ニートになってしまう原因とは?なりやすい人の特徴や脱出方法も紹介

2024/4/5 更新
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■目次
- 1.ニートの定義と現状について
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・そもそもニートとは?
・国内にニートはどれぐらいいる?
- 2.ニートになってしまう主な原因とは?
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・就職に失敗した
・人間関係をうまく築けない
・親との関係性に問題がある
- 3.ニートになりやすい人の特徴・性格の傾向
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・不登校や中退、いじめを経験している
・人との会話やコミュニケーションが苦手
・劣等感やマイナス思考が強い
- 4.ニートから脱出するための考え方・行動
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・「自分が悪い」という考えを捨てる
・失敗から学ぶ
・規則正しい生活を心がける
・できる範囲の仕事からスタートしてみる
・思い切って正社員就職にチャレンジする
- 5・ニートからの就職におすすめの就活支援サービス
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・ハローワーク
・地域若者サポートステーション
・若年者のためのワンストップサービスセンター
・就職・転職エージェント
- 6.まとめ
ニートの定義と現状について
そもそもニートとは?
厚生労働省や内閣府では、「通学・家事をしていない15~34歳の若年者のうち、就業していない(求職活動していない、働く意思がない)無業者」をニートと定義づけています。
この定義から見ると、ニートに該当するのは「学生や主婦(主夫)を除く34歳までの若年無業者」で、35歳以上の無業者に対する呼称に明確な定義はありません。ただ、35歳以上の無業者に対してもニートという呼称は使われており、一般的には「中年層ニート」などと呼ばれることが多いようです。
国内にニートはどれぐらいいる?
総務省統計局の労働力調査(2022年)によると、国内でニートに該当する15~34歳の無業者数は57万人、35~44歳(中年層ニート)の無業者数は36万人。その総数を前年(2021年)と比較すると1万人減少、2012年と比較すると14万人減少しています。
ただ、人口に占める15~34歳の若年無業者の割合を見ると、ここ数年はコロナ禍による2020年を含めて増加傾向にあることがわかります(下記グラフ参照)。つまり、少子化の影響でニートの数自体は減っているものの、若者のニート率はむしろ増えているのです。

※参考資料(グラフ出典)/総務省統計局「労働力調査(基本集計)2022年平均結果の要約」
index1.pdf
ニートになってしまう主な原因とは?
ニートというと、どうしても「怠けている、甘えている」といったネガティブなイメージで見られがちですが、はじめからニートになりたいと思ってなった人は、ほとんどいないのではないでしょうか。にもかかわらず、若年者がニートになってしまう主な原因としては、以下のような点が考えられます。
就職に失敗した

ニートになった原因として多いのが、学生時代の就職活動で失敗し、卒業と同時にニートになったというパターンです。また、一度就職はしたものの、仕事や職場になじめず早期退職し、そのままニートになったというケースも。将来への不安や危機感はあっても、過去の失敗や挫折がトラウマになって前に進めず、就職を諦めてしまう人も少なくないようです。
人間関係をうまく築けない

周囲の人と人間関係をうまく築けないことも、ニートになる原因のひとつとして挙げられます。過去に職場の人や友人との関わりでトラブルを経験していると、他人とのコミュニケーションや人間関係の構築に自信が持てず、社会生活に参加できなくなってしまいます。また、過去に人間関係のトラブルはなくても、人との関わり方や親しくなる方法がわからず、周囲から孤立して引きこもってしまうケースもあります。
親との関係性に問題がある

親と同居していたり、親から金銭的な支援を受けていたりすると、働かなくても生活に困ることはありません。そうした環境に慣れてしまうと、精神的・経済的に親に頼り切ってしまい、仕事に就く意欲も薄れてしまうようです。とくに、過保護な親と同居している場合、生活面の世話(食事や洗濯、掃除など)も親が見てくれるので、安楽なニート生活からますます抜け出せなくなるのです。
一方で、親が子どもに無関心だったり、子どもの意見を尊重しなかったりすると、子どもは自分が愛されていないと感じ、自己肯定感が低くなる傾向があるようです。そうした環境で育つと、大人になっても「相手から良く思われたい」「相手から否定されるかもしれない」という心理から自分の感情を抑えがちとなり、そのストレスから社会との関わりを断ってしまうケースもあります。
ニートになりやすい人の特徴・性格の傾向
ここからは、厚生労働省の報告書(※)をもとに、ニートになりやすい人の特徴や性格の傾向を見ていきましょう。以下の傾向に該当する人が、すべてニートになりやすいというわけではありませんが、一般的な参考例としてチェックしてみてください。
不登校や中退、いじめを経験している

学生時代に不登校や中退を経験した人は、そのときに味わった挫折感から「もう何もしたくないと」とふさぎ込んで、ニートになってしまう傾向があるようです。また、いじめられた経験も、自分自身の存在価値や自信を喪失する原因となり、結果としてニートになりやすいと考えられます。
人との会話やコミュニケーションが苦手

他人との会話やコミュニケーションに対する苦手意識も、ニートになりやすい特徴のひとつです。普段から人とのコミュニケーションを避けていると、対人関係が希薄になり、何かあっても他人に相談できず孤立してしまうのです。また、就職活動の面接や職場などでも「うまく話せなかったらどうしよう」と怖くなり、自信をなくして働くことを諦めてしまう人も多いようです。
劣等感やマイナス思考が強い

劣等感やコンプレックスが強いと、他人と比べることで自分が傷つきたくないという思いから、周囲の人との関わりを避けるようになり、そのままニートになってしまう恐れがあります。また、ニートになってからも「どうせ自分なんか」「どうせうまくいかない」とマイナス思考から抜け出せなくなり、結果としてニートからも脱出できなくなってしまうのです。
※参考資料/厚生労働省「ニートの状態にある若年者の実態および支援策に関する調査研究報告書
厚生労働省:ニートの状態にある若年者の実態および支援策に関する調査研究
ニートから脱出するための考え方・行動
ニートから脱出したいと思っていても、「どうすればいいのかわからない」「怖くて踏み出せない」という人も多いのではないでしょうか。以下、ニートから脱出するための考え方や行動のポイントを紹介しますので、できることから少しずつ試してみましょう
「自分が悪い」という考えを捨てる

まず、ニートになったのは「すべて自分のせい」「自分が悪い」という考えを捨てましょう。自分を責め続けていると「自分には価値がない」「自分はなにもできない」とますますネガティブになり、現状から抜け出そうという気力も失せてしまいます。
ニートだからといって、すべて自分に問題があるわけではありません。一度冷静になって過去を振り返り、ときには「他人のせい」にしてみるのもアリです。たとえば、「学生時代にいじめてきた友人も悪い」「あのときは上司の態度に問題があった」「自分の意見を聞いてくれなかった親にも否がある」など、一つひとつ振り返って整理することで、自分の気持ちも少しずつ軽くなっていくでしょう。
失敗から学ぶ

ニートのなかには、失敗を恐れて前に進めない人もいますが、失敗しなければ得られない学びや経験もたくさんあります。ニートに限らず、人生で失敗したことがない人はいません。誰しも大小さまざまな失敗や挫折を繰り返し、そこから学びを得て成功する人も多くいます。
たとえば、就職活動で失敗したことも、見方を変えれば価値のある経験です。たとえ一時的に落ち込んだとしても、そこから「なにが原因で失敗したのか」「次はどうすればいいのか」とポジティブな方向に生かしていけば、自分自身の大きな成長にもつながるはずです。
規則正しい生活を心がける

ニートをしていると、昼夜が逆転したり食事が不規則になったりと、生活リズムが乱れやすくなります。生活リズムの乱れは、心身の健康に悪影響を及ぼすだけでなく、仕事を始めても「朝起きられない」「通勤がきつい」「仕事に身が入らない」など、さまざまな支障が生じる恐れがあります。
まずは、毎朝6~7時に起床して太陽の光を浴び、夜は12時までに就寝するようにしましょう。朝・昼・夜の食事も決まった時間に摂り、間食をやめて栄養バランスの良い食事を心がけることが大切です。こうして、日々の生活リズムを整えるだけで、日常生活や気持ちに余裕ができ、自分の将来に対して前向きに考える時間も増えるでしょう。
できる範囲の仕事からスタートしてみる

ニート生活からいきなりフルタイム勤務の正社員になるのは、ややハードルが高いと感じるかもしれません。現時点で正社員として働く自信がなければ、まずは単発・短期のアルバイトや短時間のパートなど、できる範囲の仕事から始めてみましょう。正社員登用制度のある会社を選べば、アルバイトやパートとして働きながら正社員になれる可能性もあります。
また、人との会話やコミュニケーションが苦手であれば、人との関わりが少ない工場スタッフ・清掃員の仕事や、データ入力などの在宅ワークからスタートするのもいいでしょう。 さらに、将来的に正社員就職したいと考えているのであれば、まず単発の派遣社員や契約社員として働き始め、職場体験を積むことで自信をつけていく方法もあります。
思い切って正社員就職にチャレンジする

ニートから正社員就職を目指すなら、人手不足の業界・職種や未経験歓迎の求人を選ぶのがおすすめです。人手不足の業界は求人件数が多く、応募の条件や就業のハードルも低い傾向にあります。とくに、製造業・建設業・運輸業・介護業・サービス業などの職種は、慢性的に人手が不足しているので、未経験の中年層ニートでも比較的スムーズに採用される可能性があります。
ニートからの就職におすすめの就活支援サービス
最後に、ニートからの就職に役立つ就活支援サービスを紹介しましょう。利用すれば仕事選びや就活に関するさまざまなサポートを受けられますので、「何から始めればいいのかわからない」というニートの人にもおすすめです。
ハローワーク

全国の各都道府県に設置されているハローワーク(公共職業安定所)では、全国各地の豊富な求人の中から、自分にマッチした仕事を紹介してもらえます。職業相談や面接指導、応募書類作成などのサポートも無償で受けられますので、自分ひとりで就活を進めるより安心感もあるでしょう。また、ハローワークの求職者を対象にした職業訓練などの支援制度もあり、就職に必要な知識やスキルを身に付けることができます。
地域若者サポートステーション
全国に177ヵ所設置されている「地域若者サポートステーション(通称サポステ)」は、就学・就業していない15~49歳までの人を対象にした就職支援の公的機関です。個別の就職相談をはじめ、コミュニケーション講座、ビジネスマナー講座、就業体験、面接指導など、さまざまなサポートを通して求職者の就業をバックアップしています。
若年者のためのワンストップサービスセンター
全国の46都道府県に設置されている「若年者のためのワンストップサービスセンター(通称ジョブカフェ)」は、若者の就職支援をワンストップで行う公的施設です。各地域の特色を生かした就職セミナーや職場体験、カウンセリングや職業相談、職業紹介などさまざまなサービスを提供しており、ハローワークに併設されている施設もあります。
就職・転職エージェント

就職・転職エージェントに登録すれば、自分の希望や能力に合った仕事選びはもちろん、自己分析や面接対策、応募書類の添削・作成など、就活で必須となるさまざまな支援を受けることができます。就職のプロに相談しながら就活を進められるので、就活が初めてのニートの人も、ポイントをしっかり押さえて取り組めるのがメリットです。無料で申し込めるサービスも多くありますので、ぜひ気軽に利用してみてはいかがでしょうか。
まとめ
ニートになってしまう原因は人によってさまざまですが、その多くは学校生活や友人関係、家庭や職場などでつらい経験があったり、自信をなくしたりしたことが、そもそもの引き金となったのではないでしょうか。
現在、ニートから脱出したいと考えている人も、まずはニートになった原因を客観視し、自分を責めずに肯定することから始めましょう。そして、できることから行動に移していくことで、次第に道は拓けてくるはずです。ぜひ本記事でご紹介したポイントを参考にしながら、脱ニートに向けてアクションを起こしてくださいね!
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