立ち仕事で足が痛い!痛みやむくみを改善するケアとアイテムを紹介!

2024/4/3 更新
1.立ち仕事で生じやすい足のトラブル
工場や飲食店などで働く従業員、スーパーのレジやデパートの販売員、美容師、看護師、警備員など、立ち仕事をする人の多くが悩んでいる「足のトラブル」。主な症状としては、「足裏やふくらはぎが痛い」「足の甲やふくらはぎがパンパンにむくむ」「足全体が重だるい」「就寝中に足がつる」などが挙げられます。
立ち仕事で足トラブルが起きる原因
立ち仕事による足トラブルの主因とされているのが「足の血行不良」です。まずは、私たちの全身をめぐる血液の流れと、その働きについて見ていきましょう。
血液は心臓から動脈を通って全身をめぐり、血液によって運ばれた酸素や栄養を使って、人間はさまざまな生命活動を行っています。そして、活動によって出た老廃物は、静脈を流れる血液とともに心臓へ戻っていきますが、その際に血液を戻す力となるのが「足の筋ポンプ作用」です。足のふくらはぎは「第2の心臓」とも言われ、重力に逆らって血液を押し戻す重要な働きをしています。具体的には、ふくらはぎを動かすことで伸び縮みした筋肉が、静脈を伸縮させて血液を心臓に押し上げていきます。

しかし、長時間立ったままの状態(座ったままでも同様)が続くと、足の筋ポンプがほとんど作用せず、重力で血液が足の静脈に溜まっていきます。静脈を流れる血液には多くの老廃物が含まれているため、血流とともに下半身の新陳代謝が滞ってしまい、さまざまな足トラブルの症状が生じやすくなるのです。
立ち仕事で発症しやすい「下肢静脈瘤」

また、静脈の内壁にはハの字型の弁があり、立っている時に血流が下へ逆流するのを防いでいます。この弁がきちんと閉まらなくなり、足の静脈に血液がたまってコブのようにふくれてしまう疾患が「下肢静脈瘤」です。弁が作用しなくなる原因としては、遺伝・妊娠・出産のほか、長時間の立ち仕事も発症のリスクを高めるとされています。
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【下肢静脈瘤の主な症状】
●足首・ふくらはぎ・太ももの血管がボコボコと浮き上がる
●ふくらはぎの痛み、だるさ、むくみ
●就寝中に足がつる(こむら返り)
●足首・ふくらはぎ・太ももの色素沈着や湿疹
●重症になると潰瘍や出血をともなうこともある
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2.立ち仕事の足トラブルを緩和するセルフケア
足に負担のかかる立ち仕事は、どうしても足トラブルが起きやすくなりますが、日常的なケアでつらい症状を和らげることができます。ここからは、立ち仕事による足トラブルの症状を改善・予防するために、日ごろから取り入れたいセルフケアの方法を紹介しましょう。
仕事の合間や休憩時間にストレッチをする

可能であれば、仕事の合間にストレッチをして、足の血流を意識的に促しましょう。ひざの屈伸や前屈、アキレス腱を伸ばすストレッチのほか、かかとの上げ下げ・つま先立ちなども血液の循環を促して、足の疲れやむくみの防止につながります。また、休憩時間に全身のストレッチや軽い体操、足のマッサージを行うのも、心身のリフレッシュや疲労軽減に役立ちます。
毎日、しっかりと湯船に浸かる

夏場でも毎日の入浴はシャワーだけで済ませず、しっかりと湯船に浸かることが大切です。湯船に浸かると、水圧と温熱の相乗効果で下半身の血流がスムーズになるため、足腰や全身の疲れを軽減することができるのです。身体をほどよく温めて血行を促し、リラックス効果を高めるためには、38~40℃のお湯に15~20分程度浸かるとよいでしょう。
入浴後にストレッチやマッサージをする

入浴後は筋肉がほぐれているので、ストレッチやマッサージを行うとより効果的です。とくに、リンパ節のあるひざの裏側を揉みほぐすと、溜まった水分や老廃物が押し流され、足のむくみや疲労を緩和してくれます。また、ふくらはぎの両脇や後ろの部分を、手でトントンと叩くように刺激すると、足全体の血流が良くなってさらに効果的です。
足を高く上げて動かす、擦る(さする)

足全体が重だるく感じる時は、仰向けに寝た状態で両足を高く上げ、足全体をブラブラとゆすったり、足首を回したりすると、下半身に溜まった血液が押し流され、静脈の緊張による不快感が緩和されます。また、足を高く上げたまま、足首から太ももに向かって、両手で足を包み込むように擦る(さする)のも効果的です。
3.立ち仕事の足トラブルを軽減するアイテム
次に、立ち仕事による足トラブルの予防・軽減に役立つ、さまざまな対策アイテムを紹介しましょう。日ごろからのセルフケアとあわせて、ぜひ活用してみてください。
コンプレッションウェア

長時間立ち仕事をする人におすすめなのが、着圧ソックス・加圧ストッキングなどのコンプレッションウェアです。ふくらはぎや下半身を適度に加圧することで、血液を足から心臓に押し戻す作用が高まり、血行が良くなって老廃物が溜まりにくくなるため、足のむくみや疲労の軽減に効果的です。
機能性インソール

普段履いている靴に、機能性インソールをプラスするのも効果的。体重を支える足裏をインソールでサポートすることで、立ち仕事による足の疲れや痛みなどを軽減することができます。足裏が痛くなりやすい人には、足裏にフィットするアーチ形状のもの、歩くことが多い人には、衝撃吸収性・クッション性に優れた低反発素材のものがおすすめです。ただし、履いている靴にインソールを敷くと、靴のサイズがきつくなってしまうこともありますので、靴の中敷とのバランスを考えて選びましょう。
足枕・足クッション

足専用の枕やクッションで足を高くすることで、下半身に停滞した血液を流しやすくする効果があります。就寝時だけでなく、テレビを観ながらゴロゴロくつろぐときにも好適です。さまざまな素材や高さの商品がありますので、好みに合わせて選ぶといいでしょう。
4.症状が改善しない、悪化する場合は受診する

ここまで紹介した方法で足の症状が改善しない、または悪化するような場合は、なにか別の疾患がある可能性もあります。以下のような症状がある場合・続く場合は、自己判断で放置せず、早めに整形外科を受診するようにしましょう。
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【受診の目安となる症状】
《1》一晩寝ても、足の痛みやむくみがとれない
《2》歩くと足に激痛が走る
《3》足に痺れ(しびれ)がある
《4》足の血管がボコボコと浮き出ている
《5》足の皮膚が黒ずんでいる、内出血がある
《6》足の皮膚に炎症がある、痒み(かゆみ)がある
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とくに《4》《5》《6》の症状が見られる場合は、先述した「下肢静脈瘤」の可能性があります。下肢静脈瘤の初期は見た目の症状だけで、痛み・むくみなどの症状がない場合もありますが、立ち仕事をしている人は、年齢とともに痛みなどが出てくるリスクが高くなります。将来的に症状を悪化させないためにも、できるだけ早く専門の医療機関を受診しましょう。
5.まとめ
今回は、立ち仕事をする人に多い足のトラブルについて、その原因や対処法について解説しました。
ご紹介したように、立ち仕事による足のトラブルは、日々のセルフケアや対策アイテムなどで改善・予防することができます。仕事中に意識して足を動かすことはもちろん、日常生活でも散歩やジョギングなどでふくらはぎの筋肉を鍛え、適度な運動で血流を促して症状の悪化を予防しましょう。また、症状によっては治療を要することもありますので、日ごろから足の状態をきちんとチェックして、不安があれば受診することをおすすめします。
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