工場勤務でよくあるピッキング作業とは何?ピッキング作業の特徴やコツまでご解説
2023/12/13 更新
工場や倉庫の求人でピッキングという言葉を見かける場合がありますが、ピッキング作業の具体的な仕事内容がわからないという人は多いでしょう。そこで、ピッキング作業の種類や仕事内容を解説します。また、ピッキング作業は体力勝負できついのか、どのような人に向いている職種なのかについても合わせてご紹介しますので参考にしてください。
そもそもピッキング作業とは何?
ピッキング作業とは、工場や倉庫内にある商品の中から伝票・指示書・ピッキングリストに基づいて商品を集める作業のことをいいます。数多い商品の中から目的の商品を探して集める業務なので比較的単純的な作業に位置づけられており、初心者や未経験者でも採用されることが多い職種です。しかし、ピッキング業務にも専門性を求められる場合があります。例えば、高い位置にある商品についてはフォークリフト操作が必要です。採用条件にフォークリフト免許取得者とされている場合があります。また、外国製品中心の工場や倉庫では語学力求められることもあるでしょう。
ピッキング作業の種類
ピッキング作業には大きく分けて3つの種類があります。作業方法の違いや特徴を知っていると、仕事の流れや内容がわかりやすくなるでしょう。アルバイトや就職・転職の応募要領に書いてある内容がわかりやすくなるので、ピッキング作業に興味のある人は覚えておくことをおすすめします。
シングルピッキング
シングルピッキングとは一般的に、1つの注文やオーダーに対してピッキングを行う作業方法です。顧客や出荷別に必要な商品を集めてピッキングを行っていきます。商品棚から一つずつ商品を摘み取るように見えることから「摘み取り方式」と呼ぶこともあります。シングルピッキングは商品の種類は多いものの、出荷数が少ない工場や倉庫で採用されやすい方法です。
メリットとしては、商品を集めるところから出荷までが一度に行われるので早く納品できます。デメリットは商品を一つずつ集めるので、作業担当者の体力的負担や移動が多いことです。
トータルピッキング
トータルピッキングとは一般的に、複数注文やオーダーに対してまとめてピッキングしていく作業方法です。まとめてピッキングした商品を後から顧客や出荷別に仕分けていきます。集めた商品をそれぞれの注文やオーダー別に振り分ける姿が種をまくように見えるので「種まき方式」と呼ぶこともあります。トータルピッキングは商品の種類は少ないものの、1商品あたりの出荷数が多い工場や倉庫で採用されやすい方法です。
メリットとしては、商品を1度に集められるので作業担当者の体力的負担や移動が少ないことが挙げられます。デメリットは商品を集めてから顧客や出荷別に仕分けを行うので、振り分け作業の場所を確保することや仕分け作業の人員や仕分けをする時間が必要になることです。シングルピッキングに比べて時間が掛かることがあります。
マルチオーダーピッキング
マルチオーダーピッキングとは一般的に、複数の注文やオーダーをまとめてピッキングしつつ同時に仕分けていく作業方法です。トータルピッキングとは違い、ピッキングする場所で仕分け作業を行います。シングルピッキングとトータルピッキングの良いところを合わせた方法といっても良いでしょう。
メリットとしては、複数の注文やオーダー商品を1度に集められるので作業担当者の体力的負担や移動が少なく、作業が短時間で終わることです。しかし、複数の商品を同時に集めて仕分けていくので、ミスが起こりやすいというデメリットもあります。
工場(倉庫)のピッキング作業はきつい?
ピッキング作業がきついのかどうかというのは、作業環境や商品によって異なります。例えば、伝票を見ながら目視で確認すれば目が疲れやすくなるでしょう。しかし、ハンディタイプの小型機械を使って商品情報や個数を読み取る作業であれば目視に比べて疲れは軽減されます。商品が小型で軽いものは比較的作業が楽ですが、大型のものや重いものは体力的負担がかかります。大きくて重いものを上げ下げする作業は力が必要になるので、体力的に不安がある方にはきついと感じられることもあるでしょう。
工場や倉庫の広さによっても作業量に違いが出ることを忘れてはいけません。ただし、工場が広くてもベルトコンベアに流れている商品を仕分けていくような作業なら、体力的負担はそれほどないといって良いでしょう。体力的なきつさとは別に精神的なきつさを感じる場合もあります。例えば壊れやすい商品のピッキングは他の商品に比べて緊張感やプレッシャーを感じるでしょう。また、高額の商品についても作業担当者にとっては精神的負担が掛かります。
工場(倉庫)ピッキング作業の特徴
ピッキング作業の内容や種類について理解したところで、工場や倉庫のピッキング作業の特徴についてチェックしてみましょう。特徴を理解し、メリット・デメリットを押さえていれば工場や倉庫で作業した後に「こんなはずじゃなかった」と思うことが少なくなります。
未経験でも活躍できる
ピッキング作業は指示された商品を集める作業なので、比較的に誰でも作業可能です。実際に、求人側も「初心者や未経験者OK」としているケースが多く、フォークリフト免許取得者や外国語ができるなどの条件がなければチャレンジしやすい職種といって良いでしょう。初めのうちは、商品の場所や位置がわからず戸惑うことも多いでしょうが、経験を重ねるうちにスムーズに作業できるようになります。
繁忙期、閑散期がある
取り扱う商品によっては繁忙期や閑散期がある工場・倉庫があります。一般的に消費者向けの商品は繁忙期や閑散期が激しく、クリスマス用品やお正月商品などの季節商品を取り扱う場合は年末年始に繁忙期を迎えます。短期間で働きたい人、趣味や家族の都合で繁忙期と閑散期があったほうが良いと考える人にはおすすめです。
しかし、閑散期に別の商品を取り扱い、一年で一定の作業量を行う工場や倉庫もあるので勤務の際は繁忙期や閑散期があるのかを必ず確認しましょう。工業用品を取り扱う業種は繁忙期や閑散期の差が少ないといわれています。安定的に勤務したい場合や毎月一定額の収入を望む人にはおすすめです。
深夜勤務がある工場もある
勤務先によっては深夜帯の時間も作業を行う必要があり、交替・夜勤シフトが組まれている場合があります。一見デメリットに思われてしまいますが、通常の勤務時間に比べて賃金が高くなるので効率的に稼ぎたい人には深夜帯の作業はメリットといって良いでしょう。なぜなら、22時から翌朝5時までは労働基準法で25%以上の深夜割増賃金を支払わなければならない義務があります。25%割増賃金が与えられるのであれば、深夜帯に働きたいという人も多いでしょう。
夜勤の仕事って大変? 意外と知らない夜勤について徹底解説
工場(倉庫)内での移動が多いので、体力がいる時も!
ピッキング作業は基本的に立ち仕事です。勤務中のほとんどは歩き回ることが多く、商品棚の高さによってはハシゴや階段を上る必要もあります。逆に低い位置に商品があるときは、立ったりしゃがんだりを繰り返すこともあるでしょう。伝票・指示書・ピッキングリストを見ながらの作業なので、目が疲れやすいと感じる人もいます。
また、工場や倉庫内によっては商品の運搬や搬出のために出入口を開放していることがあります。冷暖房が効きにくいため、夏は暑く冬は寒いと感じられることもあるでしょう。冷蔵商品や冷凍商品を取り扱う工場や倉庫では防寒着、防寒具を着用し、防寒対策を行うようにしましょう。
ピッキング作業に向いている人は?
ピッキング作業に興味を持つ人の中には、やってみたいけど自分に向いているかどうかわからないと不安に感じる場合もあるでしょう。そこで、ピッキング作業に向いている人についてご紹介します。
まず、単調になりがちな作業をゲーム感覚で楽しめる人にはおすすめです。なぜなら、与えられた時間の中で必要な作業を間違いなく行わなければなりません。テキパキ動けない人や冷静さを保てない人は向いていないといって良いでしょう。
また、一人で黙々と作業を行える人はピッキング作業に向いています。人と話すのが苦手な人や頻繁なコミュニケーションを求められることが苦手な人にもおすすめです。
ピッキング作業の特徴でも挙げましたが、ピッキング作業には体力が必要となる作業があります。作業で体力を使うことは健康や体力づくりに繋がると前向きにとらえられる人はおすすめです。
まとめ
ピッキング作業の内容・種類・特徴について解説しました。ピッキング作業の魅力ややりがいを感じていただけたでしょうか。作業内容に共通するところはあっても、工場や倉庫の広さや設備、取り扱う商品によっては大きな違いがあります。ピッキング作業に応募する際は、作業内容や商品内容の確認を忘れず行いましょう。