交替制とは?働き方の特徴・勤務パターンやメリット・デメリットを解説

2024/10/9 更新
「交替制」とはどんな働き方?
交替制(交替制勤務)とは、所定労働時間(通常1日8時間)以上の勤務が必要な職場において、複数の従業員が交替で働く勤務形態のこと。製造業の工場や物流センター、病院や介護施設、宿泊施設やコンビニなど、24時間稼働・営業する業種で多く採用されており、1日の勤務時間を日勤・夜勤などのシフトに分け、従業員が交替で勤務することで、現場や施設の機能がストップしないようにしています。
一般的な日勤・夜勤と交替制の違いは?

日勤は昼間の時間帯を中心に勤務する働き方で、職場によっては昼勤と呼ばれることもあります。勤務時間は休憩時間を含めて「8時~17時」「9時~18時」「8時~20時」「9時~21時」など、職場や業種によってさまざまなパターンがあります。
一方、夜勤は深夜の時間帯を中心に勤務する働き方です。勤務時間は休憩時間を含めて「20時~翌5時」「21時~翌6時」「21時~翌9時」など、日をまたいで勤務することになりますが、2日分の勤務ではなく1日の勤務として扱われます。
日勤・夜勤いずれかの時間帯で働く一般的な勤務形態(固定時間制)に対して、交替制は日勤と夜勤のシフトを交互に繰り返す点が大きく異なります。一定の期間ごとに日勤から夜勤(夜勤から日勤)に切り替わるため、日勤または夜勤のみで働く場合と比べると、やや変則的な働き方となるのが特徴です。
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交替制には「二交替制」「三交替制」がある
交替制の勤務パターンには、主に「二交替制」と「三交替制」の2種類があります。どちらの交替制を採用し、どのようにシフトを組んでいるかは職場や業種によって異なります。
二交替制とは

二交替制とは、1日の勤務時間を2つに分け、数日ごとに日勤・夜勤のシフトを交互に繰り返す働き方です。たとえば、「8時~20時(日勤12時間)」と「20時~翌8時(夜勤12時間)」のように、各シフトを12時間ずつに分けて勤務するパターンが一般的です。
また、「7時~17時(日勤10時間)」と「17時~翌7時(夜勤14時間)」のように、夜勤のシフトを長めにして、2時間程度の仮眠時間を設けているパターンもあります。
三交替制とは

三交替制とは、1日の勤務時間を3つに分け、数日ごとに日勤・夜勤・準夜勤(または朝勤など)のシフトをローテーションする働き方です。たとえば、「8時~16時(日勤8時間)」「16時~24時(準夜勤8時間)」「24時~翌8時(夜勤8時間)」のように、各シフトを8時間ずつに分けて勤務するパターンが一般的です。
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交替制の休日設定は?

基本的に交替制勤務では、休日をはさんで日勤と夜勤(準夜勤)のシフトが入れ替わります。ただ、昼夜のシフトを数日ごとに繰り返す交替制は、どうしても身体への負担が大きくなるため、職場によっては「4勤2休」「3勤1休」「5勤2休(平日休みを含む)」などの休日設定を導入し、従業員が適切なタイミングで休めるよう配慮しています。
4勤2休とは
4勤2休とは、4日連続で勤務した後に2連休をとる働き方です。たとえば、4勤2休の二交替制の場合、4日連続の日勤を経て2連休を取った後は、4日連続の夜勤となり、2連休の後はまた4日連続の日勤、というパターンを繰り返します。
4勤2休は、通常の1週7日のカレンダーとは異なり、6日間を1セット(1週)と考えるため、休日の曜日は固定されず、平日が休みとなる場合もあります。一般的な週休2日(休みが土日固定)より1日早いタイミングで休め、その月の曜日次第では、土日固定の休みより1ヵ月の休日数が多くなるのも魅力です。
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【4勤2休の二交替制のスケジュール例】
日勤(月曜・火曜・水曜・木曜)⇒休み(金曜・土曜)⇒
夜勤(日曜・月曜・火曜・水曜)⇒休み(木曜・金曜)~以下繰り返し
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3勤1休とは
3勤1休とは、3日連続で勤務した後に1日休むという働き方です。たとえば、3勤1休の三交替制の場合、3日連続の日勤を経て1日休みを取った後は、3日連続の準夜勤となり、1日休んだ後は3日連続の夜勤、というパターンを繰り返します。
こちらも休日の曜日は固定されず、平日が休みとなる場合もあります。原則として連休はありませんが、3日ごとに休みが来るので、より疲労が溜まりにくい働き方といえるでしょう。
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【3勤1休の三交替制のスケジュール例】
日勤(月曜・火曜・水曜)⇒休み(木曜)⇒
準夜勤(金曜・土曜・日曜)⇒休み(月曜)⇒
夜勤(火曜・水曜・木曜)⇒休み(金曜)~以下繰り返し
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5勤2休(平日休みを含む)とは
5勤2休とは、1週間のうち5日勤務して2日休むという働き方です。一般的に週休2日と呼ばれる休日設定と同じですが、土日も稼働している工場などでは、平日の休みを含んだ5勤2休を導入する職場が多くなっています。
たとえば、「平日+日曜休み」「平日+土曜休み」「平日の2日休み」などのパターンがあり、連休をとれない場合もありますが、休日の曜日を分散させることで、シフトチェンジによる身体への負担を軽減することができます。
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【5勤2休の二交替制(平日+日曜休み)のスケジュール例】
日勤(月曜・火曜・水曜)⇒休み(木曜)⇒
夜勤(金曜・土曜)⇒休み(日曜)⇒
日勤(月曜・火曜)⇒休み(水曜)⇒
夜勤(木曜・金曜・土曜)⇒休み(日曜)~以下繰り返し
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交替制で働くメリット
交替制で働くメリットとしては、「深夜手当が付く」「残業が少なめ」「平日の昼間に休める」という点が挙げられます。以下、それぞれ詳しく見ていきましょう。
深夜手当が付くことで給料がアップ

労働基準法では22時~翌5時の深夜労働に対して、通常賃金の25%~増しとなる深夜手当(割増賃金)を支払うよう定めています。そのため、定期的に深夜労働がある交替制は、日勤のみで働くより給料が大幅にアップするのです。
たとえば、通常(日勤)の時給が1000円の場合、深夜労働の時間帯は時給が1250円以上にアップすることになります。同じく、月給制の場合も1時間あたりの基礎賃金を計算し、深夜手当となる25%以上の割増賃金が支払われます。
一般的な勤務形態と比べて残業が少なめ

交替制では、自分の勤務時間が終わるのと同時に、次のシフトの人が出勤してきます。「仕事が中途半端な状態で引き継げない」「緊急の業務がある」などの事情がなければ、基本的に残業が発生しにくいのがメリットです。
平日の昼間に自由な時間が作れる

交替制では、勤務パターンやシフトによって、平日の昼間が休みになるケースもあります。混雑の少ない平日の昼間に、銀行や役所、買い物などの用事を済ませられますし、美容院や病院などの予約も取りやすいので、休みの日の時間を有効活用することができます。また、授業参観などの学校行事に参加しやすいのも、子どもがいる人にはうれしいポイントでしょう。
交替制で働くデメリット・注意点
一方で、交替制勤務には「生活リズムが崩れやすい」「家族や友人と予定が合わせにくい」というデメリットもあるので注意が必要です。交替制で働く際には、これらのデメリットについても十分理解し、自分の生活スタイルとあわせて検討することが重要です。
生活リズムが崩れやすい

数日おきに昼夜のシフトが入れ替わる交替制は、人間の体内時計や生活リズムが崩れやすくなるため、慣れるまでは体力的にしんどいと感じる人も多いようです。睡眠時間をしっかり確保する、栄養バランスが整った食事をする、休みの日は適度に運動するなど、日ごろから体調管理に気を配ることが大切です。
家族や友人と予定が合わせにくい

交替制勤務は、シフトによって平日や昼間が休みとなることも多いため、家族や友人と休日や生活時間が合わず、一緒に過ごす機会が少なくなりがちです。日ごろから家族と頻繁にコミュニケーションをとる、スケジュールをうまく調整して会う時間を作るなど、周囲の人とすれ違わないよう心がけることも大切です。
まとめ 交替制が自分にマッチするか確認しよう

では最後に、交替制勤務について押さえておきたいポイントをまとめてみましょう。
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●交替制とは、日勤・夜勤などのシフトをローテーションしながら働く勤務体系
●交替制の勤務パターンには、主に二交替制と三交替制がある
●4勤2休、3勤1休、5勤2休などの休日設定を導入する職場もある
●勤務時間によっては夜勤手当が支給される
●生活リズムを崩さないよう、体調管理をしっかり行うことが重要
●平日・昼間の時間を自由に使えるが、周囲の人と予定が合わせにくい
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ご紹介したように、交替制は一般的な勤務形態と異なる点が多く、具体的な勤務時間やシフトの組み方、休日設定なども職場によってさまざまです。働き始めてから後悔しないためにも、交替制の特徴やメリット・デメリットをしっかりと把握し、自分にマッチした働き方なのかどうか検討することが重要です。また、工場などの交替制勤務では、希望に合わせてシフトを調整してくれる場合もありますので、疑問や不安があれば事前に確認しておきましょう。
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