既卒とは?新卒・第二新卒・フリーターとの違いや既卒の就活ポイントを解説

2024/6/14 更新
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■目次
- 1.そもそも「既卒」とは?
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・既卒と新卒の違い
・既卒と第二新卒の違い
・既卒とフリーターは違う?
- 2.既卒の就職は厳しいのか?
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・新卒より年齢で不利になる
・第二新卒より経験値が低い
・働く意欲が低いと懸念されやすい
- 3.既卒の就職事情は決して暗くない!
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・未経験歓迎の中途採用が増えている
・既卒を新卒枠で採用する企業も
- 4.既卒者が就職活動を成功させるポイント
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・できるだけ早く就職活動を始める
・自分の強みや既卒のアピールポイントを考える
・既卒になった理由をきちんと伝える
- 5.既卒向けの求人を探す方法は?
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・求人サイトを利用する
・新卒応援ハローワークを利用する
・就職・転職エージェントを利用する
・企業の採用サイトから応募する
- 6.まとめ
そもそも「既卒」とは?
既卒(きそつ)とは、高校・専門学校・短大・大学などの学校を卒業後、一度も正社員として就職したことがない(社会人経験がない)人を指します。主に採用市場で使われている言葉なので、法的な定義はありませんが、一般的に卒業後3年以内の人を指すことが多いようです。また、一口に既卒と言っても、最終学歴によって年齢が異なるため、「何歳まで」と決められているわけではありません。
既卒と新卒の違い
新卒とは、年度末に学校を卒業する見込みで就職活動をしている学生を指します。既卒は「学校を卒業した人」、新卒は「在学中の人・学生」と考えるとわかりやすいでしょう。
既卒と第二新卒の違い

第二新卒とは、新卒で正社員として就職したものの、早期退職した求職者のことを指します。こちらも卒業後の年数に明確な定義はありませんが、一般的に3年以内を目安とすることが多いようです。よって、短期間でも正社員として働いた経験(社会人経験)がある人は、既卒に該当しません。
既卒とフリーターは違う?

フリーターとは、一般的にパートやアルバイトで働く人全般を指しますが(※)、フリーターの中には既卒に該当する人もいます。たとえば、学校卒業後に正社員経験がないままアルバイトやパートで働いている人のうち、卒業後3年以内であれば既卒でもあり、フリーターでもあるといえるでしょう。
※内閣府では「学生や主婦(主夫)を除く15~34歳の若年者のうち、アルバイト・パートの雇用形態を主な仕事としている者、あるいは、アルバイトやパートで働く意思を持っている求職中の無業者」をフリーターと定義づけています。
既卒の就職は厳しいのか?
一般的に「既卒は就職活動で不利になる」というイメージがありますが、その理由としては主に以下3つの要因が考えられます。
新卒より年齢で不利になる

新卒も既卒も社会人経験がないという点では同じですが、年齢が若いという点では新卒者にアドバンテージがあります。採用する企業側としては、同じ未経験者であれば、将来性のある若い人材(新卒者)を求める傾向にあるからです。
第二新卒より経験値が低い

既卒と第二新卒では年齢差はほとんどありませんが、正社員(社会人)経験があるという点で第二新卒者にアドバンテージがあります。正社員として働いたことのない既卒者は、社会人としてのビジネスマナーなども身についていないため、即戦力が求められる中途採用では、第二新卒より高い評価を得るのは難しい傾向にあるようです。
働く意欲が低いと懸念されやすい

新卒で就職せず、まったく社会人経験がない既卒に対して、「働く意欲が低いのでは」と不安視する採用担当者もいます。就業意欲の低さは早期離職につながる恐れもあるため、企業側としては、どうしても採用に慎重になってしまうようです。
既卒の就職事情は決して暗くない!
このように、新卒や第二新卒と比べると、既卒は「年齢」「経験値」という点で就職活動に不利になる要素があるのも事実です。
とはいえ、既卒の就職事情は決して暗いわけではありません。ここからは、既卒の就職チャンスが広がっている背景と、実際の採用動向について解説します。
未経験歓迎の中途採用が増えている

ここ近年、日本では生産年齢人口の減少により、若手を中心とした人手不足が深刻化。厚生労働省が発表している2023年11月の有効求人倍率は1.28%、新規求人倍率は2.26倍と、バブル期並みの売り手市場となっています。そうした中、中途採用で若手の未経験者を積極的に受け入れる企業も増えており、既卒の求職者にも仕事を得やすい状況が続いています。
とくに、慢性的に人手が不足している製造業や建設業、運輸業、介護業、サービス業などの職種は求人件数が多く、応募の条件や就業のハードルも低い傾向にあるため、社会人経験がない既卒者でも比較的スムーズに採用される可能性があるでしょう。
既卒を新卒枠で採用する企業も

少子化の影響により新卒採用で予定人数を確保できず、既卒を新卒枠で受け入れる企業も増えています。厚生労働省の調査(※)によると、新卒枠に既卒者の応募も可能とした企業は43%で、そのうち47%が既卒者を採用したと回答。新卒枠に応募した既卒者の約半数が、実際に採用されていることがわかります。
また、ここ最近では、従来の新卒一括採用の慣習を見直し、新卒・中途の採用枠や年齢にとらわれない採用方法を取り入れる大手企業も増えつつあるようです。
※参考資料/厚生労働省「労働経済動向調査(平成30年8月)の概況」roudoukeizaidouko.pdf
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【国も既卒者を新卒枠で受け入れることを推奨】
厚生労働省では2015年から、若者の雇用促進を図る「青少年の雇用の促進等に関する法律(若者雇用促進法)」を順次施行し、卒業後3年以内の既卒者が新卒枠で応募できるよう各企業に要請。国としても既卒者を新卒枠で受け入れることを推奨しています。
※参考/厚生労働省パンフレット
000693889.pdf
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既卒者が就職活動を成功させるポイント
では、既卒者が「年齢」「経験値」というハンデを払拭し、就職活動を成功させるためには、どのような点に注力すればいいのでしょうか。ここでは、既卒者が就活を進める際に、押さえておきたいポイントを紹介します。
できるだけ早く就職活動を始める

先述したように、既卒者を新卒枠で受け入れる企業もありますが、卒業から時が経つにつれて、ライバルとなる新卒者との年齢差が広がってしまいます。また、中途採用枠(第二新卒枠)に応募する場合も、年齢とともに即戦力となるスキルが重視されやすくなるため、社会人経験がない既卒は不利になってしまいます。
したがって、新卒枠・中途枠を問わず、既卒者が採用のチャンスを広げるためには、できるだけ早く(若いうちに)就職活動を始めることが重要といえるでしょう。
自分の強みや既卒のアピールポイントを考える

就職活動における既卒のハンデは、若さを強みとする新卒や、社会人経験のある第二新卒のようなアドバンテージがないことです。よって、既卒者が就活を成功させるためには、自身の強み・意欲や、既卒なりのアピールポイントを考えることも大切です。
たとえば、学生時代に得た学びや、卒業後に取り組んだことをアピールしたり、応募する企業や業界について詳しく調べて入社意欲を示したりするのもいいでしょう。また、新卒者が卒業を待ってから入社するのに対し、既卒は採用が決まればすぐに働き始めることができます。少しでも早く人材が欲しい企業にとって、この点は大きなメリットとなりますので、新卒にない強みとして自信につなげていきましょう。
既卒になった理由をきちんと伝える

「既卒になった理由(新卒で就職しなかった理由)」は、面接でよく聞かれる質問なので、きちんと答えられるよう事前に対策をとっておきましょう。
「就職活動で失敗した」「やりたい仕事が見つからなかった」「すぐに働きたくなかった」など、既卒になった理由は人それぞれですが、たとえネガティブな理由であったとしても、まずは正直に答えることが大切です。その上で、既卒になった理由について、現在はどう考えているのか、反省点や改善点を含めて伝えることで、失敗を乗り越えて就職を目指す熱意がアピールできるでしょう。
既卒向けの求人を探す方法は?
既卒者が就職活動を進める上で、「求人をどうやって探せばいいのかわからない」という声も多いようです。ここからは、既卒向けの求人を探す方法を4つ紹介します。
求人サイトを利用する

既卒の求人のみを扱うサイトはありませんが、新卒者向け・転職者向けの求人サイトで、「既卒」と入れて検索すると、既卒の応募を受け付けている求人を見つけることが可能です。一度に多くの求人情報を閲覧できるので、企業や仕事探しの選択肢を広げるのに役立つでしょう。ただし、求人サイトでの仕事探しは、基本的に自分一人で行うことになるため、就職活動に自信がない人は、他の方法と併せて進めることをおすすめします。
新卒応援ハローワークを利用する

求人を探す際にハローワークに行くのもおすすめですが、新卒枠の求人を探すなら「新卒応援ハローワーク」を利用してみてはいかがでしょうか。
新卒応援ハローワークとは、高校・専門学校・短大・大学・大学院などの学生や、学校を卒業しておおむね3年以内の人の就職を支援する「新卒専門のハローワーク」です。企業の求人紹介はもちろん、書類作成や面接対策などのサポートも専門の就職支援ナビゲーターが個別に対応。臨床心理士による精神面のサポートも受けられるので、就職活動が初めての既卒者にも安心感があるでしょう。
新卒応援ハローワーク|厚生労働省
就職・転職エージェントを利用する

就職・転職エージェントとは、求職活動全般をサポートしてくれる民間サービスです。登録すれば、自分の希望・適性に合った仕事選びはもちろん、自己分析や面接対策、応募書類の添削・作成など、就職活動で必須となるさまざまなサポートを受けることができます。プロのアドバイザーに相談しながら就活を進められるので、ポイントをしっかり押さえて、正社員就職の成功率を高められるのがメリットです。
企業の採用サイトから応募する

希望する企業が決まっている場合、企業の採用サイトから直接エントリーするのもひとつの方法です。新卒採用だけでなく、中途採用で通年募集している企業もあるため、一般的な就活スケジュールにとらわれずチャレンジできます。その企業にターゲットを定めて応募することになるので、企業によっては「当社への入社意欲がある」と捉えられ、自身のアピールにつながる可能性もあるでしょう。
まとめ
今回は、既卒の意味や新卒・第二新卒・フリーターとの違い、既卒の就職事情や就活のポイントについて解説しました。
新卒や第二新卒と比べると、既卒は就活で不利というイメージがありますが、ここ近年は、社会的な背景や採用市場の変化とともに、既卒者にも就職のチャンスが広がってきています。既卒から正社員を目指している人は、ご紹介したポイントを参考にしながら就活を進め、念願の内定を勝ち取ってくださいね!
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