製造業の種類や仕事内容まで徹底解説!
2023/11/14 更新
製造業の種類や仕事内容まで徹底解説!
「製造業と言う言葉はよく聞くけれど、具体的にどんな仕事があるの?」「製造業にはいろいろな種類があってよくわからない」、製品を工場で作っている業種という漠然としたイメージはあるものの具体的にはわからない。そのように考えられている方も多いのではないでしょうか。 製造業の定義は広く、直接的に製品を作りだすだけではなく、そこに至るまで沢山の職種や企業、それに携わる人が関わり合って成り立っています。 この記事では、製造業の職種や仕事内容はどんなものなのか、転職を検討しているけどイメージが湧かない方に向けて、製造業についての詳細をご紹介いたします。
そもそも製造業とは何?
製造業とは、分かりやすく言えば何かしらの品物を作る業種のことを指します。
辞書で調べると、「原材料に加工を施して製品を生産する産業。」と記載されています。
自動車やバイク、パソコンやスマートフォン、その中に使用されている各種部品、自動車やバイクを走らせる為のタイヤ、液晶画面、画面を明るくするバックライト、などなど、例えたらキリが無いぐらい、私たちの身の回りにある様々な製品を作りだしている産業が製造業となります。
その製造業について、ここからは少しずつ具体的な内容も絡めながら説明していきます。
日本の産業を支える製造業
日本のGDP=国内総生産(国内で産出された製品やサービスの付加価値の合計)は約530兆円ですが、その中に占める製造業の割合は全体の5分の1、その額は約100兆円の規模となります。
かねてより世界でも有数の「ものづくり大国」として評価されており、先進国の技術革新や、新興国の安価な生産物に対する需要の高まりなど、取り巻く環境は課題を含めて日々変化していますが、今でも日本の経済を支える大きな役割を果たしています。
製造業の仕事内容には何がある?
一言で製造業と言っても、製品を作ることだけが仕事ではありません。正確に言えば製品を作る前段階と作る段階、作った後の段階の3段階に分けられます。
作る前段階の仕事としては、製品の企画や研究などが挙げられます。どんな製品が世の中から好まれるのか?必要とされているか?そのニーズの調査から始まり、そのニーズを満たす為の製品を作ることは技術的に可能なのか?という観点から仕事を進めていきます。
作る段階の仕事は設計や製造の仕事となります。設計とは製品を作るための手順書を作成することを指します。家を建てる際にも設計書が必要であり、製品を作る製造業にも設計書は必要になります。デザイン、搭載する機能、使用する材質、組み立て方、完成品の検査の仕方など、1つの製品を作りだす為の設計は多岐に渡ります。 製造の仕事は、工場で実際に製品を作りだす仕事となります。例えば自動車の場合、簡単には、鉄板からボディを成型し塗装、そのボディにエンジン、ハンドル、シート、タイヤなどを組付け、検査をして完成となりますが、そこに至る為には6,000種、30,000点の部品が必要となり、完成までには多くの人の手が必要になります。 また、その6,000種、30,000点の部品もそれぞれを作る為の企業や工場が存在します。
製品を作った後も重要です。品質管理や実際に製品を売るために営業を行うなどが挙げられます。品質管理は製造した製品が企画をクリアしているか、正常に動作することが求められます。またその結果が次の製品の糧になります。営業はイメージしやすいかと思いますが、TVCMや各種プロモーションを通じた販売促進から、実際に製品を販売したり、受注することが仕事です。
製造業の仕事は多種多様ですので興味のある分野をチェックすることが重要です。
参考までにこちらのサイトも見ておくと良いでしょう。
製造業の平均年収とは?
製造業の代表的な5業種
製造業には多岐にわたる業種があります。その中でも代表的な5業種を紹介します。説明の中で気になった業種があればチェックしてください。
金属関連
金属は身の回りにある、ありとあらゆるものに使われています。コンピューターやスマホ、機械や家具に使うネジなど、さまざまな製品に使われるのでおり、その製品を成立させるうえで欠かすことのできない部材であることが多いです。
製品のベースになる部材であることから、当然、需要も高く、重要な仕事であるのも魅力です。
機器関連
機器とはわかりやすく言うと機械のことを指します。たとえば工場で製品を作るための機械、いわゆる製造装置を作ったり、医療機器やそれに関連する装置を作るのが機器関連です。機器関連は、企業が自社製品を作りだすために、機器関連企業に装置を作ってもらうことになりますので、企業間でのやり取りが多く、大きな金額で契約される傾向があります。いわゆる産業用の機器を製造する仕事になり、この機器が無ければ製品は生み出せないことになりますので、世の中を支える大切な業種の一つです。
電子部品関連
スマホやコンピューターなどが代表例ですが、他にも電卓やカーナビも電子部品の一つです。電子部品は今や私たちの生活になくてはならないものと言っても過言ではありません。近年は冷蔵庫や電子レンジなどもインターネットに繋がり、日常を快適にサポートとする家電も出てきています。
モノのインターネット(IoT)と呼ばれ、近年ではもっとも注目されている技術です。最先端の技術を製造する仕事にいち早く触れる事ができる業種です。
食品関連
食品関連とは、缶詰や冷凍食品、パンやカップラーメンなど食品に関する業種です。人間は食べ物がないと生きていけません。言い換えるのであれば「絶対になくならない仕事」と言っても良いでしょう。今の時代、安定感のある仕事はあまりないので、なくならない仕事を選ぶことも念頭に入れたいところです。
食品は身近なものですが、国家資格が必要となる仕事も存在します。手に職をつけて安定感のある収入を得たいニーズにも応えることができる業種になります。
自動車関連
自動車は言わずと知れた巨大産業の一つであり、多くの家庭が持っている製品です。近年ではAIによる自動運転も進んでおり、ゆくゆくは人間が運転をしなくても良い時代が来る可能性があります。そんな近未来とも思える自動車を製造できるのは興味をそそられるところです。
自動車が好きな方はもちろん、機械の組み立てなどが好きな方は自動車関連の仕事をすることも良いでしょう。
モノづくり大国・日本!
製造業で国を支えよう
日本人は古くからモノづくりが得意です。たとえば戦国時代に外国の火縄銃を参考に日本で作ったところ、外国のモノよりも遥かに性能の高い火縄銃を製造しました。日本人は辛抱強く、手先が器用で探求心を持って仕事をすることからも製造業に向いているとされています。
しかし、近年の日本は製造業に関しては海外から追い抜かれているというのが実情です。さまざまな要因が挙げられますが、「古い体制のままであること」「新しい技術に目を向けていない」「製造コストが海外の方が安い」などがあります。
以前は3K企業と呼ばれることが多かった製造業の工場ですが、近年は改善活動が活発化し、労働者の負担を減らす工夫がされています。まだ「製造業・工場=キツイ・危険」のイメージを持っている方も少なくありませんが、実際に、その作業を行う上で負担の掛かる動作や環境、設備を分析したうえでの作業効率化の推進、給与や待遇の改善にも力を入れており、福利厚生面でも寮の完備や利用しやすい社員食堂、無料の送迎など様々な努力と工夫が盛り込まれています。
また、政府も「ものづくり大国 日本」の復活を目指しデジタル庁を発足。IoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)などの技術を積極的に採用する流れがあることからも今後は要注目です。
製造コストについては海外の方が安いのは事実はありますが、安ければ良いというわけではありません。物流のリスク、値段に見合ったクオリティや安全性というのは日本のモノづくりの強みであり、世界の中でも何よりも優位に立っています。
製造業に携わるなら資格取得がおすすめ
まとめ
製造業の背景から種類や仕事内容について解説しました。製造業とは多種多様であり、顧客や製造する製品も千差万別です。しかし、その分だけ大きな可能性があることもわかっていただけたかと思います。自身が好きなものや興味のある業種がありましたら、ぜひ一度チェックしてください。きっとあなたが気になる仕事が見つかるはずです。