フリーターの年収は?正社員との比較や、収入アップを目指す方法も紹介!
2023/12/15 更新
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■目次
- ●フリーターの平均年収はいくら?
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・まずは「フリーター」の定義から
・フリーターを含めた非正社員の平均年収
- ●時給別に見たフリーターの月収・年収・手取り額は?
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・フリーターの時給別平均月収・年収を計算すると
・フリーターの平均手取り額は?
- ●フリーターと正社員の収入を徹底比較!
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・正社員の平均年収は?
・年齢別の平均賃金を比較すると - ●フリーターが年収を上げるための4つの方法
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・1.勤務時間を増やす
・2.高時給のアルバイトで働く
・3.夜勤のアルバイトで働く
・4.正社員として就職する - ●フリーターが正社員就職を成功させるポイント
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・1.なるべく若いうちに就職活動を始める
・2.フリーターでも就職しやすい職種・業種を選ぶ
・3.アルバイト経験がある職種・業種を選ぶ
・4.就職・転職エージェントを活用する - ●まとめ
そもそも「フリーター」とは?フリーターの平均年収はいくら?
まずは「フリーター」の定義から
皆さんはフリーターに“定義”があるのをご存じでしょうか? そもそもフリーターとは「フリーアルバイター」の略語で、内閣府では「学生や主婦(主夫)を除く15~34歳の若年者のうち、パート・アルバイトの雇用形態を主な仕事としている者」をフリーターと定義づけています。
フリーターとは?その定義やメリット・デメリットをデータをもとに深掘り解説!
フリーターを含めた非正社員の平均年収
国税庁の「令和4年分 民間給与実体統計調査」によると、国内における全給与所得者の平均年収は443万円。そのうち、アルバイト・パートで働くフリーターを含む非正社員の平均年収は198万円で、国内平均の半分以下(約45%)の水準となっています。
ただし、同調査の「非正社員」のカウントには、派遣社員や契約社員などフリーター以外の非正規雇用者も含まれています。一般的に派遣社員や契約社員は、フリーターより収入が高くなる傾向にあるため、フリーターの実質的な平均年収は198万円より低くなる可能性があるでしょう。
※参考資料/国税庁「令和4年分 民間給与実体統計調査」
002.pdf (nta.go.jp)
時給別に見たフリーターの月収・年収・手取り額は?
フリーターの時給別月収・年収を計算すると
フリーターの賃金形態は時給制が多いため、より実状に近い時給別の月収と年収を計算してみましょう。
厚生労働省の「地域別最低賃金の全国一覧」を見ると、2022年度の各都道府県別の最低賃金(最低時給)は、最も高い地域が1028円、最も低い地域が853円、全国加重平均が961円となっています(※)。これらの時給額と時給1250円のケースについて、月収と年収を単純計算すると以下のようになります(1日8時間×月22日勤務×12ヵ月で計算)。
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【時給別の月収・年収】 ●時給1028円の場合/月収18万928円 年収217万1136円
●時給853円の場合/月収15万128円 年収180万1536円
●時給961円の場合/月収16万9136円 年収202万9632円
●時給1250円の場合/月収22万円 年収264万円
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※本記事で紹介している最低時給は、2023年8月現在の金額です。今後、最低時給の見直しが行われる可能性もありますので、最新情報は厚生労働省の「地域別最低賃金の全国一覧」でご確認ください。
フリーターの手取り額は?
手取り額とは、額面給与(総支給額)から税金や保険料を引いた金額のことです。フリーターの場合、個人で国民年金や国民健康保険に加入して保険料を支払い、年収額によっては所得税や住民税も支払わなければいけません。そのため、手元に残る手取り額は平均より低くなる傾向にあり、額面給与の80%程度となるのが一般的です。
たとえば、フリーター含む非正社員の平均年収198万円をもとに計算すると、手取り年収は160万円程度となります。また、前項で紹介した最低時給別に手取り月収・年収を単純計算すると、以下のようになります(額面給与の80%として計算)。
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【時給別の手取り月収・手取り年収の目安】
●時給1028円の場合/手取り月収14万4772円 手取り年収173万6908円
●時給853円の場合/手取り月収12万102円 手取り年収144万1228円
●時給961円の場合/手取り月収13万5308円 手取り年収162万3702円
●時給1250円の場合/手取り月収17万6000円 手取り年収211万2000円
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フリーターと正社員の収入を徹底比較!
正社員の平均年収は?
国税庁の「令和4年分 民間給与実体統計調査」によると、正社員の平均年収は508万円となっています。先述したように、フリーターを含む非正社員の平均年収は198万円なので、正社員と比べると310万円の開きがあることがわかります。やはり、非正社員は賞与や諸手当などのまとまった収入がほとんどないため、これだけの年収差が生じてしまうのです。
年齢別の平均賃金を比較すると
さらに、厚生労働省の「令和4年 賃金構造基本統計調査の概要」のデータをもとに、正社員とフリーターを含む非正社員の平均賃金(月額)を年齢別にまとめると、以下のようになります。
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【正社員とフリーターを含む非正社員の年齢別の平均賃金】
●20~24歳/正社員の平均賃金22万1000円 非正社員の平均賃金19万6200円
●25~29歳/正社員の平均賃金25万5900円 非正社員の平均賃金21万2300円
●30~34歳/正社員の平均賃金28万8400円 非正社員の平均賃金21万5500円
●35~39歳/正社員の平均賃金32万3500円 非正社員の平均賃金21万3300円
●40~44歳/正社員の平均賃金34万7500円 非正社員の平均賃金21万7600円
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これを見ると、フリーターを含む非正社員の賃金は年齢による変化がほとんどなく、年齢を重ねるにつれて正社員との賃金差も大きくなっていくことがわかります。たとえば、20歳と40歳の正社員の賃金差は約12万円。これに対して、20歳と40歳の非正社員の賃金差は約2万円しかありません。また、20歳の正社員と非正社員の賃金差は約3万円ですが、40歳では約13万円もの開きが生じています。
このように、正社員は同じ会社で働き続ければ定期的に昇給・昇進し、年齢とともに年収もアップしていきます。一方で、フリーターは昇給・昇進の機会がほとんどなく、年齢とともに時給が上がるわけではないので、同じ仕事を長く続けていても年収が上がりにくいのです。
※参考資料/厚生労働省「令和4年 賃金構造基本統計調査の概要」
13.pdf (mhlw.go.jp)
フリーターが年収を上げるための4つの方法
では、フリーターが年収を上げるためには、どのような方法があるのでしょうか。ここでは、フリーターの年収アップに有効な4つの方法について解説します。
1.勤務時間を増やす
フリーターは時給制で働く場合が多いため、勤務時間を増やせばその分だけ収入も増えます。たとえば、1日5時間勤務している場合、8時間に増やすことでプラス3時間分の時給が稼げます。また、複数のアルバイトを掛け持ちするのも、勤務時間を増やす手段として有効です。とはいえ、休む暇もなく働いていると心身ともに疲弊しやすいため、自主的に休日を設けて休息を取るようにしましょう。
2.高時給のアルバイトで働く
高時給のアルバイトとしては、コンビニや工場の夜勤、引っ越しや建設現場の作業員、塾講師、イベントスタッフ、医薬品の治験などが挙げられます。ただし、時給が高めのアルバイトは重労働のキツい仕事や、心身に負担がかかる仕事が多いため、年齢とともに続けるのが厳しくなる可能性があります。
3.夜勤のアルバイトで働く
22時から翌5時までの深夜労働には、基本給の25%以上増しの深夜手当が法的に支給されます。たとえば、通常の時給が1000円の場合、深夜労働の時間帯は時給が1250円以上にアップするため、日中のアルバイトより効率的に稼げるのです。
夜勤のアルバイトとしては、24時間稼働する工場の作業員、警備員、コンビニスタッフなどが挙げられます。しかし、夜勤を続けると昼夜が逆転し、生活リズムや体調を崩しやすくなるため、日ごろから体調管理をしっかり行うことが重要です。
4.正社員として就職する
フリーターが年収を上げる方法として最も有効なのが、正社員として就職することです。フリーターから正社員になれば、賞与やさまざまな手当が支給され、昇給・昇進にともなってベースとなる給与水準もアップ。また、厚生年金保険や健康保険などの社会保険料は会社が半分負担してくれますので、手取り収入も増える可能性があります。さらに、退職時にはまとまった退職金が支払われるため、定年後の経済的な安心にもつながるでしょう。
フリーターが正社員就職を成功させるポイント
先述したように、フリーターの年収アップには正社員就職が最も有効ですが、フリーターは社会人経験がないと見なされることが多いため、中途採用で正社員になるのは現実的に厳しいのも事実です。しかし、いくつかのポイントを押さえておくことで、正社員就職を勝ち取れる可能性が高まります。
以下、フリーターが正社員就職を成功させるポイントについて解説します。
1.なるべく若いうちに就職活動を始める
就職サイトなどの求人情報には、「求人で年齢を制限することは禁止」とする雇用対策法の原則に従い、年齢制限の条件が記載されていません。とはいえ、実際には採用する企業側にも希望する人材の年齢層があり、若い人材が求められる傾向にあるのも事実です。
よって、フリーターから正社員を目指すのであれば、できるだけ若いうちに就職活動を始めることが、採用の可能性を上げるポイントとなってくるでしょう。
2.フリーターでも就職しやすい職種・業種を選ぶ
実務経験や専門知識を必要とする職種は、フリーターが採用される可能性が低いため、「未経験でも活躍できる」「需要が高い」など、フリーターでも正社員になりやすい職種や業種を狙って就職活動を進めるといいでしょう。具体的な職種・業種としては、「販売職」「製造業」「IT職」「物流業」「介護職」「事務職」などがおすすめです。
3.アルバイト経験がある職種・業種を選ぶ
アルバイトしていた業種や職種への正社員就職を目指すのもひとつの方法です。アルバイト先で身につけたスキルがアピールできれば、面接などで評価される可能性もあります。ただし、一般的にアルバイト経験は職歴と見なされないため、企業側の判断によっては採用に至らないこともあります。
また、アルバイト先の企業に正社員登用制度があれば、一から就職活動を始めるより正社員になれる可能性が高くなりますので、ぜひチャレンジしてみましょう。
4.就職・転職エージェントを活用する
就職・転職エージェントに登録すれば、「未経験・フリーターOK」の非公開求人や、自分の希望・適性にマッチした求人を紹介してもらえます。また、正社員就職に精通したプロのアドバイザーが、あらゆる面から就職活動をサポートしてくれますので、一人で就活を進めるのが不安なフリーターの人にもおすすめです。
※フリーターから正社員になる方法については、こちらの記事もチェック!
フリーターと社会人は違うの? フリーターから正社員になるには? | 工場・製造業の求人・お仕事・派遣なら日総工産 (717450.net)
まとめ
今回はフリーターの年収をテーマに、具体的な収入額や正社員との比較、収入アップを目指す方法など、さまざまな視点から解説しました。
やはり、日々の生活や将来の人生設計において、「仕事と収入」は避けて通れない重要なテーマといえるでしょう。フリーターとして働き続けたい人も、正社員として就職するべきか迷っている人も、ぜひ本記事でご紹介したポイントを参考にしながら、自分自身で納得できる「仕事と収入」を実現していただければ幸いです。