住み込みの仕事のメリット・デメリット、住み込み可能な職種を解説!

2024/10/3 更新
住み込みの仕事とは?
採用してくれた企業や雇用主が用意してくれた寮、社宅、マンション、一軒家などに住みながら職場に通う雇用形態を「住み込みの仕事」と言います。
求人広告を見たときに「寮あり」「住み込み可能」「社宅あり」「マンション完備」「併設住居あり」などと記載されている場合は、基本的に「指定された場所に住んで、そこから職場に通う住み込みの仕事」になります。
働き方が多様化した現在は、住み込みの仕事のメリットを活かして、趣味と仕事を上手に兼業している人や、目標達成のために住み込みの仕事を選択する人も増えていますが、住み込みの仕事に就く人は、例えばこんな人たちです。
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・貯金が目標額に達成するまで、メーカーの工場で住み込みの期間工として働く人
・温泉好きやサウナ好きが高じて、温泉地をめぐりながら住み込みの仕事に就く人
・リゾート地で住み込みの仕事に就くモラトリアムの人やリタイヤした人
・農業の仕事に住み込みで従事して、大自然を満喫したい人
・全国をめぐる旅の途中で、旅費を稼ぐため住み込みの仕事に就く人
・自由な働き方・生き方を実践するため、全国各地の住居費無料の仕事に就く人
・普段は自宅近くのショップでアルバイトとして働き、冬のシーズン限定で、北海道の住み込みのバイトに就いてスキー&スノボーを堪能する人
・学力や経験が乏しいため、能力重視の接客業で住み込みで働く人……など。
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住み込みの仕事のメリット
住み込みの仕事の求人を見ると「家賃無料」と記載されたものがたくさんありますが、家賃無料であればその分を貯金にまわせるので、住み込みの仕事は「しっかり稼ぎたい」という希望をもつ人にぴったりの仕事といえます。さらに、そのほかにも住み込みの仕事にはたくさんのメリットがあります。
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・住み込みの仕事のメリット/住居費を抑えられるので、貯金がしやすい
・住み込みの仕事のメリット/住みたい場所に安く住める
・住み込みの仕事のメリット/住む所を探す手間が省ける
・住み込みの仕事のメリット/休みをしっかりとれる
・住み込みの仕事のメリット/通勤時間が短い、満員電車の乗る必要がない
・住み込みの仕事のメリット/保証人なしで住む場所を確保できる
・住み込みの仕事のメリット/セキュリティが完備された寮なら女性も安心
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住み込みの仕事のデメリット
一方で、住み込みの仕事には下のようなデメリットもあります。
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・住み込みの仕事のデメリット/プライベートと仕事の区分けがしにくい
・住み込みの仕事のデメリット/自分が住みたいエリアに住めないことも多い
・住み込みの仕事のデメリット/住む場所のルールに従う必要がある
・住み込みの仕事のデメリット/職場の人に気遣いが必要になることもある
・住み込みの仕事のデメリット/職場の人から休日に外出や食事に誘われることもある
・住み込みの仕事のデメリット/プライベート重視の人には不向きな面がある
・住み込みの仕事のデメリット/間取りや場所を自由に選べない
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住み込みで働きやすい仕事/製造業
ここからは、住み込みで働ける仕事の代表的なものをあげていきましょう。最初は、工場などで製造ラインの業務に携わる期間工(製造業の現場で一定期間働く契約社員のこと)です。
期間工を採用するメーカーの工場では、多くのケースで住み込み用の寮が完備されていますが、期間工として寮費と光熱費が無料のマンションに入居し、約1年半で200万円超の貯金を実現したというケースもあるなど、雇用期間中は寮で生活して期間工として働く多くの人が高収入を得ています。特に工場などに勤務して、その工場の寮に入居する期間工には、次のような魅力があります。
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【工場の寮に入居する期間工の魅力】
・寮などには家具・家電等が揃えられていて、初期費用がかからない
・基本給や時給が高いことが多い
・入社祝い金、契約期間満了金などのまとまった手当てが支給される
・食事手当の支給や、安価な社員食堂などがあり、食費を節約できる
・雇用期間があらかじめ決まっているので、目標を達成しやすい
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こうした様々なメリットから「バイクや時計など、高価なものが欲しい人」「留学費用を稼ぎたい人」「海外旅行に行きたい人」など、明確な目標に向かって短期間でしっかり貯金をしたい人にぴったりの仕事が、製造業での住み込みの仕事といえるでしょう。
住み込みで働きやすい仕事/福祉・介護職
高齢者施設や福祉施設、介護施設などで働く従業員やスタッフも、住み込みで働いている人が少なくありません。これらの施設の求人募集要項を見ると「未経験者歓迎」「無資格OK」「学歴不問」など未経験者を歓迎する記載が多くありますが、この背景には福祉・介護業界の深刻な人手不足があります。
また、有料老人ホームや養護老人ホームは交通アクセスがあまりよくないエリアにあることが多いことから、募集要項には「住み込み可能」「寮あり」「社宅完備」などの記載も多くあります。ただし、これは地方に限ったことではなく、東京23区内の住み込み可能な介護職・ヘルパーの求人でも、衣食住が整った施設を居住空間として提供するケースも最近は増えています。

住み込みで働きやすい仕事/観光業
次は、観光地のホテル・旅館・リゾート施設などでの住み込みの仕事です。最近はメディアなどでインバウンドやオーバーリズム問題が取り上げられ、海外からの観光客が増加した観光業やリゾート地では、猫の手も借りたいほどの人手不足の状態が続いています。
特にスタッフの確保が難しい地方のホテル・旅館・リゾート施設では、求人条件の多くに「住み込み可能」と記載されています。
また、観光地やリゾート地での住み込みの仕事には、「土産物店のスタッフ」「観光スポットの窓口係」「飲食店のホールスタッフ」「ツアーガイド」「ホテルや旅館のフロント、仲居さん、売店などでの接客業務」「調理スタッフ」「客室清掃など接客をしない裏方業務」「駅とホテルを走行するバスのドライバー」など多種多様な職種があり、働き方も様々です。

住み込みで働きやすい仕事/マンションの管理人
世帯数が多い大規模マンションなどでは、居住者や来客の対応、共用部分の清掃、巡回、各種手続きなどの業務に携わる住み込みの管理人がいることが多く、その場合、マンション内の管理人室に居住スペースを併設していることもあります。
こうした住み込みの管理人は、これまでの場合、定年退職後に新たに採用された60オーバーの夫婦が多い傾向にありましたが、最近はビル管理の専門業者から派遣された30代、40代の夫婦も増えています。
仕事の内容は、共有部分の清掃や管理会社への業務報告など人と接することがない業務がある一方、居住者とコミュニーションをとる業務も多いので、子どもが好きな人、人と話すのが好きな人、細かい業務が苦手ではない人が、住み込みのマンション管理人に向いているといえます。
住み込みで働きやすい仕事/農業・水産・酪農・林業
農業・漁業、林業などの第一次産業も住み込みの仕事が多い傾向にあります。例えば、下のような例があり、これらの求人広告では「単身寮完備」「マンション借り上げ制度あり」「社宅あり」という住み込みを可能とする記載がたくさん見受けられます。
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・農作物の栽培・製造では、特定期間(刈り入れ時など)に多くの人手を要することから、中・短期で住み込みスタッフを募集している自営農家
・子牛の育成や搾乳・哺乳、牛舎掃除などに携わる酪農スタッフを募集する酪農家
・海上作業スタッフや船長見習いなどを募集する自営漁業者
・水産工場での競りスタッフ・販売管理スタッフを住み込み可能の条件で募集する水産業者
・樹木や植木の生産・出荷から、バイオマス発電関連などのスタッフを募集する林業業者
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農業・水産・酪農・林業での雇用形態は正社員と契約社員など様々ですが、単身者の若者から、移住を決意した家族、定年退職を迎えた夫婦などが自然豊かな環境を堪能しながら、住み込みで活躍しています。

住み込みで働きやすい仕事の時給・月給・待遇の特長
住み込みで働く際には、入居する寮、社宅、併設住居などの環境をしっかり理解することが大切ですが、それ以外にも、仕事の内容や職種によって、給与や待遇が異なる点を把握することも重要です。
例えば、住み込みの仕事が時給制であった場合、平均的相場として1200円~1500円/時間が多く、例えば1300円の時給で朝8時〜夕方5年までの8時間(1時間の昼休憩をのぞく)を働いた場合、日当は1万400円になり、22日働いた場合の月給は22万8800円になります。
このように、時給をベースにした月払いの仕事は、月給は20万円から25万円程度が多い傾向にありますが、この月給相場は未経験者を採用した際の金額の目安であり、その仕事に就いて長い期間が経っているベテランになると時給2000円ほども珍しくなく、この場合の月給は(22日勤務として)は35万2000円になります。
住み込みの仕事で特に年収(収入)が高いのが、メーカーの工場で働く期間工です。大手自動車メーカーの工場で期間工として3年間(最長2年11カ月)働いた人のなかには、基本給以外に手厚い手当が支給される点や、安価な社食がある、寮費・水道光熱費が無料など、生活費が必要最低限で済むメリットから、約3年で1000万円以上の貯蓄に成功した人もいます。
さらに最近は、観光業や農業・水産・酪農・林業の多くの事業者が、社会保障を完備するケースも増えていますし、そのほかにも残業手当、皆勤手当、休日出勤手当、経験者手当などを用意するところも増えています。この背景には深刻な人手不足と、せっかく採用した人に長く働いてもらいたいという雇用主の配慮があるようです。
—— 同じ住み込みの仕事といっても職種などによって働き方や待遇に差がありますので、面接の際にわからないことを積極的に質問することが、ミスマッチを防ぐコツになります。何より、住み込みの仕事の最大の魅力は、たくさんの人と新しい出会いがあることともいえるでしょう。実際に、住み込みの仕事先で出会った人と結婚したり、同僚だった人が生涯の友人になった……などのエピソードが豊富な点も、住み込みの仕事の大きな魅力になっているようです。
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