フリーターがきついと感じる10の理由と、正社員とフリーターの比較

2024/11/25 更新
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■目次
- 1.フリーター生活から脱出したい人は「きつい」と感じることを整理しよう
- 2.フリーターが「きつい」と感じる10のこと
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・フリーターがきつい理由①経済的不安が大きい
・フリーターがきつい理由②収入が少なく、将来が不安定
・フリーターがきつい理由③圧倒的な生涯年収の格差がある
・フリーターがきつい理由④将来の見通しが暗い
・フリーターがきつい理由⑤年金をはじめとする老後の不安がある
・フリーターがきつい理由⑥社会的地位が低い
・フリーターがきつい理由⑦年下の人と働くことが多い
・フリーターがきつい理由⑧世間体が悪く、周囲の視線が冷たい
・フリーターがきつい理由⑨古い友人や恋人の両親に会いづらくなる
・フリーターがきつい理由⑩ローンが組めない
- 3.フリーターと正社員の、収入や待遇面での違い
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・給料(収入)
・手取り
・賞与(ボーナス)
・年金
・健康保険
・税金(所得税・住民税)
・福利厚生
・将来性・安定性
・キャリア
- 4.フリーターでいると楽だな、と感じること
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・フリーターでいると楽だな、と感じること① 正社員より責任が少ない
・フリーターでいると楽だな、と感じること② 自由度が高い
・フリーターでいると楽だな、と感じること③ 好きなことに多くの時間を使える
・フリーターでいると楽だな、と感じること④ いやなこと(人)をガマンする程度が低い
・フリーターでいると楽だな、と感じること⑤ 自分に合ったコト、モノ、ヒトをみつけられる
- 5.フリーターから正社員へのステップ
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・【いろいろな職場で働き、適性を見極めて正社員になる方法】
・【就職エージェントの利用】
フリーター生活から脱出したい人は「きつい」と感じることを整理しよう
将来が見越せない不安定な状態のまま、毎日の仕事に追われて一日が終わってしまうフリーターの生活は体だけでなく、心もきついものですよね。
でも、フリーター生活が長くなると、贅沢はできないけれど、アルバイトで稼いだお金で日々の生活はなんとかなってしまうので、将来に備えて一歩を踏み出すことが億劫になってしまいます。
年をとってもずっとフリーターを続けていていいことはないので、フリーターでいることに不安を感じている人は、どんなことに「きつい」と感じるのかを整理すると、次の一手が見いだせるようになるはずです。ここからは多くのフリーターが「きつい」と感じていることを10に分けて解説します。
フリーターが「きつい」と感じる10のこと
フリーターがきつい理由①経済的不安が大きい
フリーターがきついと感じる最大の理由は「経済的不安」にあります。職場(雇用主)からすれば、フリーターは人手不足を埋める“コマ”のようなもので、足りなくなったら代わりを補充できる人員になります。そのため、正社員と同じ仕事で同じように頑張っていても、フリーターにはボーナスも昇給もなく、収入は時給のみで計算されるので、いくら頑張っても正社員と比較して収入は格段に低く、仕事にやりがいを見出すこともできません。
収入が低ければ、欲しいものも買えず、美味しいものも十分に楽しむことはできません。ギリギリの生活費をやりくりしながら、様々なことをガマンしているフリーターにとって、精神的に最もきついのが「手元にあるお金の少なさ」からくる経済的不安だといえるでしょう。

フリーターがきつい理由②収入が少なく、将来が不安定
フリーターの人は少ない収入のなかから国民年金の保険料を支払っていますが、老齢基礎年金ともいわれる国民年金は保険料が1万7000円弱/月におよぶのに、老後に受け取れる年金受給額は5万円台/月にしかなりません。そのため、国民年金に加入している人は自分で老後資金を貯めなれければなりませんが、収入が低いフリーターは思うように貯金もできません。
また、若い人の間で現在は投資ブームが起きていますが、老後の資金を貯めたいと思っても、収入が低いので投資にまわす余裕さえないのが実情でしょう。
フリーターがきつい理由③圧倒的な生涯年収の格差がある
高校卒業後に60歳まで勤めた場合の「正規雇用の正社員」「フルタイムの非正規雇用」「フリーター」を比較すると、昇給・賞与(ボーナス)、退職金等の違いによって、以下のような平均生涯年収の差が生じます。
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●正規雇用の正社員
生涯年収の平均は、約2億2000万円
●フルタイムの非正規雇用
生涯年収の平均は、約1億3000万円
●フリーター
生涯年収の平均は、約6000万円
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フリーターの平均生涯年収が6000万円に対して、正規雇用の正社員はその3倍弱の年収となり、圧倒的な格差が浮き彫りになっています。

フリーターがきつい理由④将来の見通しが暗い
若いうちは体力がありますし、選ばなければ仕事はたくさんあるため、フリーターでいることに自由度の高さを感じている人も多いことでしょう。でも、そうした仕事を30代、40代、50代もずっと続けられるとは限りません。当然、年齢を重ねると仕事の選択肢はせばまり、競争率が高くなることで仕事にありつけないことだってあります。
こうした不安定な状況を続けていけば、結婚したいと思った人が現れても、収入が安定性で、将来展望を描けないことから、結婚できない可能性も高くなります。さらに、収入が不安定で実家暮らしをしている人も、親がいつまでも元気でいるとは限りません。
フリーターがきつい理由⑤年金をはじめとする老後の不安がある
フリーター生活を送る人のなかには、年をとってもかけ持ちのバイトで生活費を稼げはいいと考えている人もいますが、次のような理由で、バイトをずっと続けていくことが困難になり、厳しい老後を過ごさなければならなくなるかもしれません。
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● 年を重ねることでバイト先の選択肢が激減する
● 体力が低下し、かけ持ちバイトがきつくなる
● いつ病気になるかわからず、病気や事故時の保障がない
● 年を重ねると家族や友人に頼れなくなる
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こうした要因から、早いうちに正社員の道を選択し、年金をはじめとする老後の不安を解消することが大切です。
フリーターがきつい理由⑥社会的地位が低い
フリーターを続けていると、社会的地位が低下します。あなたの両親がとてもお金持ちで生活費や老後の資金も親が出してくれるなら別ですが、一般的な親御さんのもとで育った人が30代、40代、50代の人がフリーター生活を長期間続けていると、いざ結婚しようと思った人が現れても、相手の親から「フリーターの人は生活が不安定なので結婚させられない」と反対されることも十分考えられます。これも、社会的地位の低下のひとつです。
また、学生時代に仲がよかった友人が正社員としてキャリアを築いているなか、あなたがフリーターを続けていれば、旅行や遊びに行くときに金銭的感覚がズレが生じることで次第に疎遠になったりします。さらには、将来をきちんと考えて行動しないあなたから友人が離れていくことだってありえます。これも、社会的地位の低下のひとつです。

フリーターがきつい理由⑦年下の人と働くことが多い
フリーター生活を長く続けていると、職場の社員が年下であったり、アルバイトとして入ってきた人の年齢がひとまわり以上下ということも珍しくありません。また、一緒に働いていたフリーター仲間が、正社員になって次々と職場からいなくなることも、きついと感じる理由のひとつになります。
場合によっては、フリーターであっても自分のほうが仕事に慣れていて、仕事の進め方も自分のほうが熟知しているのに、年下の正社員が上司になってわかりきったことを言われたら、その上司に意見を言いたくなるのが人情でしょう。でもこうしたシーンでも、吐き出しそうになった言葉をぐっとこらえてガマンすることも、フリーターでいることをきついと感じる大きな要因になります。
フリーターがきつい理由⑧世間体が悪く、周囲の視線が冷たい
世間では「フリーター=ちゃんとしていない人」という烙印をおされることが一般的です。あなたのことをよく知らない近所の人や親戚から「あのうちの息子さん(娘さん)、いい年してちゃんと働いていないみたい、どうしてかしら……」と冷たい視線を送られれば、「余計なお世話だ!」と言いたくなりますし、強いストレスを感じますよね。
最悪なのが、近所で犯罪が置きたときです。警察に対して近所の人が根拠もなく「◯◯さんの家のお子さん、ちゃんと会社勤めしていないから、もしかしたら……」と犯人扱いされることだってあります。こうした世間からいわれのない陰口をたたかれることも、フリーターでいることにきつさを感じる要因のひとつになります。

フリーターがきつい理由⑨古い友人や恋人の両親に会いづらくなる
同窓会に出席したり、友人の結婚式で古い友人に会ったとき、あいさつ代わりに「いまどんな仕事をしているの?」と聞かれることが多いといえますが、そのとき自分がフリーターであれば「フリーターだよ」とは言いづらく、肩身の狭い思いをしなくてはなりません。
また、恋人ができて将来(結婚)を考えて交際していても、相手の両親から「フリーターの人との結婚は認めない」と言われて、恋人との関係がギクシャクすることもあります。
フリーターがきつい理由⑩ローンが組めない
クルマやバイクを購入する際のローン申請でも、フリーターは不安定な収入形態であるためローン審査に通りにくい傾向にあります。憧れていたクルマやバイクがやっとみつかり、業者で購入手続きとローン申請を行っても、フリーターはローン申請が受け付けられない可能性が高く、購入を断念しなければならないこともあります。
あるいは、収入が安定している正社員は社会的信用がありますが、フリーターのまま結婚して頭金を貯めて、いざマイホームを購入しようと思っても、年齢や年収、勤続期間、借入希望額をもとに信用調査行う大手銀行のローン審査をパスするのはとてもハードルが高いため、フリーターのなかにはやむなくマイホーム購入を断念した人も多くいます。

フリーターと正社員の、収入や待遇面での違い
フリーターと呼ばれる人は、どのような生活を過ごしているのでしょうか。正社員とフリーターの違いをいくつかの項目に分けて比較していきましょう。
※歌舞伎町などの歓楽街でフリーターとして働いている人のなかには、正社員と比較にならないほどの収入を得ている人もいますが、そうした人はごく一部の人であり、今は稼いでいるけれど、その収入がずっと続くわけではありません。ここでは、そうしたレアケースを除外して、一般的なフリーターを例にとって比較しています。
また、社会保険(健康保険、厚生年金保険)は、企業勤めの会社員や公務員のほか、条件を満たすことでアルバイト・パートなどの短時間労働者も加入することができます。詳しくは、こちらの記事を参照してください。
●給料(収入)
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正社員
➔ 基本給があり、昇給などで収入が上がっていく
フリーター
➔ 基本的に時間給で収入が計算される。昇給はまれ
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●手取り
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正社員
➔ 健康保険料や厚生年金保険料等が引かれ、額面(実際にもらえるお金)は少なくなる
フリーター
➔ 保険料、年金がないため、手取りからあまり引かれることはない
※一定の基準を満たせば、フリーターも健康保険料や厚生年金保険料に加入できる
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●賞与(ボーナス)
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正社員
➔ 基本給✕3カ月分など(会社によって異なる)が、年2回(7・12月)に支給される
フリーター
➔ 基本的にフリーターには賞与はない
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●年金
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正社員
➔ 厚生年金に加入。保険料の半分は企業負担
フリーター
➔ 国民年金に加入。保険料は自己負担
※一定の基準を満たせば、フリーターも厚生年金に加入できる
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●健康保険
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正社員
➔ 企業の健康保険に加入し、保険料の半分を企業が負担してくれる
フリーター
➔ 国民健康保険に加入し、保険料は自分負担
※一定の基準を満たせば、フリーターも社会保険(健康保険)に加入できる
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●税金(所得税・住民税)
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正社員
➔ 所得金額が高くなれば、それに応じて所得税の税率も高くなる
住民税は「前年」の所得をもとに計算され、住民税の税率は一律10%
フリーター
➔ 年収が103万円以下(8万8000円未満/月)は所得税がかからない
※一定の基準を満たせば、フリーターも社会保険(健康保険)に加入できる
※バイトの年収124万円以下までは住民税が非課税
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●福利厚生
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正社員
➔ 会社で健康保険と厚生年金に加入し、保険料の半分を企業が負担
フリーター
➔ 基本的にフリーターは雇用保険や社会保険に加入できないが、
※一定の基準を満たすことで、健康保険や社会保険に加入可能
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●将来性・安定性
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正社員
➔ 企業によって異なるが正社員には社会的信用があり、保護される部分が多い
フリーター
➔ 働いた分にのみ賃金が発生。毎月の収入が安定せず将来性はない
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●キャリア
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正社員
➔ 長期雇用が前提であるため、スキルアップ、キャリアアップの機会が豊富
フリーター
➔ フリーターは前提として短期雇用であるため、仕事の幅が広がったり、キャリアアップできる機会は少ない
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フリーターでいると楽だな、と感じること
フリーターが感じる「きつい」ことを項目別に紹介してきましたが、フリーターでいると楽だな、と感じることもあります。こちらは5つのシーンに分けてご紹介しましょう。
フリーターでいると楽だな、と感じること①正社員より責任が少ない
同じ職場でフリーターと正社員が働いている場合、正社員よりフリーターは責任が少ないので、仕事をするうえでフリーターでいることを楽に感じている人もいます。これは見方によって、フリーターには責任ある仕事を任せてもらえない、フリーターはやりがいのある仕事に就けないことを意味します。
フリーターでいると楽だな、と感じること②自由度が高い
フリーターは非正規雇用なので、極論を言えば「働きたいときに働いて、休みたいときに休む」ことができます。収入は少なくなる反面、自由度が高くて縛りが少ない働き方が、フリーターにとっての大きな魅力でしょう。

フリーターでいると楽だな、と感じること③好きなことに多くの時間を使える
世界をめぐる旅をライフワークとするフリーターのなかには、帰国中にフリーターとして稼ぎ、その費用で再び旅に出るという生活を過ごしている人もいます。こうした人はごく少数ではありますが、こうした人たちのように、好きなことや趣味を楽しむために、あえてフリーターを選択している人もいます。
また、フリーターは正社員のように残業や休日出勤をすることはほとんどないため、時間の自由度が高く、好きなことに打ち込める時間をつくることができます。こうした点も、フリーターが楽だなと感じる理由といえるでしょう。
フリーターでいると楽だな、と感じること④いやなこと(人)をガマンする程度が低い
正社員の人は、上司とソリが合わなくてもガマンする必要がありますが、フリーターの人は、いやなことやいやな人がいたら、違うアルバイト先をみつけて、その職場から離れる自由度の高さがあります。ただし、職場の人とコミュニケーションを図り、任された仕事をきちんとこなすことは、フリーター、正社員に関係なく“社会人として最低限のマナー”であることも自覚しましょう。
フリーターでいると楽だな、と感じること⑤自分に合ったコト、モノ、ヒトをみつけられる
10代後半から20代前半で多くの人が企業に就職しますが、自分がどの分野に適しているか、自分に合った仕事はなにか、自分がしたいことはなにかをみつけられないまま社会に出ている人も多いといえます。
そうした点で見ると、フリーターの人は様々な職場で短期間働くことができるため、自分がやりたい仕事に出合えるチャンスが豊富ですし、様々な人と出会うことで人間関係の大切さや人脈をつくる機会に恵まれているといえます。
フリーターから正社員へのステップ
「時給のいいフリーターでお金を稼いで、そのお金を趣味に費やす生活を楽しみたい」と考えのもと、フリーター生活の魅力を享受している人であっても、仕事の選択肢が豊富な若いうちに、「正社員になる」「手に職をつける」「進みたい業界で求められる資格を取得する」などの次の一手に出ておくことをおすすめします。
こうした“次の一手”を打つタイミングはは早ければ早いほど効果を発揮します。ズルズル先延ばしにしていると、いざ行動を起こそうと思ったときに手遅れになることもあるからです。

【いろいろな職場で働き、適性を見極めて正社員になる方法】
飲食店でフリーター生活を過ごしていた人が、友人の紹介で介護施設の臨時スタッフして働き始めたとき、社会貢献度の高い仕事に魅了されて、介護関連の資格を取得すること決意。そこからフリーター生活と平行して資格の勉強に励み、取得した資格を武器に介護業界で正社員として働き始めた人も実際にいます。
なにかのきっかけで、それまで考えてもいなかった業界で働き始め、正社員に転身したフリーターも数多くいますので、いまはフリーターだけど、いずれは自分に合った職場で正社員として働きたいと考えている人は、適性を見極めるためにいろいろな職場で働くことも、有効な方法になります。
また、洋菓子のショップでアルバイトとして働き始めた人のなかには、ショップで高い人気のチョコレート菓子に興味を持ったことがきっかけでパティシェに転身し、有名な洋菓子メーカーで正社員として働き始めた人もいます。
人生には、どこにどんなチャンスが転がっているのかがわからないため、フリーターであってもひとつひとつの仕事に真面目に真向きに取り組むことで、ある日突然、チャンスが舞い込むこともあります。
さらに、「自分は将来、正社員として働きたい」という思いもっているのでれば、その思いを心を開いて周囲の人に打ち明けるとよいでしょう。職場での人間関係を大事にするあなたに対して、周囲の人があなたの身(将来)を案じて「美味しい話」をもちかけてくれることもあるからです。

【就職エージェントの利用】
20代のうちは、自分のポテンシャルや適性を見極めるためにフリーターとして頑張ってみるのもひとつの方法ですが、20代後半以降になってもフリーター生活を続けている人は、“時間的猶予があまりない”と考えて、就職エージェントを活用してみるのも賢い方法です。
幸いにも現在は転職ブームが起きているので、「短距離」「短期間」「省労力」で正社員になりたい人は、その道のエキスパートの手助けを得ることで、効率的にチャンスをたぐりよせる確率が高まります。
正社員になるには、履歴書の作成、面接の準備、自己分析などの就職活動に想像以上の労力と時間がかかりますが、転職エージェントでは、それまでの職歴や経験、希望などを汲み取ったうえて゜、就職先の候補を提案してくれますし、希望すれば、企業側の評価ポイントが上がる履歴書作成などのコツも指南してくれます。プロのサポートのもと、一日も早く安定した環境に身を置けるようぜひ頑張ってくださいね。
── 日総工産<工場求人ナビ>では、未経験者歓迎の工場ワークを多数ご紹介しています。専門コーディネーターによるお仕事探しやアドバイス、研修プログラムによる人材教育など、就職・転職活動のサポート体制も充実。製造業やモノづくりの現場で働きたいニートの方も、下記ボタンからお気軽にエントリー&ご応募ください!