ニートから社会復帰するためのステップと成功のポイントを伝授!

2024/4/8 更新
ニートの現状について
そもそもニートとは?
厚生労働省や内閣府では、「通学・家事をしていない15~34歳の若年者のうち、就業していない(求職活動していない、働く意思がない)無業者」をニートと定義づけています。
この定義によると、ニートに該当するのは「学生や主婦(主夫)を除く34歳までの若年無業者」で、35歳以上の無業者に対する呼称に明確な定義はありません。ただ、35歳以上の無業者に対してもニートという呼称は広く使われており、一般的には「中年層ニート」などと呼ばれることが多いようです。
ニートの数は減っている?

総務省統計局の労働力調査(2022年)によると、国内でニートに該当する15~34歳の無業者数は57万人、35~44歳(中年層ニート)の無業者数は36万人で、その総数を前年(2021年)と比較すると1万人減少、2012年と比較すると14万人減少しています。2020年はコロナ禍の影響で一時的に急増しましたが、ここ10年の推移を見るとニートの数は減少傾向にあることがわかります。
ただ、15~24歳、25~34歳、35~44歳ごとの無業者数を比べると、どの年も年齢層が高いほど多くなっており、年齢を重ねるほど就業が難しくなることを示しています(下記グラフ参照)。

※参考資料(グラフ出典)/総務省統計局「労働力調査(基本集計)2022年平均結果の要約」
index1.pdf
データから見たニートを続けるリスク
ニートを続けている人の中には、「とりあえず今は働きたくない」「就職は○○歳になったら考えよう」と、仕事に就くことを先送りにしてしまう人も少なくないようです。しかし、年齢を重ねてニートの期間が長くなるほど、社会復帰したときのギャップは大きくなりますし、就職へのハードルが高くなっていくもの事実です。
以下、ニートを続けるリスクについて、国の調査データをもとに解説します。
年齢とともに正社員就職が難しくなる

まず、年齢別の正社員採用率についてですが、ニートに関する調査データがないため、ここではフリーターのデータを参考に考察します。
厚生労働省の「平成30年若年者雇用実態調査」によると、過去3年間に「(フリーターを含めて)正社員を採用する予定があった」と回答した事業所の割合は全体の49.9%で、実際にフリーターを採用した事業所の割合は18.5%となっています。その内訳を年齢層別に見ると、15~34歳のみを採用した事業所の割合は10.0%でしたが、35~44歳のみは2.1%と大きく減少しています。
さらにニートの場合、上記の数値より採用率が低くなる可能性があります。とくに中途採用市場では、年齢が上がるほど経験値の高い即戦力を求める傾向が強まるからです。同じ年齢の正社員やフリーターと比べて、実務経験や社会経験が浅い(ない)ニートは、年齢を重ねるほど採用で不利になる点は覚えておきましょう。
※参考資料/厚生労働省「平成30年若年者雇用実態調査」
4-21c-jyakunenkoyou-h30_06.pdf
ニート期間が長引くほど正社員就職が難しくなる

同じく、フリーターに関する厚生労働省の広報資料を見ると、フリーター期間ごとに正社員として就職できた人の割合は以下のようになっています。
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【フリーターの期間別・正社員就職できた人の割合】
●フリーター期間6ヵ月以内……64.0%
●フリーター期間6ヵ月~1年以内……58.3%
●フリーター期間1年~2年以内……52.2%
●フリーター期間2年~3年以内……58.9%
●フリーター期間3年以上……48.9%
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このように、フリーター期間が6ヵ月以内であれば6割以上の人が正社員として就職できたのに対し、期間が3年以上になるとその割合が半数以下になることがわかります。現時点で何かしらの仕事をしているフリーターと、仕事をしていないニートは定義が異なるものの、ブランク期間が長いほど就職が難しくなるといえるでしょう。
※参考資料/フリーターに関する厚生労働省の広報資料
0000105821.pdf
ニートから社会復帰するためのステップ
ニートから脱して社会復帰するためには、少しずつステップを踏んでいくのがおすすめです。ここからは、ニートの社会復帰に向けたステップと、就職(就業)成功のポイントを紹介します。
自己分析して現状を把握する

ニートから社会復帰を目指すなら、まず以下の点について自己分析し、自分自身の現状をしっかりと把握することから始めましょう。
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●ニートになった(就職しない)理由、きっかけは何なのか?
●社会復帰をする上で何がハードルになっているのか、何が不安なのか?
●ニート期間中に何をしていたのか、得るものはあったか?
●どんな仕事に興味があるのか、できそうな仕事はあるか?
●今後に生かせる経験やスキル、強みはあるか?
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このように、自分自身について深掘りして考えることで、「今できることは何か」「今は何を優先したいのか」「どんな解決策や選択肢があるのか」など、新たに見えてくることがあるはずです。また、自分の希望や方向性を見つけることで、就職活動に踏み出すきっかけがつかみやすくなり、就職支援サービスを受ける際にも役立ちます。
生活習慣を改善して心身の健康を保つ

不規則なニート生活や運動不足が続くと、仕事を始めても身体がついていけず、朝起きられない、通勤がしんどい、仕事がキツくてこなせないなど、さまざまな支障が生じる可能性があります。まずは、毎朝6~7時に起床して太陽の光を浴び、夜は12時までに就寝するようにしましょう。朝食・昼食・夕食も決まった時間に摂り、間食をやめて栄養バランスの良い食事を心がけることが大切です。
また、適度な運動も基礎体力をつけ、心身のバランスを保つことに役立ちます。手軽に始められる運動としては、1日30~40分程度のウォーキングがおすすめです。ウォーキングを始めると外出の機会が増えるので、自宅に引きこもりがちな人にもうってつけです。
自分に合った働き方からスタートする

長いニート生活からいきなりフルタイム勤務の正社員になるのは、体力的・精神的にハードルが高いと感じるかもしれません。現時点で正社員として働く自信がなければ、まずはハードルが低めの単発・短期のアルバイトやパートなど、できる範囲の仕事から始めてみましょう。アルバイトやパートであれば、ブランクが長いニートでも採用される可能性が高く、週に2~3日・1日数時間といった負担の少ない働き方も可能です。
また、人との会話やコミュニケーションが苦手であれば、人との関わりが少ない工場スタッフ・清掃員の仕事や、データ入力などの在宅ワークからスタートするのもおすすめです
さらに、将来的に正社員就職したいと考えているのであれば、まず単発の派遣社員や契約社員として働き始め、職場体験を積むことで自信をつけていく方法もあります。また、正社員登用制度のある会社を選べば、アルバイトやパートとして働きながら正社員になれる可能性もありますので、制度の有無や登用条件を応募時に確認しておきましょう。
就職しやすい業界・職種で正社員を目指す

ニートから思い切って正社員就職にチャレンジするなら、人手不足の業界・職種や未経験歓迎の求人を選ぶのがおすすめです。
人手不足の業界は求人件数が多く、応募の条件や就業のハードルも低い傾向にあります。とくに、製造業・建設業・運輸業・介護業・サービス業などの職種は、慢性的に人手が不足しているので、中年層ニートでも比較的スムーズに採用される可能性があります。
また、求人の募集要項に「未経験OK・未経験歓迎」の記載がある職種は、応募に際して特別や資格やスキルが必要ないため、実務経験がないニートにも狙い目です。未経験者を受け入れている会社は、今後の成長を見込んで一から人材を育成するため、ニートでも採用される可能性が高く、働きながらスキルアップを目指すこともできるでしょう。
ニートの仕事探しに役立つ就活支援サービス
では最後に、ニートの仕事探しに役立つ就活支援サービスを4つ紹介します。仕事選びや就活に関するさまざまなサポートを受けられますので、一人で就職活動を進めるのが不安な人や、何から始めればいいのか悩んでいる人にもおすすめです。
ハローワーク

全国の各都道府県に設置されているハローワーク(公共職業安定所)では、地元企業を中心とした豊富な求人の中から、自分の経歴や能力に合った仕事を無料で紹介してもらえます。窓口を利用すれば、職業相談や紹介状の作成、応募書類の作成支援など、さまざまなサポートを受けられるのもメリットです。また、ハローワークの求職者を対象にした職業訓練などの支援制度もあり、就職に必要な知識やスキルを身に付けることができます。
就職・転職エージェント

就職・転職エージェントとは、求職活動全体をサポートしてくれる民間サービスです。登録すれば、自分の希望・適性に合った仕事選びはもちろん、自己分析や面接対策、応募書類の添削・作成など、就職活動で必須となるさまざまな支援を受けることができます。プロのアドバイザーに相談しながら活動を進められるので、ポイントをしっかり押さえて、就職の成功率を高められるのがメリットです。
地域若者サポートステーション
全国に177ヵ所設置されている「地域若者サポートステーション(通称サポステ)」は、就学・就業していない15~49歳までの人を対象にした厚生労働省委託の支援機関です。個別の就職相談はもちろん、コミュニケーション講座、ビジネスマナー講座、就業体験、面接指導など、さまざまなサポートを通して、求職者が職場に定着するまでのバックアップを行っています。
若年者のためのワンストップサービスセンター
「若年者のためのワンストップサービスセンター(通称ジョブカフェ)」は、若者の就職支援をワンストップで行う公的施設です。各地域の特色を生かした就職セミナーや職場体験、カウンセリングや職業相談、職業紹介などさまざまなサービスを提供しています。現在、全国の46都道府県に設置されており、ハローワークに併設されているジョブカフェもあります。
まとめ

現在、ニートを続けている人の中には、「どうせ社会復帰なんてムリ」と諦めている人もいるかもしれません。しかし、ニートからの社会復帰は十分可能ですし、実際にニート生活から脱して、イキイキと働いている人はたくさんいます。
現時点でなかなか踏み出せなくても、今回ご紹介したステップを参考に、できることを少しずつ積み重ねていけば、次第に道は拓けてきます。もちろん、自分一人でどうにかしようと思い悩む必要はありません。ぜひこの機会に、周囲の人や就活支援サービスのサポートを受けながら、自分自身の新たな未来に向けて大きな一歩を踏み出してください!
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