「製造業はやめとけ」って本当?向いている人の特徴や働くメリットを解説!

2025/2/12 更新
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■目次
- 1.そもそも製造業とは?
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・日本における製造業の重要性
- 2.「製造業はやめとけ」と言われる6つの理由
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・やりがいを感じない単純作業が多い
・残業が多い傾向にある
・特別なスキルやキャリアが積みにくい
・生活リズムが不規則になりやすい
・ケガや身体を痛めるリスクがある
・労働環境が厳しい場合もある
- 3.製造業には働くメリット・魅力も多い
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・未経験からでも仕事を始めやすい
・深夜や時間外の手当で基本給がアップ
・昇進・昇給のチャンスが多い
・格安(無料)の寮や社食完備の職場が多い
・人と関わるのが苦手でもOK
・自分に合った仕事・勤務先が見つけやすい
・正社員登用制度がある会社も
- 4.製造業の仕事に向いている人の特徴
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・一人で黙々と作業するのが好きな人
・コツコツと集中して作業できる人
・身体を動かすことが好き・体力に自信がある人
・モノづくりが好き・手先が器用な人
- 5.製造業の仕事選びで後悔しないためには
- 6.まとめ
そもそも製造業とは?
製造業とは、さまざまな原材料や素材を加工・組み立てて製品を生産し、世の中に提供するメーカーや業界全般のこと。扱う製品は、自動車や家電、食品や日用品、パソコンやスマートフォン、医薬品、半導体、金属、化学素材など、メーカーの業種によって多岐にわたり、そこで働く人たちの職種や役割、仕事内容も多種多様です。
日本における製造業の重要性
「モノづくり大国」といわれる日本において、製造業はGDP(国内総生産)の約3割を占める基幹産業です。国内の製造業の従事者数は、2023年9月時点で1027万人となっており、国内の総就業者数(6787万人)の約15%、約6人に1人が製造業で働いていることになります。このように、日本における製造業は、国内経済全体の成長と安定した雇用を支える重要な役割を果たしているのです。
「製造業はやめとけ」と言われる6つの理由
日本のモノづくり産業を支え、多くの人が従事する製造業ですが、仕事系のブログや口コミなどでは「製造業はやめとけ、工場の仕事はきつい」といった声もあるようです。その理由としては、主に以下6つの点が挙げられるでしょう。
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●やりがいを感じない単純作業が多い
●残業が多い傾向にある
●特別なスキルやキャリアが積みにくい
●生活リズムが不規則になりやすい
●ケガや身体を痛めるリスクがある
●労働環境が厳しい場合もある
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やりがいを感じない単純作業が多い

工場の仕事は、ベルトコンベアの流れに沿って単純作業を繰り返すライン作業が中心となります。製造ラインの決められた工程や手順に従って、毎日同じタスクをコツコツと続けていくため、仕事に独創性や新たな刺激を求める人には、やりがいが感じにくいかもしれません。
残業が多い傾向にある

年間のスケジュールに沿って製品を生産する工場では、現場や機器のトラブルなどで稼働が停止すると、その分だけ生産が遅れてしまうため、残業や休日出勤などで遅れを取り戻す必要があります。また、人手不足の工場では、繁忙期にも残業が発生しやすい傾向にあります。
特別なスキルやキャリアが積みにくい

工場の仕事は、決められた製造ラインで行う単純作業や、簡単なマニュアル業務がメインとなります。そのため、担当作業以外の特別なスキルや、将来に向けたキャリアが積みにくく、ほかの業種・職種に転職する際に経験が評価されにくい傾向にあります。
生活リズムが不規則になりやすい

多くの工場が採用する交替制勤務は、休みを挟んで日勤と夜勤を繰り返すため、昼夜が逆転してなかなか寝付けず、睡眠不足や体調不良になる人も多いようです。慣れるまでは体調管理に注意しながら、生活のリズムを崩さないよう心がけることが大切です。
ケガや身体を痛めるリスクがある

工場の仕事では製造に必要な大型機械や危険物を扱うため、安全管理を怠ったり、機械の操作を誤ったりするとり、大きなケガや事故につながる恐れがあります。また、工場のライン作業は基本的に立ち仕事で、メーカーによっては重量物を扱う力仕事もあるため、オフィスでのデスクワークと比べると、足腰を痛めるリスクはどうしても高くなります。
労働環境が厳しい場合もある

ガラス・金属加工など高温の素材を扱う工場では、工場内の温度が40度以上になることもあります。一方、冷凍食品や生鮮品などを扱う工場では、冷蔵庫や冷凍庫内などの低温下で作業しなければいけません。また、ゴムや樹脂などの製造工場では、素材特有の刺激臭があります。
もちろん、どの工場も従業員の健康に配慮した労働環境の整備に努めていますが、極度の高温・低温や化学物質などの臭いに敏感な人は、勤務が難しい場合もありますので注意が必要です。
製造業には働くメリット・魅力も多い
「製造業はやめとけ」といった声がある一方で、実際に現場で長年活躍している人はたくさんいます。なぜなら、製造業の職場には働くメリットも多く存在するからです。以下、製造業で働くメリットや魅力を見ていきましょう。
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●未経験からでも仕事を始めやすい
●深夜や時間外の手当で基本給がアップ
●昇進・昇給のチャンスが多い
●格安(無料)の寮や社食完備の職場が多い
●人と関わるのが苦手でもOK
●自分に合った仕事・勤務先が見つけやすい
●正社員登用制度がある会社も
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未経験からでも仕事を始めやすい

工場の仕事は未経験歓迎の求人も多く、ほとんどの現場で作業マニュアルや指導体制が整備されています。仕事内容もシンプルな単純作業が中心なので、作業のコツをつかんで慣れてくれば、比較的ラクに仕事をこなせるようになります。そのため、工場勤務の経験がなくても仕事を始めやすく、異業種からの転職を考えている人にもチャレンジしやすいでしょう。
深夜や時間外の手当で基本給がアップ

24時間稼働する工場は夜勤のある交替制勤務が多く、深夜時間帯(22時~翌5時まで)の業務には、基本給の25%以上増しとなる「深夜手当」が法的に支給されます。また、工場では繁忙期に残業が発生することがありますが、その際にも基本給の25%以上増しとなる「時間外手当」が法的に支給されます。このように、工場勤務では基本給がアップする夜勤や残業が多い傾向にあるため、その分だけ収入も増えやすいのです。
昇進・昇給のチャンスが多い

工場は生産工程が多岐にわたることから、各工程や部署をまとめる役職が多い傾向にあります。会社によって役職名は異なりますが、工場を統括する工場長をはじめ、部長や課長、室長、班長、チームリーダーなど、工場の規模が大きくなるほど役職者の数も増えます。そのため、現場経験を積むことで昇進のチャンスが多くなり、それにともなって基本給のアップや役職手当が付くこともあります。
格安(無料)の寮や社食完備の職場が多い

多くのメーカーでは遠方からも人材を確保しやすいよう、工場の近くに寮を完備しています。寮は生活家電付きの個室タイプが多く、寮費や水道光熱費も会社が一部負担・全額負担してくれます。また、寮や工場の食堂も格安で利用できるので、家賃や食費などをセーブして、稼いだ分を貯金に回すこともできるでしょう。
人と関わるのが苦手でもOK

工場のライン作業の仕事は、外部の人や顧客と接することがないため、人と関わるのが苦手な人にも働きやすいといえます。職場の人とは仕事上でのコミュニケーションは多少あるものの、担当する作業さえしっかりこなしていれば、周囲とあまり関わらなくても問題はありませんので、職場の人間関係に煩わされることも少ないでしょう。
自分に合った仕事・勤務先が見つけやすい

製造業の仕事は、全国各地のさまざまな業種の工場で、年間を通して多くの求人があります。そのため、自分に合った仕事内容の職場や、地元の仕事が見つけやすいのがメリットです。モノづくりに興味がある人はもちろん、自動車や家電に興味がある人、食べることやコスメが好きな人、料理や細かい作業が得意な人など、自分の興味や得意分野に合った業種の仕事が選べるのも魅力です。
正社員登用制度がある会社も

製造業では正社員登用制度を設けている会社が多く、非正規雇用で入社した従業員(パート・アルバイト・期間工・契約社員など)でも、登用の条件を満たせば正社員になれるチャンスがあります。通常の正社員採用の場合、多くは高卒・大卒などの学歴が応募条件となっていますが、登用制度を利用して正社員になるために学歴は関係なく、実際に中卒でも正社員に登用されるケースが多々あります。
製造業の仕事に向いている人の特徴
「製造業はやめとけ」といった声があるように、どんな仕事にも人によって向き・不向きがあります。では、どんなタイプの人が製造業の仕事に向いているのか、具体的に見ていきましょう。
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●一人で黙々と作業するのが好きな人
●コツコツと集中して作業できる人
●身体を動かすことが好き・体力に自信がある人
●モノづくりが好き・手先が器用な人
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一人で黙々と作業するのが好きな人

一人ひとりが担当業務に集中して取り組むライン作業では、仕事中に周囲の人とコミュニケーションを取る機会はさほど多くありません。そのため、人と関わりながら仕事がしたい人よりも、一人で黙々と作業することが好きな人(苦にならない人)に向いているでしょう。
コツコツと集中して作業できる人

工場のライン作業は、基本的に単純作業の繰り返しとなります。そのため、単調な作業を一つひとつ確実に、コツコツと続ける集中力・持続力が求められます。逆に、根気が続かない飽きっぽい人、新しい刺激や変化を求める人には厳しいかもしれません。
身体を動かすことが好き・体力に自信がある人

工場の仕事の中には、重量物を持ち上げて運んだり、1日中立ちっぱなしで作業をしたりと、身体に負担のかかる力仕事や立ち仕事も多くあります。よって、身体を動かすことが好きで、体力や健康面に自信があれば、工場で働く際の大きな強みとなるでしょう。
モノづくりが好き・手先が器用な人

製造業の工場は、さまざまな工程を経てひとつの製品をつくる「モノづくり」の現場です。自分が手がける製品や工程に興味を持って取り組める、モノづくりが好きな人にはうってつけの仕事といえるでしょう。また、精密機械の組み立てや電子部品の加工など、細かい作業が得意な人に向いている仕事もありますので、プラモデルやDIYなどを趣味にしている人も、手先の器用さが仕事に生かせるはずです。
製造業の仕事選びで後悔しないためには
冒頭でも紹介したように、ひと口に製造業といっても、自動車や機械関連、電子部品や半導体、食品、医薬品、金属・鉄鋼関連、化学関連など、メーカーの業種によって製造する製品分野は多岐にわたります。
各工場で生産される製品類もさまざまですが、そこで働く人の仕事内容も多種多様です。主な仕事としては、「組み立て・加工」「機械オペレーター」「製品検査・検品」「梱包・仕分け」などのライン作業をはじめ、「運搬・ピッキング」「設備保全・保守」「品質管理」などがあり、メーカーの業種や担当工程によって、仕事内容や作業環境、求められる能力も大きく異なります。
たとえば、自動車工場などで重量物を扱う工程の力仕事は、筋力や腕力のある男性であれば、難なくこなせるかもしれませんが、あまり体力に自信がない人や女性には、ややきつい作業となる可能性があります。逆に、力仕事に自信がなくても、精密部品の組み立てや食品加工、検品などの作業では、手先の器用さや注意力などの能力を生かすことができます。
よって、製造業の求人を検討する際には「現場で何を(どんな製品)を扱うか」「具体的にどんな作業をするのか」をしっかりと確認し、自分の適性(体力や能力、興味や得意分野など)にマッチした求人を選ぶことが重要といえるでしょう。
※製造業の業種・職種ごとの特徴や仕事内容について詳しく知りたい方はコチラ!
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まとめ

今回は、製造業がネガティブに言われる理由とともに、製造現場で働くメリットや向いている人の特徴などを解説しました。
たしかに「製造業はやめとけ」という声もありますし、人によっては「やめておいた方がいい仕事」といえるのかもしれません。一方で、向いている人にとっては、製造業の現場は魅力ある職場であり、モノづくりに携わる楽しさや、自分の手で製品を生み出す達成感を得ることができるでしょう。
また、職種によっては未経験からチャレンジできるのも、製造業で働くメリットのひとつです。とくに、工場のライン作業の仕事は、特別なスキルや実務経験がなくても従事しやすく、未経験からスタートした人も多く活躍しています。モノづくりや製造業の仕事に興味のある方はもちろん、新しい仕事に挑戦したい・転職したいと考えている方も、仕事選びの選択肢のひとつとして、工場ワークを検討してみてはいかがでしょうか。
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