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フリーターが親の扶養を外れる年収の目安や注意点、手続きを解説

フリーターが親の扶養を外れる年収の目安や注意点、手続きを解説

2025/3/17 更新

  1. ■目次
    1.フリーターが押さえておきたい「扶養」の基礎知識
    ・そもそも「扶養」とは?
    ・扶養控除とは?
    ・フリーターが扶養親族となるための条件
    2.フリーターが親の扶養を外れるとどうなる?
    ・フリーターが親の扶養内で働く場合
    ・フリーターが親の扶養を外れて働く場合
    3.フリーターが扶養を外れるタイミング(年収の壁)
    ・第一の壁【年収100万円】
    ・第二の壁【年収103万円】
    ・第三の壁【年収106万円】
    ・第四の壁【年収130万円】
    ・第五の壁【年収150万円】
    ・第六の壁【年収201万円】
    4.フリーターが扶養を外れるメリット・デメリット
    ・フリーターが親の扶養を外れるメリット
    ・フリーターが親の扶養を外れるデメリット
    5.フリーターが扶養を外れる際の手続き
    ・年末調整または確定申告で申請する
    ・被扶養者の異動手続きをする
    ・健康保険資格喪失証明書をもらう
    ・社会保険または国民健康保険に加入する
    6.フリーターは扶養を外れて正社員になるのもアリ
    7.まとめ ~今後、年収103万円の壁が引き上げられる?

フリーターが押さえておきたい「扶養」の基礎知識

  

「フリーターが親の扶養を外れるとどうなるの?」「税金などで損する?」と不安に思っている人も多いのではないでしょうか。
扶養を外れた場合、自分自身の収入や働き方だけでなく、親にも影響が及ぶことをきちんと理解しておく必要があります。税金を納めるうえで損しないためにも、まずは「扶養」の基本的な仕組みを押さえておきましょう。

そもそも「扶養」とは?

そもそも「扶養」とは?

扶養とは、自分の収入だけでは生計を立てるのが難しい人が、親や親族、配偶者から経済的な援助を受けることを指します。たとえば、介護・育児・病気・高齢などの理由で働けない家族や、扶養控除の対象となる16歳以上の子どもを、被扶養者として扶養に入れることが多いでしょう。そのほか、節税や金銭的なメリットから、短時間のパートで働く妻や夫を扶養に入れるというケースもあります。

また、子どもは高校や大学を卒業して就職すると経済的に自立するため、扶養から外れるのが一般的です。しかし、学校を卒業した子どもがフリーターで収入が低い場合、親の扶養に入れたままにしているケースも多いようです。

なお、扶養には「税金に関わる(税制上)の扶養」と「社会保険に関わる扶養」の2種類があります。税制上の被扶養者は、所得税や住民税の免除対象となります。社会保険上の被扶養者は、健康保険や年金(年金は配偶者の被扶養者のみ)の支払いが免除されます。

扶養控除とは?

扶養控除とは?

扶養控除とは、家族や親族を養っている場合に受けられる控除制度のことで、扶養している対象者(被扶養者)によって、所得税や住民税などの課税所得から一定の金額が控除されます。たとえば、妻を扶養に入れている場合は夫が、子どもを扶養に入れている場合はその親が、扶養控除の対象(控除を受けられる人)となります。よって、親の扶養に入っているフリーターの場合も、扶養控除を受けられるのは自分の親となります。

なお、扶養控除の金額は対象者の年齢によって異なります(以下参照)。

扶養控除の金額

年齢によって控除の金額が変わるのは、教育費や介護費といった金銭的な負担を適正に調整するためです。たとえば、特定扶養親族(19~23歳未満の子ども)は、進学にともなう学費・生活費の負担が大きいため、控除額が高めに設定されています。

フリーターが扶養親族となるための条件

アルバイトやパートで働くフリーターも、以下4つの条件を満たしていれば、税制上の扶養親族として認められます。フリーターとして働きながら親の扶養に入る場合は、自分が対象になるかどうか確認しておきましょう。

【1】配偶者以外の親族(6親等内の血族および3親等内の姻族)、または都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)や、市町村長から養護を委託された老人であること
【2】納税者と生計を一にしていること
【3】年間の合計所得金額が48万円以下であること(給与のみの場合は、給与収入が103万円以下)
【4】青色申告者の事業専従者として、その年を通じて一度も給与の支払いを受けていないこと、または白色申告者の事業専従者でないこと

※図表出典・参考資料/国税庁「扶養控除」
No.1180 扶養控除|国税庁

フリーターが親の扶養を外れるとどうなる?

  

では、フリーターが親の扶養を外れると、自分や親にどのような影響が出るのでしょうか。以下、フリーターが「親の扶養内で働く場合」と「親の扶養を外れて働く場合」の納税義務や控除について解説します。

フリーターが親の扶養内で働く場合

親に扶養されているフリーターの場合、年収が制度適用内に収まっていれば、税金や保険料を自分で支払う必要はありません。また、扶養者である親も税金の控除が受けられます。

フリーターが親の扶養内で働く場合

なお、配偶者(夫や妻)の被扶養者になった人は国民年金の第3号被保険者となり、国民年金保険料の納付義務がなくなりますが、配偶者以外(親など)の被扶養者(子どもなど)の場合は、国民年金保険料を自分で納付する義務があります。

フリーターが親の扶養を外れて働く場合

フリーターが親の扶養から外れると、税金や保険料の支払い義務が生じます。また、扶養する親にも扶養控除が適用されないため、納める税金の額が増えることになります。

フリーターが親の扶養を外れて働く場合

フリーターが扶養を外れるタイミング(年収の壁)

  
フリーターが扶養を外れるタイミング(年収の壁)

先述したように、フリーターが扶養を外れると、年収が増えても税金などを支払ったことで、以前より手取り額が減る(働き損になる)可能性があるため、扶養内で働くのであれば、年収を一定の金額内に収める必要があります。ここからは、フリーターが扶養を外れるタイミングとなる「6つの年収の壁」について解説します。

それぞれの年収の壁を超えたときに、どのような影響があるのかを意識しておくことで、気づかないうちに支払う税金などが増えていた……というリスクを減らすことができるでしょう。

第一の壁【年収100万円】

年収100万円の壁は、住民税の課税対象となるラインです。ただし、居住地によっては93万円から住民税がかかるケースもあるため、住んでいる自治体のルールをしっかり確認しておきましょう。

第二の壁【年収103万円】

年収103万円の壁は、税制上の扶養から外れるラインと、所得税の課税対象となるラインです。年収103万円の内訳は、給与所得控除金額の55万円と、所得税の基礎控除48万円の合計額となっています(55万円+48万円=103万円)。よって、年収103万円以下であれば、2つの控除により差し引きゼロ円(所得税がかからない)になりますが、104万円以上になると超えた分の金額に所得税がかかるようになります。

第三の壁【年収106万円】

年収106万円の壁は、社会保険への加入義務が発生するラインです。フリーターも年収が106万円を超え、さらに一定の要件を満たした場合、勤務先の社会保険(厚生年金・健康保険・雇用保険など)に加入し、自分で保険料を納めることになります。なお、社会保険に加入するためには、以下の要件を満たす必要があります。

  1. 《社会保険の加入要件》
    ●学生ではない
    ●1ヵ月の給料が8万8000円以上
    ●見込まれる雇用期間が2ヵ月以上
    ●1週間の所定労働時間が20時間以上
    ●勤務先の従業員数が51人以上

第四の壁【年収130万円】

年収130万円の壁は、社会保険の扶養から外れるラインです。したがって、勤務先の社会保険に加入していないフリーターの場合、自分で国民健康保険に加入し、保険料を支払わなければいけません。

第四の壁【年収130万円】

年収130万円の壁は、社会保険の扶養から外れるラインです。したがって、勤務先の社会保険に加入していないフリーターの場合、自分で国民健康保険に加入し、保険料を支払わなければいけません。

第五の壁【年収150万円】

年収150万円の壁は、配偶者特別控除が満額で受けられなくなるラインです。配偶者特別控除とは、配偶者控除(年間の合計所得金額48万円以下)を利用できない場合でも、一定の条件を満たすと所得控除が受けられる制度です。ただし、配偶者特別控除は夫や妻を扶養している人が対象となるため、子どもを扶養する親などは適用外となります。

※国税庁「配偶者特別控除」
No.1195 配偶者特別控除|国税庁

第六の壁【年収201万円】

年収201万円の壁は、先述した配偶者特別控除が受けられなくなるラインです。年収が201万円を超えるのであれば、フリーターを続けるより正社員として就職した方が、手取りの収入面などでメリットが大きいので、働き方を見直すことも考えましょう。

フリーターが扶養を外れるメリット・デメリット

  

ここまで見てきた内容をもとに、フリーターが扶養を外れるメリット・デメリットを見ていきましょう。

フリーターが親の扶養を外れるメリット

フリーターが扶養を外れるタイミング(年収の壁)

フリーターが親の扶養に入り続けることを考えると、働き方に大きな制限が出てきます。税金などの免除・控除を受けるためには、さまざまな年収の壁を超えないようにする必要があるので、稼げる上限額をつねに意識しながら、アルバイトのシフトを調整しなければいけません。

一方、フリーターが扶養から外れることで、稼げる上限額を気にする必要がなくなります。シフトにできるだけ多く入って収入を増やすこともできますので、趣味や娯楽などで自由に使えるお金が増えたり、稼いだ分を貯蓄に回したりすることもできるでしょう。

フリーターが親の扶養を外れるデメリット

フリーターが親の扶養を外れるデメリット

先述したように、年収によって扶養から外れると、フリーターにも所得税や住民税、保険料の支払い義務が発生します。わずかに収入が増えたことで、毎月の手取り額が以前より減ったり、出ていくお金の方が大きくなったりすることもあるでしょう。また、扶養する親も自身の所得から控除が受けられなくなるため、支払う税金が増えることになります。

現在より少しだけ収入を増やすことが金銭的なデメリットになるのであれば、扶養を外れてもっと多く稼ぐことを目指したほうが、結果としてトータルの収入はアップします。しかし、扶養を外れても収入が低く不安定な場合は、結局、経済的に自立できず親に迷惑をかけることになるのです。

フリーターが扶養を外れる際の手続き

  

フリーターが扶養を外れる際には、いくつかの手続きが必要となります。自分(被扶養者)だけでなく親(扶養者)などが行う手続きもあるため、扶養者と話し合いながら進めるようにしましょう。

被扶養者の異動手続きをする

被扶養者の異動手続きをする

被扶養者が扶養から外れるときは、扶養者が年末調整の際に会社に申請します。また、被扶養者が勤務先の社会保険に加入する場合も、扶養者(被保険者)が会社に異動届を申請します。異動届の申請時には、それまで使っていた被扶養者の保険証も返却します。

健康保険資格喪失証明書をもらう

異動届を申請した後は、扶養者の健康保険が使えなくなった証として「健康保険資格喪失証明書」が発行されます。この証明書は、国民健康保険や社会保険などの加入手続きに必要となるため、なくさないよう大切に保管してください。

社会保険または国民健康保険に加入する

社会保険または国民健康保険に加入する

勤務先の社会保険に加入する場合は、会社に必要書類を提出して加入手続きをします。勤務先の社会保険に加入しない場合は、居住地を直轄する役所に出向いて、国民健康保険の加入手続きを行います。

フリーターは扶養を外れて正社員になるのもアリ

  
フリーターは扶養を外れて正社員になるのもアリ

税金や控除のことを考えずに稼ぎたいフリーターの人は、正社員への就職を目指すという選択肢もあります。

国税庁の「令和5年分 民間給与実体統計調査」によると、正社員の平均年収は530万円、フリーターを含む正社員以外の平均年収は202万円で、両者を比べると約330万円の開きがあることがわかります。やはり、正社員は賞与や諸手当などのまとまった収入があるため、これだけの年収差が生じてしまうのです。

また、フリーターから正社員として就職すれば、以下のようなメリットも得られます。

  1. ●将来的に雇用や収入が安定する
    ●退職時にまとまった退職金が支給される
    ●老後に受け取れる年金額が増える
    ●社会的信用が得られる(ローンを組む際や結婚にも有利)
    ●仕事のスキルが身につき、キャリア形成しやすい



このように、フリーターから正社員になることで、雇用や収入面はもちろん、将来的なキャリアや社会生活においても、さまざまなメリットを得ることができるのです。現在、親の扶養を外れるかどうか迷っている人や、扶養を外れて収入面や将来への不安を感じている人も、思い切って正社員就職を目指してみてはいかがでしょうか。

※参考資料/国税庁「令和5年分 民間給与実体統計調査」
令和5年分 民間給与実態統計調査|国税庁

まとめ ~今後、年収103万円の壁が引き上げられる?

  
まとめ ~今後、年収103万円の壁が引き上げられる?

今回は「扶養」に関する基礎知識とともに、フリーターが親の扶養から外れるタイミングとなる年収額(年収の壁)や注意点、手続きについて解説しました。

フリーターが扶養内で働いた方がいいのか、扶養を外れた方がいいのかは、本人の収入や家庭の事情によってケースバイケースとなるため、一概にどちらがいいとは言い切れません。今回ご紹介したポイントを参考にしながら、自分にとってどのような働き方が最適なのか、この機会にあらためて考えてみてはいかがでしょうか。

なお、2024年から政府が進める税制改正の関連法案では、所得税の課税最低額となる「年収103万円」の見直しが行われています。これにより年収130万円の壁は、2025年から段階的に引き上げられ、最終的に178万円を目指す方針が掲げられています。年収130万円の壁が引き上げられることで、親の扶養に入っているフリーターの働き方も大きく変わってきますので、今後の最新ニュースを必ずチェックするようにしましょう。

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