自動車業界の今後の展望から仕事内容までご解説!
2022/1/7 更新
就職・転職先として自動車業界に注目されている方は多いでしょう。こちらでは自動車業界の市場規模や構造、今後の動向について解説します。自動車業界の職種や求人についても合わせてご紹介するので、就職・転職の際の参考にしてください。
自動車業界とは?
自動車業界とは、自動車・トラック・バス・バイクなどの完成車を扱う自動車メーカー、部品・素材メーカー、自動車販売会社などを指します。車は部品だけでも何万点も使用している複雑な構造であり、ブランド別の販売網などもあります。関連会社・子会社・孫会社を含めると、関わる企業は非常に広範囲です。
自動車業界の市場規模
業界動向サーチによると、自動車業界の市場規模は69.6兆円となっており、金融や総合商社に次いで業界全体で3位です。また、日本自動車工業会によると、自動車関連就業者数は542万人であり、日本の全就業人口の8.1%となっています。このような数値を見ても、自動車業界は日本を代表する基幹産業といえるでしょう。
自動車業界の構造
自動車業界は日本の経済を支える基幹産業であり、海外からも高い評価を得ています。自動車業界の基盤となる業態は、素材メーカー、部品メーカー、自動車メーカー、ディーラーと呼ばれる自動車販売会社の4つです。それぞれどのような事業を担っているのかについて詳しく解説します。
素材メーカー
自動車は非常に多くの素材を使用しています。例えば、車体などに使われる普通鋼はドアやボンネットなどの車体をはじめ、様々な部品にも使われる重要な素材です。そのほか、エンジンを冷却するためのラジエーターなどの銅、タイヤホイールのアルミニウムなど、さまざまな素材が使われています。金属だけではなく、ガラス、プラスチック、ゴム、塗料なども必要であり、それぞれの専門メーカーが取り扱っています。既存の素材を製造する一方で、各メーカーは新素材の開発にも余念がありません。車体の軽量化や強度の向上を目指し、各社がしのぎを削って開発を進めています。
部品メーカー
素材メーカーから各素材を仕入れ、部品を作るのが部品メーカーです。自動車1台を作るのには、小さなネジまで含めると約2~3万点以上の部品が使われているといわれています。代表的な部品は、駆動系部品、電装部品、内装部品などです。それぞれに専門メーカーが存在します。
部品メーカーは階層構造になっているのが特徴です。自動車メーカーと直接取引をしている部品メーカーをティア1(Tier1)、ティア1メーカーに部品を供給する部品メーカーをティア2(Tier2)と呼んでいます。以前は各部品メーカーが特定の自動車メーカーと取引していましたが、最近では複数の自動車メーカーに部品を納める企業が増えており、グローバルに展開する企業も珍しくありません。
自動車メーカー
新車の開発・設計を行い、素材メーカーや部品メーカーから部品を仕入れ、完成車に組み立てるのが自動車メーカーです。自動車メーカーで完成した車は自動車販売会社に卸売りすることで収益を上げます。
自動車販売会社
自動車メーカーで完成した車を販売し、アフターサービスまで行うのが自動車販売会社です。ディーラーとも呼ばれる自動車販売会社の多くは、自動車メーカーの直営となっています。仕入台数や売上目標が自動車メーカーから指示されていることもあり、自動車メーカーと自動車販売会社の結びつきは切っても切れないものといえるでしょう。
特定の自動車メーカーの系列に、複数のメーカーの車を販売する個人ディーラーもあります。また、中古車では前から行われていたインターネット販売が近年では新車でも行われるようになるなど、販売方法の変化についても注目されています。
自動車業界の今後
自動車業界は日本を代表する基幹産業のひとつですが、人口の減少、若者の車離れ、AIによる自動運転の実用化などの問題から100年に一度の変革期を迎えているといわれています。自動車業界で生き残っていくためには変革期を上手く乗り切るのが課題です。自動車業界の変化に対応するための大きなカギが「CASE」といわれています。
CASEとは、「Connected(コネクテッド)」、「Autonomous(自動運転)」、「Shared(シェアリング)」、「Electric(電動化)」の4つの用語の頭文字を取った言葉です。
コネクテッドとは、自動車に通信システムを搭載し、インターネットを繋ぐことを意味します。コネクテッドによって自動車がloT化し、さまざまなサービスの提供が受けられるようになります。ユーザーにとって、より便利になるでしょう。
自動運転は、運転手の操作ミスや不注意によるミスを防止する役割があるだけではなく、渋滞の緩和効果も期待されています。また、環境問題の対応策として注目されているのがシェアリングやEV(電気自動車)を促進する電動化です。100年に一度の変革期を乗り越えるには、CASEの4つをどのように組み合わせるのかなど、新たな発想が求められています。
自動車業界の職種
自動車関連産業の就業人口は542万人に達するともいわれています。CASEなどの課題もありますが、自動車業界は日本を代表する基幹産業のひとつとして、まだまだ発展を遂げるでしょう。そこで、就職・転職を検討される方のために自動車業界の主な仕事内容についてご紹介します。
企画・開発
企画・開発部門は消費者やメーカーがどのような商品を求めているのかを考え、新しいものを生み出すきっかけを作る仕事です。既存の商品の改善や新製品を開発を目指します。消費者が求める理想の車を実現する、自分が企画・開発した車を走らせることができるなど、魅力的な職種であるといえるでしょう。
事務・技術
事務・技術部門は自動車業界に関わらず、どの業界にも欠かせない部門です。人事・総務・経営企画・経理など事務関連部門は他業種からの転職もしやすいでしょう。技術部門は、自動車そのものや自動車の素材・部品における新しい技術の研究や生産開発などを行うので、役割は多岐にわたります。役割によって必要なスキルや専門知識が必要です。
生産ライン関連
生産ライン関連部門は、安定した品質の製品を需要や注文に応じて過不足なく生産する部門です。一般的に製造部門と生産管理部門に分けられます。製造部門は、複雑な制御装置やパーツを組み立てて完成車として仕上げる部門です。生産管理部門は生産企画・生産ラインのチェック・生産ラインの設計・量産開発・品質管理など、製造部門に指示する役割を担っています。
自動車業界の求人について
日本の自動車メーカーは海外からの評価が高く、国産メーカーの大半は世界市場でも大きなシェアを獲得しています。経済的にも技術的にも日本のトップを牽引する存在の自動車業界に就職・転職したいという方は多いでしょう。
しかし、自動車業界にはさまざまなメーカーや職種があることがわかりました。業務請負、人材派遣、人材紹介等の総合人材サービスを行っている日総工産株式会社では、豊富なこだわり条件から条件に合った求人がすぐに見つかります。就職・転職を検討されている方は是非ご活用ください。
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まとめ
自動車業界は人口減少や自動運転の実用化などの問題から100年に一度の変革期を迎えています。しかし、海外からの評価が高く、日本の経済を支える基幹産業であることに変わりはありません。自動車業界には、素材・部品メーカーをはじめ、自動車メーカー、自動車販売会社などさまざまな業種が存在し、それぞれにたくさんの部門があります。
就職・転職の際は総合人材サービスなどを利用し、自分の能力や経験を活かせる求人を効率的に探しましょう。