半導体市場規模やメーカーランキングについてご解説

2023/12/15 更新
そもそも半導体とは?
現在、さまざまな新しい電子機器の開発により、私たちの生活は大きく変化しています。特にパソコンやスマートフォンの急速な進化・普及により、情報化社会は加速し続け、今後も躍進を続けていくことは間違いありません。そして、情報化社会を支えている電子部品が「半導体」です。
半導体は製品の中に組み込まれていますので、実際に目にすることはほとんどありません。しかし、ほとんどの電子製品に半導体が使用されており、私達の生活を支える重要な物の1つと言えます。半導体は私たちの生活をとても豊かなものにしてくれましたが、さらに社会の省エネ化にも大きな影響を与えました。現在では、スマートフォンの使用時間を省エネ状態で使用できたり、テレビをはじめとする家電製品の待機電力0を目指した研究もおこなわれています。
半導体についての詳しい情報はこちらからご覧ください。
半導体市場の規模
半導体はあらゆる製品に多く使用されているニーズの高い製品で、今後も世界中のあらゆる国で研究・開発がおこなわれるでしょう。製品としてとても価値の高い半導体ですが、市場規模は一体どのような割合になっているのでしょうか。ここからは、半導体の市場規模などについて詳しく解説をしていきます。
世界の半導体メーカーランキング

現在、スマートフォンなどの急速的な普及により、半導体の需要は急増し、世界中の半導体メーカーでは熾烈な競争が繰り広げられています。ここでは世界の半導体メーカーランキングの1〜10位までを紹介していきます。
1位.Samusung Electoronics
2位.Inte
3位.SK Hynix
4位.Micron Technology
5位.Qualcomm
6位.Broad com
7位.Meida Tek
8位.Texas Instrument
9位.NVIDIA
10位.AMD
(2021年世界半導体メーカー別売り上げランキング トップ10)
参考:https://eetimes.itmedia.co.jp/ee/articles/2201/20/news059.html
2021年には世界での半導体の売り上げが5,000憶ドルを超えて、自動車産業では半導体不足が顕在化するほどでした。結果として、ますます需要は拡大し、さらに原材料の値上げなども重なり、半導体の平均価格が上昇することで全体の売上が増加しました。
さらに、2021年はスマートフォンの売り上げも好調でした。生産台数は2020年には2億5,000万台程度に推移していましたが、2021年には5憶5,500万台と倍以上に増加したことも半導体の需要が大幅に増加した1つの要因と考えられます。
日本の半導体メーカーランキング

日本でも世界と同様に、半導体の需要がとても高く、半導体の売り上げシェアを巡る激しい競争がおこなわれています。ここでは日本の半導体メーカーランキングを紹介していきましょう。
1位.KIOXIA Corporation
2位.Sony Semiconductor Solutions Corporation
3位.Renesas Electoronics Corporations
4位.ROHM Semiconductor
5位.Toshiba
6位.Nichia
7位.Mitubishi Electric
8位.Sanken Electric Company
9位.Fuji Electric
10位.Socionnext
参考:https://news.mynavi.jp/techplus/article/20210513-1887490/
2020年の世界半導体市場では、世界の半導体総売上高が2019年度と比べると10.4%増の4,733憶ドルとなりました。一方で日本の半導体企業の総売上高は2019年度比の1.6%増の434億円までしか上がりませんでした。2020年には上位10社の総売り上げ額は2019年に比べて5.2%増加し、世界市場では半導体市場の9%を日本の半導体企業が占めていました。一方で11位以下の半導体企業の総売上高は、2019年と比較して19.7%マイナスとなり、特に半導体を扱っている中小企業の売り上げが顕著に下がりました。
2020年度の日本の半導体売上トップのKIOXIA Corporationは、NANDの価格高騰の影響を受けて、当時の売上高は前年比23%増の急成長を遂げました。しかし、世界の半導体企業ランキングでは11位にとどまっています。
2位のSony Semiconductor Solutions Corporationは世界ランクキング14位、3位のRenesas Electoronics Corporationsは世界ランクキング19位で、日本の半導体企業上位3社は、年間売上60億ドルを超える国内最大手と言われています。
2019年のランキングと比較して1~8位まで変化はありませんでしたが、富士電機がパワー半導体への投資をおこない、前年比20%増の売り上げを記録して2019年度の11位から9位へと順位を上げています。その結果、売上高が前年比より14%減少したSocionnextが、2019年度の9位から10位へとランクが下がっています。日本の半導体売上高トップ10の中では、ルネサスエレクトロニクス、日亜化学工業、ローム、サンケン電気、ソシオネクストの5社が前年よりも売上高が減少していることが伺えます。
半導体は
「設計―前工程―後工程」にて作られる
半導体の製作総工程数は、400〜600もの工程に及びますが、前工程(ウエーハ処理工程:電気回路を表面に製作)と、後工程(組み立て工程)に分類できます。前工程では、単結晶棒を細かくスライスしてシリコンウーハを加工し、成膜工程の熱処理装置で、CVD(科学気相蒸着)法でシリコン窒化膜をウエーハ上に蓄積させます。
コーター(塗工機)でウエーハを高速で回転させ、感光材(フォトレジスト)をウエーハの上に塗布します。さらに、ウエーハにIC回路を描いたガラスマスクを当て、露光機で回路を転写していきます。この現象によりフォトレジストに作られたパターンに従いプラズマエッチング装置で膜を削り、フォトレジストで保護されている箇所を残すことで配線の形に加工します。
最後に、不要になったレジストや不純物などを取り除いて絶縁膜を埋めて、膜面を綺麗に研磨して平坦に仕上げます。この作業で1層分の回路が完成し、この工程を繰り返すと、何層もの配線回路が完成します。その後、ウエーハ上に形成されたデバイスを検査して後工程に送ります。
後工程では、ウエーハから半導体素子のチップをダイシング加工で切り出し、マウンティング工程でダイを回路基板に固定します。その後にチップとリード線をボンディング工程で繋いで、チップをセラミックや樹脂などのケースにモールド工程で固定します。さらに、製品名などを刻印するマーキング工程を経て、電気特性、外観検査・信頼性試験を通過したものをパッケージして完了です。
半導体の製造工程の詳しい情報についてはこちらを参考にしてください。
半導体の製造・工場の仕事内容や工程までご解説!
半導体の需要は今後も続く
現在は、スマートフォンの圧倒的な普及や、パソコンなどの開発、多機能な家電製品の開発が盛んにおこなわれています。各種機器類の開発の増加に伴い、半導体の需要はさらに増加していくことは間違いありません。
今後、製造業などの分野で働くか検討中の方には、半導体分野の工場で働くのがおすすめです。半導体分野であれば、今後も確実な需要が期待できるため、満足できる給料も期待でき、安定性も十分保証されることは間違いありません。
まとめ
世界の半導体ニーズは今後も高まっていくことは確実で、半導体の製作に必要な労働力も必要になるでしょう。そして、半導体事業は今後も確実に成長が見込まれる分野ですので、半導体関係の業務に携われば、将来的にも安定した状況が見込めます。
半導体に関する事業に携わることは、今後の時代の流れに乗り、場合によっては高収入を得ることも可能になります。もし製造業への就職・転職などを検討中であれば、半導体関係の仕事に携わるのも仕事探しで成功する1つの有効的な手段です。