夜勤の仕事って大変? 意外と知らない夜勤について徹底解説
2023/12/15 更新
「働くのがキツイ・大変」というイメージのある夜勤ですが、そもそも夜勤とはどんな働き方なのでしょうか? 今回は、夜勤に関する法的な定義や休日・給料などの規定、夜勤で働くメリット・デメリット、夜勤のさまざまな勤務体系など、働く際に知っておきたい夜勤のアレコレについて徹底解説します。
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■目次
- ●そもそも夜勤とは?
- ●夜勤に該当する勤務時間
- ●夜勤時の休憩時間や休日について
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・夜勤時の休憩時間について
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・夜勤時の休日について
- ●夜勤はキツイ?夜勤で働くデメリットとは?
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・職場の人員が少ない
・生活リズムが乱れて体がしんどい
・音や光が気になって日中に眠れない
・家族や友人と予定が合わない
- ●夜勤で働くメリット・魅力は?
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・日勤より給料が高い
・通勤ラッシュのストレスがない
・日勤より楽に働ける場合もある
・日中・平日の時間を有効に使える
- ●夜勤で給料がアップする深夜手当とは?
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・深夜労働は給料が25%以上アップ
・さらに給料が割増しされるケースも
- ●夜勤にはさまざまな働き方のパターンがある
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・夜間限定で働く夜勤専属
・夜勤専属が難しい人におすすめの交替制
・交替制勤務には2交替・3交替がある
- ●夜勤でしっかり稼ぐなら<工場求人ナビ>がおすすめ!
そもそも夜勤とは?
夜勤(深夜労働)とは、24時間稼働・営業する業務や職種において、深夜の時間帯に労働することを指します。夜勤のある代表的な業種としては、工場や運輸業、病院や介護施設業、宿泊施設やコンビニエンスストアなどが挙げられます。
正規・非正規の雇用形態を問わず、パートやアルバイトの従業員でも夜勤で働くことはできますが、労働基準法では、原則として満18歳未満の年少者の夜勤を禁止しています。ただし、交代制で勤務する満16歳以上の男性ほか、農林水産業・保健衛生業といった一部の業種に限り、満18歳未満(満15歳年度末以上)でも夜勤に従事できる場合があります。
また、妊産婦の夜勤に関しては法律上禁止されていませんが、労働基準法の「母性保護規定」により、妊産婦が自ら夜勤免除を希望した場合、企業側はそれを受け入れなければいけないとしています。
夜勤に該当する勤務時間について
労働基準法では「午後10時~翌午前5時」の時間帯の労働を、夜勤に該当する深夜労働の勤務時間と定めています。
一般的な暦日(暦<こよみ>の上での1日)の考え方に基づくと、夜勤は日付が変わる深夜0時をまたぐため、2日分の勤務になると思われるかもしれません。しかし、日をまたいだ夜勤を2日勤務として扱うと、法律で定めた休憩時間や残業代が不要(短縮・減額)になるケースもあり、労働者に負担や不利益が生じることになります。
そのため、労働基準法では「2暦日にわたる1勤務については、始業時刻の属する日の労働として、1日の労働と解する」と定めています。つまり、夜勤で日をまたいで働いても、出勤は1日としてカウントされるわけです。たとえば、月曜日の午後9時から翌火曜日の午前6時までの夜勤であれば、「月曜日の勤務」として扱われ、労働時間は休憩1時間を引いた8時間労働として処理されます。
夜勤の休憩時間や休日について
夜勤時の休憩時間について
夜勤における休憩時間は日勤と同様、労働基準法で以下のように定められています。
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●1日の勤務時間が6時間以上~8時間未満の場合……45分以上の休憩時間が必要
●1日の勤務時間が8時間以上の場合……60分以上の休憩時間が必要
※1日の勤務時間が6時間未満の場合は、休憩を与えなくても問題はない
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●1日の勤務時間が6時間以上~8時間未満の場合……45分以上の休憩時間が必要
【夜勤時の休日について】
労働基準法では、原則として1週間に1日または、4週間を通して4日以上の休日(法定休日)を与えなければならないと定めています。また、休日は暦日(0時~24時までの継続した24時間)で与えるという規定により、夜勤明け日の休みは「法定休日」として認めらないため、夜勤明け日とは別の休日が与えられることになります(※)。
こうした法的な規定はもとより、夜勤は身体への負担がかかりやすいため、多くの職場では従業員が適切なタイミングで休める勤務体系や休日設定を採用し、通常勤務と比べて休日を多めに設けています。
※日勤・夜勤・朝夕勤を交互に繰り返す3交代制のシフト勤務を導入している職場の場合、休日を暦日ではなく継続24時間を1日とすることができるため、例外的に夜勤明けが休みとなるケースもあります
夜勤はキツイ? 夜勤で働くデメリットとは?
夜勤はキツイという声をよく耳にしますが、実際にどのような点が大変なのでしょうか。ここからは、夜勤がキツイと言われる理由や、夜勤で働くデメリットについて解説します。
職場の人員が少ない
職種や業種にもよりますが、一般的に夜間は従業員の人数が少ないため、1人で担当する業務の範囲が広くなリ、日中の仕事より忙しいと感じるかもしれません。また、夜間は現場に管理職がいないことも多いため、トラブルが起きた場合は自分で判断・対応する必要があります。
生活リズムが乱れて体がしんどい
昼間に休んで夜働くサイクルは、人間の生体リズムや生活リズムが乱れやすくなるため、夜勤に慣れるまでは、体力的にしんどいと感じる人も多いようです。毎日しっかり睡眠を取ることはもちろん、休みの日は適度に運動をしたり、日中に外出して日光を浴びるなど、日ごろから体調管理を心がけることが大切です。
音や光が気になって日中に眠れない
また、日中は家族の生活音や周囲の騒音、明るさなどが気になって、ぐっすり眠れない、寝付きが悪いなど、睡眠の質も低下しがちです。日中の睡眠対策として、遮光カーテンやアイマスク、耳栓などのアイテムを取り入れるのもおすすめです。
家族や友人と予定が合わない
家族や友人と予定が合わせにくいのも、夜勤で働くデメリットのひとつです。日中に働いている友人と遊びに行こうと思っても、予定が合わずに諦めることもしばしば。同居する家族とも生活リズムが合わず、家で一緒に食事をしたり、外出したりする機会も減りがちです。 また、夜勤は平日が休みになる勤務パターンも多いため、土日が休みの知人や家族と休日が合わず、人によっては寂しいと感じるかもしれません。
夜勤で働くメリット・魅力は?
一方で、夜勤で働くメリットや魅力もたくさんあります。場合によっては、デメリットがメリットになることもありますので、ケースバイケースで“いいとこ取り”しましょう!
日勤より給料が高い
労働基準法では、午後10時~翌午前5時の深夜労働に対して、割増賃金(深夜手当)を支払うよう定めています。そのため、夜勤は「日勤で働くより給料が高くなる」というメリットがあります(割増賃金となる深夜手当については、次項で詳しく解説します)。
通勤ラッシュのストレスがない
通勤ラッシュを避けやすいのも、夜勤ならではのメリットです。とくに最近は、新型コロナの影響で、混み合うバスや電車を避けたいと思う人も多いでしょう。夜勤で働く場合、出社・帰宅の時間帯が朝夕のラッシュアワーとかぶりにくいので、ストレスなく楽に通勤することができます。
日勤より楽に働ける場合もある
先述したように、夜勤は「スタッフの人数が少ない、管理職がいない」などのデメリットがありますが、見方を変えれば「人間関係に煩わされない、周囲や上司の目を気にせずリラックスして働ける」というメリットにもなります。また、夜間は外部からの電話や来客が少なく、自分のペースで集中して仕事ができるのもメリットです。
日中・平日の時間を有効に使える
同じく、夜勤は「友人や家族と予定が合わせにくい」のがデメリットですが、見方を変えれば「日中や平日の時間を有効に使える」というメリットにもなります。混雑の少ない平日の昼間に、銀行や役所、買い物などの用事を済ませられますし、美容院や病院などの予約も取りやすいので、休みの日の時間を無駄なく活用することができます。また、授業参観などの学校行事に参加しやすいのも、子どもがいる人にはうれしいポイントでしょう。
夜勤で給料がアップする深夜手当とは?
では、上記のメリットで触れた夜勤の深夜手当(割増賃金)について詳しく解説します。
深夜労働は給料が25%以上アップ
深夜手当とは、午後10時~翌午前5時の深夜労働に対して支払われる割増賃金のことで、労働基準法では通常の賃金より25%以上高く設定するよう定めています。
たとえば、通常(日勤)の時給が1000円の場合、深夜労働の時間帯は時給が1250円以上にアップすることになります。同じく、月給制の場合も1時間あたりの基礎賃金を計算し、深夜手当となる25%以上の割増賃金が支払われます。 夜勤の勤務時間は職場によってさまざまなパターンがあり、午後10時~翌午前5時の時間帯から外れた分の勤務は通常賃金となりますが、日勤のみで働くより大幅な給料アップが見込めるでしょう。
さらに給料が割増しされるケースも
そのほか、労働基準法が定める割増賃金には、法定労働時間(原則1日8時間、1週40時間)の上限を超えた時に支払われる「時間外手当(割増率25%以上)」、法定休日に出勤した際に支払われる「休日手当(割増率35%以上)」があります。これらの割増賃金は原則として足し算方式となるため、以下のように重複して割増しされるケースもあります。
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●深夜に時間外労働をした場合……深夜手当25%+時間外手当25%=50%以上アップ
●休日に深夜労働をした場合……深夜手当25%+休日手当35%=60%以上アップ
●休日の深夜に時間外労働をした場合……深夜手当25%+時間外手当25%+休日手当35%=85%以上アップ
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●深夜に時間外労働をした場合……深夜手当25%+時間外手当25%=50%以上アップ
夜勤にはさまざまな働き方のパターンがある
ひと言で夜勤といっても、働き方にはいくつかのパターンがあります。主な勤務体系としては、勤務時間が夜間に限られている「夜勤専属の勤務」と、日勤・夜勤など異なる時間帯の勤務を交互に繰り返す「交替制勤務」があります。では、それぞれの働き方の違いを見ていきましょう。
夜間限定で働く夜勤専属
夜勤専属の勤務は、朝起きるのが苦手な人や、夜型の人にもおすすめの働き方です。勤務時間は職場によって異なりますが、一般的には午後8時~9時頃に始業し、翌午前5時~6時頃に終業というパターンを毎日繰り返すことになります。 そのため、日勤と組み合わせた交替勤務と比べて一定の生活リズムを作りやすく、より効率的に稼げるのもメリットです。ただ、夜間限定という特殊な働き方なので、日中の用事が済ませにくく、家族にもある程度の理解が必要かもしれません。
夜間限定が難しい人におすすめの交替制
夜勤で働きたいけれど、家の事情などを考えると夜間限定は難しそう……という人には、交替制勤務という働き方がおすすめです。1日の勤務時間を2~3つのシフトに分け、複数の従業員が交替で勤務するため、日勤・夜勤などのシフトを交互に繰り返しながらメリハリのある働き方ができます。
交替制勤務は、24時間体制で営業・稼働しなければいけない職種で多く採用されています。とくに、24時間フル稼働する大手製鉄・自動車・半導体製造などの工場では、ほとんどの職場で交替制勤務を採用しており、従業員が交替で製造現場を支え、工場の稼働が止まらないようにしています。
交替制勤務には2交替・3交替がある
さらに交替制勤務には、1日の勤務時間を2つに分け、日勤・夜勤のシフトを交互に繰り返す「2交替」と、1日の勤務時間を3つに分け、日勤・夜勤・朝夕勤のシフトを交互に繰り返す「3交替」の2種類があります。どちらの交替制を採用し、どのように勤務シフトを組んでいるかは、それぞれの職場によって異なるため、働く際には事前にしっかり確認しておきましょう。
また、2交替・3交替ならではのメリット・デメリットや、勤務パターンの向き・不向きもありますので、交替制の仕事で夜勤にチャレンジしたい人は、自分の生活スタイルに合った勤務体系の職場を選ぶことが重要です。
※交替制勤務(2交替制)に関する詳しい情報は、以下の記事をチェック ▼
https://www.717450.net/special/knowledge/secondshifts/index.html
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