1. 工場求人トップ
  2. 工場求人ナレッジ
  3. 派遣社員の平均年収は?業界やエリア別で徹底比較!

派遣社員の平均年収は?業界やエリア別で徹底比較!

派遣社員の平均年収は?業界やエリア別で徹底比較!

2024/6/3 更新

  1. ■目次
    1.派遣社員(非正規雇用)の割合は年々増加している
    2.派遣社員の平均年収は「約382万円」
    3.派遣社員の年収を業界や職種別で徹底比較!
    4.派遣社員の時給は地域によって差がある
    5.派遣社員の時給を業界や職種別で徹底比較!
    6.派遣社員の中でもIT業界やメーカーは高年収が多い
    7.派遣社員として働き始める前にチェックすべき5つのポイント
    (1)派遣社員の月給内訳と保険は?
    (2)派遣社員の給与日は、いつ? ボーナスは出る?
    (3)派遣社員の手取り額は確認しておいたほうがいい?
    (4)派遣社員はひとつの会社でずっと働ける?
    (5)「派遣3年ルール」の対象外とは?
    8.【まとめ】派遣社員として働き始める前には待遇を必ずチェック

1.派遣社員(非正規雇用)の割合は年々増加している

物価高に伴う賃上げなど企業を取り巻く環境が厳しさを増すなか、「終身雇用」「年功序列」「勤続年数をベースにした退職金」などの古い制度を見直す企業や、社会保険等の企業負担を軽減するため、派遣社員の雇用に力を入れる企業が増えています。

一方の働く側にも変化が起きています。上司の顔色を窺いながらずっと同じ職場で同じ仕事をする正社員よりは、自由度の高い働き方で自分らしいライフスタイルを追求したいと考え、意志的に非正規雇用の道を選ぶ若者も、いまでは珍しい存在ではなくなっています。

  1. ・がんばって大企業に就職しても、いつ何が起きるかわからない
    ・正社員より、You Tuberなどの仕事のほうが楽しいし、儲かる
    ・古い組織の旧態依然とした常識や慣習に従いたくない
    ・派遣と副業を両立して、夢をかなえるためにお金をためたい
    ・育児がひと段落したので、事務系の派遣で仕事を始めた
    ・特技を活かしてさまざまな職場を体験して、人脈を作りたい
    ・仕事も大事だけど、充実したプライベートのほうがもっと大事
    ・人生の貴重な時間の多くを、満員電車に乗る時間に費やしたくない

上記の一例のように非正規雇用者を選択した人の価値観はさまざまですが、非正規雇用者の割合はバブル崩壊、リーマンショック等の経済危機を問わず緩やかな増加トレンドにあり、今後さらに増加すると見込まれています。また、正規雇用者数はバブル崩壊後に減少したものの、2015年以降は増加傾向に転じています。
※グラフのブルーで示した非正規雇用には、役員をのぞくパート、アルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託を含む

正規雇用と非正規雇用労働者の推移

2.派遣社員の平均年収は「約382万円」

ここからは、派遣社員をめざす人にとって最も気になる賃金を確認していきましょう。 厚生労働省が発表した「労働派遣事業者報告書」によると、令和2(2020)年度の派遣労働者の平均賃金は以下のようになっています。

  1. 【派遣労働者の平均賃金】
    平均日給……約1万5590円(1日8時間)
    平均時給……約1949円(平均日給を8時間で割ったもの)
    平均年収……約382万円(年間実働日数245日※で計算)
    ※年間の休日数を120日とし、1年の実働(就業)日数を245日で計算

一方、国税庁の「民間給与実態統計調査(令和3/2021年分)」によると、正社員の平均年収は443万円で、派遣社員の平均年収(約382万円)で、正社員のほうが年収が高い結果になっています。

参考までに、厚生労働省が公表した派遣社員の平均時給は1949円ですが、この数字には専門技術や国家資格を有する医師等も含まれています。そのため平均値がかなり高くなっています。

厚生労働省が公表した派遣労働者の平均賃金

3.派遣社員の年収を業界や職種別で徹底比較!

ここからは、接客・給仕職、一般事務職、IT業界での技術などの分野で働く派遣スタッフの平均賃金を見ていきましょう。

  1. 平均時給/1268円
    接客
    給仕職 平均日給/約1万145円(1日8時間実働)
    従事者 平均年収/約250万(年間245日実働)

  1. 一般事務 平均時給/1412円
    オフィスワーク 平均日給/約1万1296円(1日8時間実働)
    従事者 平均年収/約277万(年間245日実働)

  1. IT業界 平均時給/2285円
    一般技術 平均日給/1万8280円(1日8時間実働)
    従事者 約平均年収/約448万(年間245日実働)

  1. IT業界 平均時給/2485円
    システム開発 平均日給/約1万9800円(1日8時間実働)
    従事者 平均年収/約487万(年間245日実働)

  1. IT業界 平均時給/2475円
    情報処理 平均日給/約1万9880円(1日8時間実働)
    通信技術従事者 平均年収/約487万(年間245日実働)

業種や職種によって賃金の平均値に差はありますが、もし、同じような仕事をしている派遣スタッフの知人より自分の時給が低い……と感じたときは、所属(登録)する派遣会社に相談することで時給がアップしたというケースもありますし、相談しても対応してくれない場合は、思いきって派遣会社をかえるという手もあります。

4.派遣社員の時給は地域によって差がある

次に、株式会社リクルートが発表した三大都市の「派遣スタッフ募集時平均時給調査(2023年2月)」を見ていくことにしましょう。

  1. 【関東・東海・関西の三大都市圏全体】
    平均時給…… 1611 円(前年同月より36 円増加/増減率+2.3%)

  1. 【三大都市圏エリア別】
    関東…… 平均時給 1705 円 (前年同月より32 円増加/増減率+1.9%)
    東海…… 平均時給 1429 円 (前年同月より34 円増加/増減率+2.4%)
    関西…… 平均時給 1443 円 (前年同月より28 円増加/増減率+2.0%)

予想どおり関東エリアの平均時給が最も高い1700円超えになっていますが、東海、関西エリアでも前年同月より時給額は上昇していて、三大都市圏全体の平均時給は前年同月(2022年2月)と比較してプラス2.3%という結果に。これは、コロナ禍の収束と賃上げ機運の高まりから、派遣スタッフの時給を見直す企業が増えていることが要因とされています。

同じ大都市圏でも、地域によって差がある平均時給

5.派遣社員の時給を業界や職種別で徹底比較!

三大都市(関東・東海・関西)の平均時給が理解できたところで、派遣スタッフが多く活躍する業界・職種の平均時給に目を向けてみましょう。

  1. ●IT業界・技術系 平均時給2150円/日給1万7200円(1日8時間実働)
    ●クリエイティブ系 平均時給1845円/日給1万4760円(同)
    ●教育系 平均時給1620円/日給1万2960円(同)
    ●オフィスワーク(事務系) 平均時給1590円/日給1万2720円(同)
    ●医療・介護系 平均時給1520円/日給1万2160円(同)
    ●営業・販売系 平均時給1460円/日給1万1680円(同)
    ●サービス系 平均時給1450円/日給1万1600円(同)

上に示した業種別の派遣スタッフの平均時給はおおよその目安となるもので、同じ業界・職種の派遣スタッフであっても、職歴や実績から講演の講師を依頼されるケースや、派遣先のプロジェクトに参加し、要職を任される人もいます。そうした人の時給は、スキルやキャリアがない派遣スタッフより高く設定されることが一般的です。

6.派遣社員の中でもIT業界やメーカーは高年収が多い

派遣社員の中でもIT業界やメーカーは高年収が多い

前章では、さまざまな業界で派遣スタッフとして活躍する際の平均時給を見てきましたが、派遣という業務形態が広く取り入れられているのがIT業界やメーカーです。

IT業界には、企画立案、設計、プログラミング、設計、構築、運用までをトータルで請け負う企業もあれば、開発、プログラミング、テスト、保守等の一部工程を専担う企業もありますが、いずれの企業でも専門技術を有した派遣エンジニアが重要ポジションに就くことは珍しくありません。

また、ニーズが高いSEやプログラマ、さらに、慢性的な人手不足にあるソフト・ハードウェア、Web・システム開発、AI、情報処理、通信インフラの分野で活躍する技術系の派遣エンジニアは総じて時給が高く、専門性・経歴・実績によってさらに待遇はよくなります。インフラ系の大規模プロジェクトに派遣として参加した上流SEが、その専門性と実績を評価され、突出した高待遇で活躍しているという実例もあります。

あるいは巨大産業の自動車業界であれば、モーターやエンジンのパワーユニットメーカー、骨格(シャーシ)メーカー、ボディ、シート、タイヤ等の素材メーカーなど、ミリ単位のネジから大型鋼板にいたる数万点のパーツを製造する多種多様なメーカーの専門性の高い領域で、非常に多くの派遣スタッフが活躍しています。

7.派遣社員として働き始める前にチェックすべき5つのポイント

(1)派遣社員の月給内訳と保険は?

派遣スタッフの月給は「時給×その月の実働(就業)時間」で計算されることが多く、労働保険料(労災保険、雇用保険、健康保険約、介護保険等)や有給休暇費用なども派遣料金に含まれています。

派遣スタッフの給与は労使協定または業務に従事する労働者との均衡を考慮して決定されますが、その内訳は多くの場合以下のようになっています。

QC検定(品質管理検定)の概要

(2)派遣社員の給与日は、いつ? ボーナスは出る?

派遣先(働いている企業)の給与規定によって異なりますが、基本的に「月末締 → 翌月の給与日払い」となり、支払い経由は「派遣先の企業→派遣会社→派遣スタッフ」になります。
正社員の給与日が25日なら、それと同じ25日に派遣スタッフの給与も支給されることが多いのですが、派遣会社の手続き次第で正社員の支給日より遅れる場合もあるので、公共料金や家賃の支払いが滞らないよう毎月の支給日を事前に把握しておきましょう。
なお、給与の仕組みが「時給×実働(就業時間)」である派遣スタッフには、ほとんどのケースで昇給やボーナスはありません。

派遣社員のボーナスについて詳しく知りたい方はコチラ!
派遣社員はボーナスが出ない? ボーナスが見込める働き方は?

(3)派遣社員の手取り額は確認しておいたほうがいい?

給料全体から社会保険や所得税などを差し引き、実際に受け取る額を“手取り”と言います。確定申告をする派遣社員は申告時に慌てなくてすむよう、給与から差し引かれている健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、所得税などの項目や金額がすぐにわかるよう毎月の給与明細を保管し、額面と手取りの違いを把握するようにしましょう。

(4)派遣社員はひとつの会社でずっと働ける?

有期雇用の派遣社員は、同じ職場・部署で働ける期間が2015年の派遣法改正により「最大3年まで」と定まっていて、この決まりを「派遣3年ルール」と呼びます。
ただし、不安定な雇用状態にある派遣社員が弱い立場に追い込まれることを防ぐため、就業3年を迎えた派遣社員が引き続き同じ職場や部署で働きたいときは、一定条件を満たすことで派遣先(働いている企業)からの直接雇用や、無期雇用に切り替える方法もあります。
そのほかにも、同じ派遣先で部署を異動することで、そこからさらに3年働く方法もありますが、「ずっといまの会社で働きたい」と思ったときは、自分の希望が叶うか、どのような方法が最善かを、早めの段階で派遣会社に相談するようにしましょう。

(5)「派遣3年ルール」の対象外とは?

  1. ●産前産後休業や育児休業中の人の代わりに派遣されている場合
    ●介護休業などで休業している人の代わりに派遣されている場合
    ●契約時から無期雇用派遣として働いている場合
    ●契約終了期限が定められた有期プロジェクトに従事している場合
    ●1カ月の勤務日数が、通常の労働者の半分以下に限定されている場合
    ●年齢が60歳以上の場合

「派遣3年ルール」の対象外とは?

8.【まとめ】派遣社員として働き始める前には待遇を必ずチェック

この記事では

  1. ・派遣社員の平均年収は「約382万円」
    ・派遣社員でも業界やエリアで収入は大きく異なる
    ・派遣の中でも稼げるのは「IT業界」と「メーカー」

といった内容を紹介しました。

——これから派遣スタッフとして新たな一歩を踏み出す人も、就活まっただなかの人も、そして、派遣社員か正社員かどちらを進んだらよいか迷っている人も、派遣社員の給与相場や派遣社員になる際の注意点を理解しておけば、「こんなはずじゃなかった」という後悔やミスマッチを最小限におさえることができるはず。派遣スタッフとして自分らしく働けるよう、あなたにぴったりの道を賢くむだなく選択してくださいね。

■参考/
総務省総務省「労働力調査(特別調査)」 正規雇用と非正規雇用労働者の推移】
厚生労働省「労働派遣事業者報告書」
株式会社リクルート「派遣スタッフ募集時平均時給調査」