学歴・職歴不問/高収入の仕事と、就活を有利にする7つの方策

2023/8/2 更新
低学歴でも、高収入を得ている人は
たくさんいる
「中学卒業」「高校中退」「高校卒業」を最終学歴とする人が就職活動にのぞむとき、「自分は学歴がないから大手や人気企業には採用されない」という思い込みによって、最初からエントリーすることなくあきらめてしまっていることがあります。
「学歴」というフィルター越しに人を判断して採用活動を行う前時代的な企業も、少数ながらいまだに存在しますが、社会や価値観の多様化に伴い、“パーソナル”や“゜独創性”が尊重される現代では、学歴は参考となる条件のひとつであり、その人のやる気や可能性に“重き”に置く企業も増えてきています。

低学歴をもろともせず、見事に内定や採用を勝ち取った人たちのなかには、大卒以上の年収を稼いでいる人や、資格や免許を取得して1000万円超の年収を稼いでいる人もたくさんいます。高収入かつ、やりがいのある仕事に就くには、戦略的に業種や職種を絞り、効率的に就職活動を行うことが重要なポイントになりますが、実際に、どのような業種や職種に絞っていけばよいのかも気になりますよね。
ここからは「学歴・職歴を問わない」「高収入を得ている」「イキイキと働いている人が多い」という6ジャンルの仕事をご紹介しましょう。
学歴を問わず、受験資格に広く門戸が開いている公務員
大卒クラスの学歴がないと公務員になれない……と考えるのは誤りです。「学歴不問」を条件にした地方公務員の募集ジャンルは多岐にわたり、雇用条件も正社員、派遣社員、業務委託、アルバイトとさまざまです。実際の募集広告のなかからジャンルと雇用形態、収入をピックアップしてみたところ……
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【学歴不問を条件にした公務員募集の一例】
・農林水産省での貿易・通関業務 正社員 月給25万円〜 ・官公庁での問い合わせ窓口業務 正社員 月給25万円〜 ・官公庁でのスタートアップ支援業務 正社員 月給35万円〜 ・官公庁専用乗用車のドライバー 業務委託 日給1万円〜 ・国立研究法人でのコンピュータ業務 派遣 時給4500円〜 ・官公庁でのマイナサポート窓口業務 派遣 時給1300円〜 ・官公庁での事務・データ入力業務 派遣 時給2000円〜 ・官公庁での国際部門での海外窓口業務 派遣 時給1800円〜
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需要の急拡大に伴い、
慢性的な人手不足にあるIT業界

需要が急拡大し、慢性的な人手不足にあるシステム開発やWeb業界では、大手・中小を問わない多数のWeb関連企業でSE、プログラマ、Webデザイナー、Webエンジニアなどの人材募集が行われています。
多くの場合、募集要項で学歴や職歴を問うケースは少なく、なかには専任指導員や先輩がゼロから教育してくれる環境を整え、未経験者を正社員として採用する企業も増えています。
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【学歴不問を条件にした、システム開発やWeb業界での正社員募集の一例】
・Web系ソフトウェア開発業務 正社員 年収300万円〜 600万円 ・システム開発のプロジェクトメンバー 正社員 年収300万円〜 600万円 ・物流システムの開発業務 正社員 年収400万円〜 600万円 ・システム開発・運用・エンジニア 正社員 年収360万円〜 600万円 ・業務系システム開発 正社員 年収300万円〜 700万円 ・大規模案件の柔流工程業務 正社員 年収600万円〜 900万円
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個人顧客向けの営業職やルート営業で、
大幅な年収アップも
最近は着物・不用品・バイク・貴金属等の買取営業や、不動産のメンテナンス営業、外資系医療メーカーの企画提案営業など、営業職の仕事内容やジャンルも大きな変化を遂げていて、古くからある「飛び込み営業」とは異なる顧客向けのルート営業などが増えています。
成績がよければその人の裁量によって時間を自由に使えることから、出産・育児のために一度仕事をリタイヤした女性の活躍フィールドとしても注目を浴びている営業職ですが、なかには未経験者として採用された後に正社員になった人や、前職と比較して年収が50〜80%アップした人など、職歴・学歴に関係なく高収入を得る可能性が高い仕事としても注目が集っています。
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【学歴不問を条件にした、営業職募集の一例】
・外資系医療メーカーの企画営業 正社員 月給40万円〜 ・住宅工事のルート営業 正社員 月給25万円〜 ・不動産管理・メンテナンス営業 正社員 月給28万円〜 ・個人宅のリフォーム提案営業 正社員 月給 40万円〜130万円 ・貴金属や着物の買取営業 業務委託 月給50万円〜200万円 ・水のセールスドライバー 業務委託 日給2万円〜 3万円(週1日から可)
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体力に自信がある人や安定的に
働きたい人におすすめの建設業
活況の建設業界は慢性的な人材不足にあり、職歴・学歴はもちろん未経験者歓迎の小規模工務店、大手ゼネコンも増えています。未経験者の場合はOJT(On the Job Training/仕事をしながら指導を受け、スキル、知識を身につけていく方法)によって仕事を覚えていきますが、なかには社員の80%以上が中途採用者というケースも。
建設業界で働くことにはたくさんの魅力がありますが、住宅、オフィスビル、橋梁、高速道路など、自分が取り組んだ仕事が地図に残るほか、安定的に仕事がある、腰を据えて長期間働ける、ものづくりの醍醐味を感じられる……といったやりがいに加え、他業種と比較して給与が高い点が最大の魅力といえるでしょう。
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【学歴不問を条件にした、建設業での人材募集の一例】
・従業員20名ほどのハウスメーカー 正社員 年例収500万円(35歳) ・音楽関連産業施設の施工管理 正社員 年収例520万円(35歳) ・大手ゼネコンの橋梁架設工事 正社員 年収例1050万円(40歳) ・個人宅のリフォーム提案営業 正社員 月給 40万円〜130万円 ・ビル・マンションの改修工事 正社員 年収例700万円(入社3年目) ・大手ゼネコンのバックオフィス総合職 正社員 月給例28万円〜30万円
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社会的ニーズが急増しているセキュリティ・警備職
道路工事の現場で交通を誘導するスタッフ、外務省の警備職員、大型ショッピングモールや立体駐車場、行政施設などの警備員、空港での手荷物検査員など、セキュリティ・警備職が活躍する領域は広範で、セキュリティを強化する個人住宅やオフィスが増えていることからも、業界関連企業では学歴はもちろん年齢、性別、職歴などを問わず、人材を募集するケースが多くなっています。
社会的要請が強いセキュリティ・警備職の仕事の魅力はたくさんありますが、最大の魅力は年間の仕事量に大きな変動がなく、安定収入が得られる点にあるといえるでしょう。
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【学歴不問を条件にした、セキュリティ・警備職の人材募集の一例】
・官公庁での警備・セキュリティスタッフ 契約社員 月給28.5万円〜32.7万円 ・ATMセキュリティスタッフ 契約社員 月給24.3万円〜 ・商業施設での警備スタッフ アルバイト 日給2万円〜 ・オフィスビルの施設警備スタッフ アルバイト 日給9200円〜2万2000円 ・タワーマンションのセキュリティスタッフ 契約社員 日給1万2200円〜
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専門の免許証があれば、安定的に稼げるドライバー職
Amazonや楽天市場等のECモールや、メーカー直売サイトなどの物販系EC市場では、家電、AV機器、PC周辺機器等が売上全体を押し上げ、その市場規模は12兆2400億円に達しています。
物流市場の急成長によって宅配ドライバーを悩ます「再配達」や、宅配ドライバーの不足状態が社会問題になりましたが、「物流ドライバー」といってもその裾野は広く、世の中にはさまざまなドライバーが活躍しています。いずれのジャンルでも人手不足の状態にあり、学歴・職歴を問わず、若手ドライバーを歓迎・育成する企業が増えています。
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【学歴不問を条件にした、ドライバーの人材募集の一例】
・コンビニの配送業務ドライバー 正社員 月給28万円〜32万円 ・家電配送・設備ドライバー 正社員 月給28万円〜40万円 ・大型トラックドライバー 正社員 月給45万円〜60万円 ・観光用タクシードライバー 正社員 月給32万円〜60万円 ・観光バスドライバー 契約社員 月給35万円〜40万円
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低学歴というコンプレックスを
克服する7つの方策
ここまで、学歴・職歴不問、未経験者歓迎、高収入の6ジャンルの仕事をご紹介してきましたが、「低学歴」にコンプレックスを抱いている人は、なかなかそのコンプレックスから脱却できないのも事実でしょう。
もし、低学歴が就職活動におけるピンチであれば、ピンチをチャンスに変える逆転の発想で、高学歴の人に負けない“自分の強み”を明確化することが大切で、イキイキとやりがいをもって働くことを目標にすえ、その目標を実現するために次のポイントを参考に就職活動を行ってみましょう。
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【方策1】 最初から意気込みすぎると、小さなことにも一喜一憂してしまうため、「ダメ元でいいや」と肩の力を抜き、とにかくエントリー企業数を増やす 【方策2】 特技や優位性など、他の人に負けない“自分の強み”を整理しておく 【方策3】 エピソードや具体的数値を交えた説得性の高い「志望理由」を用意する 【方策4】 合説や就職説明会では、顔と名前を覚えてもらえるよう積極アピールする 【方策5】 リクルーターの人と接触する機会を作り、「社員になれたら○○を行って、 会社に貢献したいと考えている」と思いや夢を伝える 【方策6】 極端かつ押しの強いアピールはマイナスにとられる可能性もあるため、 タイミングを図る、相手の邪魔にならないなど、空気を読むことを大切にする 【方策7】 面接では【3】の「志望理由」を担当者に伝え、他の志望者との差別化を図る
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資格や免許を事前に取得し、
武器を携えておけばより安心
今回は学歴不問の人材を募集しているさまざまな業界を取り上げましたが、より高い収入、よりよい待遇を得たいと考えている人は、業種や職種をある程度絞り込んだら、その仕事に就く前にどんな準備をしておけばよいかを考えてみましょう。
例えば、Web業界でエンジニアとして働くのであれば、汎用プログラミング言語の「C言語」、システム開発の領域で働くのあれば「データベーススペシャリスト試験」や「基本情報技術者試験」の資格を取得しておけばスムーズに業務に就く可能性が高まりますし、建設業で働くのであれば「施工管理技士」の資格が役立つはずです。
これらの資格やスキルは「かんばりたい」「会社に貢献したい」という前向きな意思を示す強い武器になることでしょう。
災害や病気などのやむを得ない事情によって大学進学をあきらめざるを得なかった人はたくさんいますが、そうした人たちの事情に耳を傾け、人間性や思い、可能性を汲み取ってくれる人もたくさんいます。何より、就職活動を妨害する最大の敵は、“最初からあきらめてしまう後ろ向きの心”にあると考え、あきらめず、前向きに、目標実現に向かってがんばってくださいね。