派遣社員が有給休暇を取得するための条件や申請方法、注意点を詳しく解説!

2025/1/21 更新
- ■目次
派遣社員も有給休暇を取得できる

有給休暇(年次有給休暇)とは、「使用者(雇用主・企業)から有給で付与される休暇日」のこと。2019年の労働基準法改正により、「年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対して、年5日の有給休暇を取得させること」が義務づけられました。
有給休暇は雇用形態に関係なく、法律で認められた労働者の権利です。「派遣社員も有給が取れるの? 正社員と比べると取得しづらいのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、派遣社員であっても正社員と同じように、本人の希望によって取得することができます。ただし、有給休暇を取得するためには、一定の就業条件を満たす必要があるため、事前にしっかりと確認しておくことが重要です。
派遣社員の有給休暇の取得条件・付与日数
では、派遣社員が有給休暇を取得するためには、どのような条件を満たす必要があるのでしょうか。以下、派遣社員の有給取得の条件と取得できる日数について解説します。
派遣社員の有給休暇の取得条件は?
派遣社員の有給休暇は、雇用契約を結んだ(派遣登録した)派遣元企業から付与されますが、雇用されてすぐに取得の権利が発生するわけではありません。派遣社員が有給休暇を取得するための法的な条件としては、以下の2点が挙げられます。
《1》同一の派遣元企業で、6ヵ月以上継続して勤務していること
《2》その期間(6ヵ月の勤務継続中)に全労働日の8割以上出勤していること
上記のように、有給休暇の取得には《1》と《2》の両方の条件をクリアする必要があります。よって、派遣で働き始めて6ヵ月以上経過しても、出勤日数が8割に満たない場合は、有給取得の権利が発生しないため注意が必要です。
派遣社員の有給休暇の付与日数は?

派遣社員を含め、労働者に付与される有給休暇の日数は、継続勤務年数(日数)によって異なります。たとえば、週5日のフルタイムで働く場合、継続勤務年数が長くなるほど付与日数が多くなりますが、1年間に付与される上限は20日となっています(下記図表の(1)参照)。
また、派遣社員の場合は、1週間の労働日数が4日以下になることもあるでしょう。そうした働き方のケースでも、継続勤務年数(日数)と1週間の所定労働日数(1年間の所定労働日数)が減るごとに、付与される日数が少なくなっていきます(下記図表の(2)参照)。

派遣社員の有給休暇のルールと注意点
次に、派遣社員の有給休暇に関して、押さえておきたいルールと注意点について解説します。
有給休暇には“有効期限”がある

一定の就業条件を満たせば付与される有給休暇ですが、じつは付与された日から2年が過ぎると、時効で消滅してしまうので注意が必要です。つまり、取得の権利が発生してから2年以内に有給休暇を取らないと、付与される日数がすべてムダになってしまうので、有効期限が来る前に計画的に消化するようにしましょう。
派遣先が変わった場合、有給休暇の扱いは?

派遣社員の有給休暇は、雇用契約を結んだ派遣元企業から付与されます。そのため、勤務先となる派遣先企業が変わっても、原則として有給休暇は消滅しません。雇用主となる派遣元企業を辞めなければ、有給休暇の取得条件は引き継がれますので、以前の派遣先で取得条件を満たしていれば、新たな派遣先企業で働き始めた場合でも、着任1ヵ月目から有給休暇を取得することが可能です。
次の派遣先が決まるまでブランクがある場合は?

ただし、派遣先企業との契約が満了し、次の派遣先が決まるまで1ヵ月以上のブランク(空白期間)が生じた場合は注意が必要です。派遣元企業によっては、1ヵ月以上のブランクがあると継続勤務が途切れたと見なされ、有給休暇が消滅してしまう場合があるからです。こうした空白期間などの扱いに関するルールは、派遣元企業によって異なるため、事前にきちんと確認しておくようにしましょう。
派遣社員が有給休暇を申請する際のポイント
ここからは、派遣社員の有給休暇の申請方法や、取得する際のポイント・注意点について解説します。
派遣元・派遣先の有給ルールを確認して申請する

派遣社員が有給を取得する際には、有給休暇を付与する雇用主の派遣元企業に申請します。ただし、派遣元や派遣先企業によっては、有給取得や申請のルールを独自に設けている場合がありますので、不明な点があれば申請する前に確認しておきしましょう。
有給休暇は何日前までに申請すればいい?

有給休暇を直前(前日など)に申請すると、派遣先の従業員や現場がすぐに対応できず、業務に大きな支障をきたしてしまうことになります。申請のタイミングについては、「●日前まで」と規定を設けている企業もありますが、規定がない場合でも、できるだけ早いタイミング(1~2週間前まで)で申請するようにしましょう。
派遣先の上司や職場のメンバーにも伝える

派遣社員が有給休暇を取得する際には、派遣先の上司や職場のメンバーにも、その旨を早めに伝えておきましょう。また、有給取得後に出社した際、休暇中に仕事を代わってもらったお礼の言葉を伝えるのも、社会人としてのマナーです。
周囲に迷惑をかけないよう配慮することも大切

有給休暇は雇用形態に関係なく与えられる権利ですから、本来であれば、有給を取ることに遠慮する必要はありません。しかし、繁忙期などに何日も有給を取って休んでしまうと、派遣先に迷惑をかける恐れがあります。有給休暇を取得したいときは、事前に派遣元・派遣先の双方に休んでも大丈夫かどうか確認し、自分が休んだことで周囲に迷惑がかからないよう配慮することも大切です。
まとめ 元気で働くために有給休暇を上手に活用しよう!

ご紹介したように、派遣社員でも勤務期間などの就業条件を満たせば、本人の希望で有給休暇を取得することが可能です。もちろん、周囲に迷惑をかけないよう配慮することが大切ですが、有給を取ることに後ろめたさを感じる必要はありません。
有給休暇は働く人に与えられた当然の権利であり、その制度には「労働者の心身の疲労を回復させ、労働力の維持培養を図る」という目的があります。心と体の健康を保ちながら日々イキイキと働くためにも、有給休暇の仕組みをしっかり理解して上手に活用してくださいね!
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