があると不採用になる可能性があります。誰でも年齢とともに体力が落ち、健康にも支障が生じやすくなるため、20代の若者と比べると、40代・50代は採用で不利になるのは否めません。つまり、若いうちは期間工ループを続けられたとしても、中高年になると続けられなくなる(=期間工に採用されにくくなる)リスクもあるということです。
将来の生活設計が立てにくい

非正規雇用の期間工は、正規雇用の正社員と比べると解雇されやすいのも事実です。契約期間が決まっているとはいえ、会社の業績や景気が思わしくなければ、契約が途中で打ち切られる可能性もゼロではありません。
もちろん、期間工として12ヵ月以上働いていれば失業保険が支給されますが、次の仕事が見つかるまでは収入が途絶えることになります。また、会社側から途中で解雇されなくても、最長2年11ヵ月の契約期間が終了すれば、また次の仕事を探さなければいけません。こうした点から、将来的に安定した生活設計が立てにくいのも、期間工ループのデメリットといえるでしょう。
期間工ループに陥る原因
先述したように、将来へのリスクが生じやすい期間工ループですが、なぜ一定数の期間工がループに陥ってしまうのでしょうか。その原因は意外にも「期間工で働くメリット・魅力が非常に大きい」からです。
とくに、期間工の仕事は「短期間で高収入が目指せる」「応募・採用・就業のハードルが低い」という点が大きなメリットですが、その魅力だけに安易に頼りすぎると、期間工ループに陥りやすいということです。これはどういうことなのか、詳しく見ていきましょう。
目先の年収だけに惹かれてしまう

期間限定の条件で働く期間工は、一般的な製造業の仕事と比べて時給(基本給)が高めに設定されており、深夜手当(基本給の25%以上増し)が支給される夜勤も多くあります。さらに、高額な入社祝い金や満了慰労金などの特別手当を支給するメーカーも多いため(※)、未経験でも年収400~500万円を目指すことが可能です。
このように、期間工の仕事は給与水準が高く、短期間で効率的に稼げるのが魅力ですが、「期間限定だから高収入」という条件をきちんと理解していないと、目先の年収だけに惹かれて期間工ループに陥ってしまうのです。
※入社祝い金の有無や、特別手当の金額、支給条件などは、メーカーや時期によって異なります。
応募・採用のハードルが低い

基本的に期間工の求人は学歴・経験不問で、満18歳以上(学生は不可)であれば誰でも応募することが可能です。採用のハードルも低めで、健康面や体力に問題がなく、満了まで真面目に働ける人であれば歓迎されます。期間工の契約満了後、転職先が見つからない場合も、期間工に再度応募すれば採用されやすいため、安易に満了と再就職を繰り返しているうちに、期間工ループから抜け出せなくなるケースもあります。
高度なスキルや専門知識が必要ない

未経験でも働ける期間工の仕事は、高度なスキルや専門知識がなくても従事することができます。体力を要する立ち仕事や力仕事はありますが、一度コツをつかんで慣れてくれば、簡単にこなせる単純作業が中心です。このように仕事の難易度が低めで、慣れて覚えてしまえば比較的ラクに従事できる点も、期間工ループに陥る要因のひとつといえます。
期間工ループがメリットになるケース
ここまで期間工ループのデメリットや陥る原因について見てきましたが、目的によってはループがメリットになりうる場合もあります。以下、期間工ループがメリットになる主なケースを見ていきましょう。
夢や目標に向かって資金を稼ぎたい

独立・起業や進学・留学など、将来に向けた夢や目標が明確にあり、そのための資金を稼ぎたいという目的があれば、期間工ループもメリットになるでしょう。最初の契約で目標金額に到達できなくても、期間工ループをすることで必要な資金を稼げる可能性があるからです。将来に向けた具体的な目標があれば、その実現に必要なおおよその金額もわかるため、安易に期間工ループを続けるリスクも避けられるでしょう。
借金を返済したい

公言するかどうかは別として、借金の返済が目的で働いている期間工もいます。期間工は給与水準が高いうえ、メーカーによっては50万円以上の入社祝い金や満了慰労金が支給されますので、期間工ループで一気に稼いで完済できれば、人生の大きなターニングポイントにもなるでしょう。また、期間工は社員寮を格安で利用でき、メーカーによっては寮費・水道光熱費が無料の場合もありますので、生活費を抑えてしっかり貯金することも可能です。
正社員登用を目指している

期間工から正社員登用を目指している人も、若いうちの短期間であれば、期間工ループをする価値はあるでしょう。期間工を募集する多くのメーカーでは正社員登用制度を設けており、期間工としての働きが認められると正社員として採用され、定年まで安定した雇用・収入が保証されるからです。ただし、正社員登用は若いほど有利となるため(メーカーによっては年齢条件がある場合も)、期間工ループで登用を目指す場合は、自分の年齢とループ期間を見極めることが大切です。
まとめ
今回は、期間工として働く際に注意したい「期間工ループ」について解説しました。
ご紹介したように、期間工のメリットばかりに依存してループを続けていると、将来的に大きなリスクが生じる可能性があります。一方で、将来に対する明確な目標と目的を持って働くのであれば、期間工ループがメリットになりうる場合もありますので、一概に「危険」とは言い切れないのも確かです。
いずれにしても、期間工ループのデメリットを踏まえたうえで、期間工という働き方の特性や利点をしっかりと理解し、今後に生かせるワークスタイルを選択することが重要といえるでしょう。期間工の仕事を通して、自分自身の将来の可能性を広げるために、今回ご紹介したポイントが一助となれば幸いです。
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