期間工を3ヵ月で辞めるのはアリ?短期契約のメーカーや働く際の注意点を紹介

2024/4/5 更新
1.押さえておきたい期間工の契約期間に関する基礎知識
期間工の雇用契約について
期間工(期間従業員)とは、主に自動車メーカーや製造業の工場において働く期間が決められている「有期雇用の従業員」のこと。基本的に3ヵ月~6ヵ月ごとの契約更新を繰り返しながら、最長2年11ヵ月まで働くことが可能ですが、契約期間(契約更新の時期)はメーカーによって異なります(以下参照)。
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【契約期間(契約更新)が3ヵ月の場合】
入社~3ヵ月(更新)⇒ 3ヵ月(更新)⇒ 3ヵ月(更新)~ 2年11ヵ月(退職)
【契約期間(契約更新)が6ヵ月の場合】
入社~6ヵ月(更新)⇒ 6ヵ月(更新)⇒ 6ヵ月(更新)~ 2年11ヵ月(退職)
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期間工を3ヵ月で辞めても問題はない?

期間工の労働条件は「期間限定・高報酬」という設定なので、「お試しで3ヵ月ほど働いてみたい」「短期集中で稼いでサッと辞めたい」という人もいるでしょう。とはいえ、そもそも期間工を3ヵ月程度で辞めても問題はないのでしょうか。
結論から言うと、契約期間が3ヵ月のメーカーを選べば、3ヵ月ごとに「契約更新するか」「満了退職するか」を選択することになるため、入社して3ヵ月目の初回満了時に退職しても何ら問題はありません。
契約期間が6ヵ月の場合は?
一方で、契約期間が6ヵ月のメーカーの場合、満了退職するためには入社から少なくとも6ヵ月勤務する必要があるため、3ヵ月で退職すると自己都合の「途中退職」という扱いになってしまいます。もちろん、6ヵ月前でも事情を説明して辞めることは可能ですが、会社側にも職歴にもマイナスなイメージを残すことは否めません。 したがって、最初から期間工を3ヵ月で辞めるつもりであれば、契約期間(初回契約)が3ヵ月のメーカーを選ぶようにしましょう。
※期間工に関する詳しい情報はこちらもチェック
期間工とはそもそも何? | 工場・製造業の求人・お仕事・派遣なら日総工産
2.契約期間が3ヵ月の主要メーカーと選ぶ際のポイント
それでは、期間工の契約期間が短期(3~4ヵ月)の主要メーカーを紹介しましょう。また、期間工として短期で働く場合、メーカー選びでチェックしておきたいポイントについても解説します。
期間工の契約期間が短期の主要メーカー
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【契約期間(初回契約)が3ヵ月の主要メーカー】
●トヨタ(初回3ヵ月、6ヵ月以降は半年更新) ●トヨタ自動車東日本
●日産自動車 栃木工場 ●日産車体
●ホンダ ●スズキ ●ジャトコ など
【契約期間(初回契約)が4ヵ月の主要メーカー】
●スバル ●三菱自動車 水島製作所 など
※各メーカーの契約期間は、勤務先の工場や時期によって変更になる場合もあります
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※各メーカーの応募要項や詳しい情報はこちらをチェック
期間工(期間従業員・期間社員)求人・仕事特集 | 工場・製造業の求人・お仕事・派遣なら日総工産
短期で働くなら求人情報のここをチェック!

3ヵ月程度の短期で働く場合、とくに注意して確認しておきたいのが、各メーカーの入社祝い金(入社特典)と慰労金(満了慰金労)に関する情報です。
まず、入社祝い金などの入社特典は、メーカーや時期によって支給の有無や支給額、支給要件が異なりますが、多くの場合「初回契約更新時に支給」「勤務日数●●日以上で支給」などの条件が設けられています。とくに祝い金が高額になると、勤務期間(契約更新ごと)に応じて分割支給するケースが一般的です。そのため、初回の契約更新をしないで辞めてしまうと、メーカーによっては祝い金が全額もらえない可能性もあります。
また、契約期間の満了時に支給される慰労金も、支給額や支給要件がメーカーによって異なり、満了時に契約更新しないと(満了退職すると)支給されない場合もあります。たとえば、契約更新後の初回給料日に在籍している人が支給対象になるケースや、契約更新後の翌月の給料と合わせて支給されるケースなど、さまざまなパターンがありますので、細かい条件まできちんと確認しておきましょう。
このように、期間工として短期で働く場合、入社祝い金や慰労金などの有無・支給額・支給要件などによって、退職までの収入に差が出てくるため、給料や他の待遇面も含めて納得のいく条件のメーカーを選ぶことが大切です。
3.期間工を短期で辞める場合の注意点・デメリット
契約期間に応じて短期で働くことも可能な期間工ですが、3ヵ月程度で辞める場合の注意点やデメリットもあります。以下、マイナスな面もしっかり理解・納得した上で、働く期間を検討しましょう。
短期前提だと採用されにくい

期間工の採用には多くの手間とコスト(募集・面接・健康診断・教育など)がかかるため、メーカー側としてはできるだけ長く働いてくれる人を歓迎します。よって、面接時に「とりあえず3ヵ月だけ働きたい」「3ヵ月契約だからここを選んだ」など、短期を前提とした発言は避けた方がいいでしょう。たとえ短期で辞めるつもりであっても、面接時には「少しでも長く働きたい」と伝えた方が無難です。
失業保険がもらえない可能性がある

期間工は会社の雇用保険に加入するため、退職した際には失業保険の受給対象になります。ただし、実際に失業保険をもらうためには、以下のような条件があります。
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【失業保険の受給条件】
●自己都合による退職……退職日より前の2年間で(前職を含めて)、雇用保険の加入期間が1年以上あること
●会社都合による退職……退職日より前の1年間で(前職を含めて)、雇用保険の加入期間が6ヵ月以上あること
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したがって、期間工を3ヵ月で辞めてしまうと、前職の状況(雇用保険の加入の有無、加入期間、前職との空白期間など)によっては、失業保険をもらえない可能性があるため注意が必要です。
次に、立ち仕事による足トラブルの予防・軽減に役立つ、さまざまな対策アイテムを紹介しましょう。日ごろからのセルフケアとあわせて、ぜひ活用してみてください。
早期退職は次の就職で不利になるかも

たとえ3ヵ月という短い期間でも、契約期間の節目である満了時に退職すれば、辞め方として何ら問題はありません。履歴書の職歴にも「自己都合で退職」ではなく、「契約満了により退職」と堂々と書くことができます。
とはいえ、3ヵ月程度の短期退職は、社会通念上あまりいい印象を与えないのも事実です。次の就職先に応募する際にも、応募先の担当者から「今度もすぐに辞めてしまうのでは」と思われ、採用で不利になる可能性も否めません。よって、次回からの就職活動では「期間工を3ヵ月で辞めた正当な理由」を、きちんと説明できるようにしておきましょう。
稼げるチャンスを逃してしまう

期間工の各種手当は、基本的に長期間勤務するほど割高になっていくため、短期で辞めてしまうと、さらに稼げるチャンスを逃してしまうことになります。たとえば、トヨタの満了慰労金の実績を見ると、初回の3ヵ月時点で12万2000円、6ヵ月時点で39万400円、12ヵ月時点で48万8000円……と満了を重ねるごとにアップしていきます(※)。そのほか、分割で支給される入社祝い金や契約更新手当、勤続ボーナス手当、経験者手当など、契約更新が条件となっている特典・諸手当なども、当然ながらもらうことはできません。
※現時点での実績例です。金額は時期や勤務地の工場によって変更される場合もあります。
正社員になれない

期間工を募集しているメーカーの多くは正社員登録制度を設けており、期間工としての働きが評価されると、正社員になれる可能性があります。とくに、正社員登録制度のある大手自動車メーカーでは、毎年、相当数の期間工を正社員に登用しており、なかには登用率が80%を超えるメーカーもあります。
ただし、正社員に登用されるためには、1年以上の勤務を条件としているメーカーが多いため、短期間の勤務では対象外となってしまいます。もちろん、正社員を目指していない人には問題はありませんが、大手メーカーの正社員になれるチャンスを逃してしまうのは、やや惜しいかもしれません。
4.まとめ
ここまで見てきたように、そもそも期間工は期間限定で働く有期雇用の従業員ですから、3ヵ月程度の短期目的でも問題はありません。もちろん、自己都合で3ヵ月前に辞めることも可能ですが、できるだけ契約期間が満了した節目で退職するのがベターです。
ただ、期間工として長く勤務すればもらえる満了金や各種手当が増え、しっかり稼ぎながら正社員になれるチャンスもあります。短期で働く明確な目的や理由がないのであれば、ひとつのメーカーで長く働いた方が、得られるメリットはより多くなるでしょう。
期間工が初めてで自信がない……という人も、まずは3ヵ月働いてみて要領がわかれば、その後も6ヵ月・1年と続けられるかもしれません。自分にとって「短期で働くのがいいのか」「長期で働くのがいいのか」、それぞれのメリット・デメリットをしっかり見極めた上で判断しましょう。
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