パン工場の工場はきつい?具体的な仕事内容や働く魅力・注意点をチェック!

2023/12/15 更新
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■目次
- ●パン工場の仕事内容について
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・未経験から働けるパン工場
・パン工場の具体的な仕事内容 - ●パン工場の衛生管理対策・就業ルールについて
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・パン工場(食品工場)の基本的な衛生管理対策
・パン工場(食品工場)の身だしなみに関する禁止事項 - ●パン工場の雇用・勤務形態や時給相場は?
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・パン工場の雇用形態
・パン工場の勤務形態・勤務スケジュール
・パン工場の時給相場
- ●パン工場の仕事がきついと言われる理由は?
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・同じ姿勢を続ける立ち仕事がしんどい
・ライン作業の流れに追いつけない
・単純作業の繰り返しがきつい
・作業環境が暑すぎる・寒すぎる
- ●パン工場で働くメリットや魅力は?
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・未経験でも働きやすい
・人と関わらず黙々と作業できる
・自社のパンを格安・無料でゲットできる
・女性スタッフが多く活躍している
- ●パン工場の仕事に向いているのはどんな人?
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単純作業の繰り返しが苦にならない人
1人で黙々と仕事をするのが好きな人
パンが好き・パン製造に興味がある人 - ●まとめ
パン工場の仕事内容について
未経験から働けるパン工場

パン工場では、スーパーやコンビニなどで販売されている菓子パン・惣菜パン・食パン・フランスパンなど、さまざまな種類のパンを製造しています。パンの製造には専門的な知識や技術が必要と思うかもしれませんが、パン工場の仕事は街のベーカリーとは異なり、製造ラインに沿った単純作業(ライン作業)がメインです。基本的に特別なスキルや資格がなくても従事できるため、年齢や性別を問わず、未経験から始めた人も多く活躍しています。
また、大手食品メーカーのパン工場では、ケーキやお菓子などを同時に製造しているところもあります。そうした工場では、クリスマスやバレンタイン用のケーキ・スイーツなど、季節商品の製造時期に合わせて求人が増える傾向にあります。
パン工場の具体的な仕事内容

多くのパン工場では、仕込み・成型・商品チェック・包装・仕分けなど、製造工程ごとに部署やラインが分かれており、配属される部署やラインによって作るパンや作業内容が異なります。以下、各工程の具体的な作業内容を見ていきましょう。
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《仕込み》
パン製造の第一工程となる仕込みの作業は、基本的にベルトコンベアに沿ったライン作業ではなく、パン生地や具材などの製造補助がメインとなります。大型の機械に小麦粉や水、バターなどの素材を入れてパン生地を作ったり、パンのトッピングや包む具材を下準備(洗浄・カット・加工など)したりします。
また、部署によっては重量物(小麦粉の袋など)を運ぶ作業もあるため、どちらかというと力仕事に向いている男性が配属されやすい傾向にあります。
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《成型》
パン工場の未経験者や初心者は、まず成型ラインに配属されることが多いようです。ベルトコンベアで流れてきたパンに生地に、ケチャップやバターなどを塗ったり、クリームや具材などをトッピングしたりします。なかには、ベルトコンベアで縦向きに流れてくるパン生地を横向きに変える、パンやお菓子のベーキングカップ(ギザギザのカップ)を1枚ずつベルトコンベアに乗せる、といった簡単な作業もあります。
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《商品チェック》
ベルトコンベアで流れてくる焼き上がったパンに、焼きムラや型崩れ、トッピング不良などがないかを目視でチェックし、規格から外れた商品があれば取り除きます。
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《包装・仕分け》
ベルトコンベアで流れてくるチェック済みのパンを、機械を使って包装したり、包装されたパンを仕分けてラックに詰めたりします。
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パン工場の衛生管理対策・就業ルールについて
パン工場で働く際にまず知っておきたいのは、衛生面の管理が非常に厳しいということです。消費者が口にする食品を扱う工場ですから、従業員一人ひとりがその責任をしっかりと自覚し、徹底した衛生対策を行った上で仕事に臨むことが求められます。
こうしたことから、パン工場を含む食品工場では、食中毒や商品への異物混入を防ぐために、以下のような衛生管理対策や、身だしなみに関する就業ルール(禁止事項)が設けられています。
パン工場(食品工場)の基本的な衛生管理対策

まず、作業場に入る前に手を洗い、作業着(白衣やクリーンスーツなど)と帽子、ヘアネット、作業靴、マスクを着用します。次に、作業着や作業靴の裏に付着した毛髪やゴミなどを粘着シートで取り除きます。身支度が済んだら、石鹸とブラシで念入りに手を洗って消毒し、衛生手袋を着用(着用した手袋も消毒)。さらに、作業場に入室する際には、入口に設置されたエアーシャワーを全身に浴びて、作業着に付着しているホコリや毛髪を徹底して取り除きます。
このように、作業準備をするだけでも相当の手間を要するため、はじめは時間がかかって面倒と感じるかもしれません。ただ、これらの対策は仕事をする上でマストとなりますので、慣れるまでは早めに出勤して、一つひとつの手順を確認しながら確実に行えるようにしましょう。
パン工場(食品工場)の身だしなみに関する禁止事項

もちろん、身だしなみに関する禁止事項も必ず守らなければいけません。まず、商品への異物混入を防ぐため、つけまつげ・ネイル(長い爪やマニキュア、パーツ)や、アクセサリー類の着用はすべて禁止されています。また、商品への匂い移りを防ぐため、メイクや香水も禁止されていることがほとんどです。
長髪や男性のヒゲに関してはOKな工場もありますが、極端に長い髪やヒゲは、衛生面の観点から避けた方がいいでしょう。工場によってはNGになる場合もありますので、職場ごとの細かいルールについては事前にしっかり確認しておくことが重要です。
パン工場の仕事内容について
パン工場の雇用形態
パン工場の雇用形態はアルバイト・パートの求人が多い傾向にあり、短期や期間限定で募集がかかる求人も多くあります。また、レギュラーで勤務する正社員や派遣社員などの求人もあり、入社後にある程度の経験を積むことで、現場の監督職(班長・主任・リーダーなど)にキャリアアップできる可能性もあります。
パン工場の勤務形態・勤務スケジュール
24時間稼働しているパン工場では、勤務形態も日勤・夜勤の交代制でシフト分けされているところが多くなっています。工場によって勤務時間やシフトの組み方は異なりますが、一般的な日勤・夜勤のスケジュールは以下のようになります。
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《一般的な日勤スケジュール》
8時(出勤)⇒ 8時30分~(朝礼・業務確認・衛生チェック・作業準備)⇒ 9時~(業務開始)⇒ 12時~(昼食・休憩)⇒ 13時~(衛生チェック・作業準備後に業務開始)⇒ 17時(退社)
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《一般的な夜勤スケジュール》 20時(出勤)⇒ 20時30分~(夜礼・業務確認・衛生チェック・作業準備)⇒ 21時~(業務開始)⇒ 24時~(軽食・休憩)⇒ 翌1時~(衛生チェック・作業準備後に業務開始)⇒ 翌5時(退社)
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また、アルバイトやパート勤務の場合、日勤のみ・夜勤のみのシフトや、1日4~5時間・週2~3日程度のシフトなど、希望する時間帯や勤務日数を選んで働ける職場もあります。ただし、生産状況や時期によっては、シフトに多少の調整が入る可能性もあります。
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パン工場の時給相場

パン工場のアルバイト・パート・派遣社員の時給は、勤務先やエリア・募集時期によって異なりますが、平均すると1000~1300円程度が相場となっています。製パン・製菓専門学校を卒業している場合は、平均時給よりも100円前後高い時給でスタートするパン工場もあります。
また、22時~翌5時までの深夜勤務は、基本給(日勤の時給)の25%以上増しとなる深夜手当が支給されますので、夜勤を中心としたシフトで働けば高収入を目指すことも可能です。
パン工場の仕事がきついと言われる理由は?
パン工場の仕事は「キツイ・大変」という声も多いようですが、その理由としては主に以下のような点が挙げられます。
同じ姿勢を続ける立ち仕事がしんどい

パン工場のライン作業では、長時間立ったまま下を向いて手元を動かす作業を続けるため、足腰の疲れやむくみ、首や肩のコリなどが生じやすくなります。対策としては、作業中に意識して姿勢を変える、足踏みやつま先立ちをする、着圧ソックスなどを着用する、休憩時間にストレッチやマッサージをするなど、身体への負荷や疲労を溜めないよう注意する必要があります。
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ライン作業の流れに追いつけない

工場のライン作業では、何よりもスピードと正確さが求められます。とくにパン工場の場合は、パンやトッピングの形状・量などにバラツキがあるとNGとなるため、見た目のキレイさや均一感、作業の丁寧さも求められます。慣れてくればテキパキとこなせるようになりますが、はじめはラインの流れに作業が追いつかず、焦りやプレッシャーを感じる人も少なくないようです。
工場のライン作業を徹底解説!向いている人やメリットも紹介!
単純作業の繰り返しがきつい
工場のライン作業は、基本的に単純作業の繰り返しです。 ベルトコンベアで流れてくるパンに対して、ひたすら同じ作業を続けていると、次第に飽きて集中力が散漫になり、思わぬミスをしてしまうこともあるようです。すぐに覚えられる簡単な作業でも、それを黙々とこなす集中力・持続力が求められるので、人によってはキツイと感じるかもしれません。
作業環境が暑すぎる・寒すぎる
パンやお菓子を焼くオーブンの近くはかなり暑く、現場によっては40度以上になることもあります。また、長袖・長ズボンの作業着、帽子、マスクなどで全身が覆われるため、身体に熱がこもって暑いと感じる人も多いようです。
一方で、ケーキやお菓子を成型・包装する作業場は、商品管理に適した低めの室温(一般的に20度以下)に保たれているため、真冬の時期や冷え性・寒さが苦手な人にとっては、ややつらい環境かもしれません。

工場のライン作業では、何よりもスピードと正確さが求められます。とくにパン工場の場合は、パンやトッピングの形状・量などにバラツキがあるとNGとなるため、見た目のキレイさや均一感、作業の丁寧さも求められます。慣れてくればテキパキとこなせるようになりますが、はじめはラインの流れに作業が追いつかず、焦りやプレッシャーを感じる人も少なくないようです。
パン工場で働くメリットや魅力は?
先述したように、パン工場の仕事にはきつい部分や大変なこともありますが、人によって仕事の向き・不向きはそれぞれです。ここでは、パン工場で働くメリットや魅力、うれしい特典などを紹介します。
未経験でも働きやすい

パン工場の仕事は単純なライン作業が中心で、特別なスキルや資格が必要ないため、未経験でも安心して仕事が始められます。作業する人は基本的に一つの行程を担当し、行程ごとにマニュアルも用意されていますので、一度覚えてしまえば比較的ラクに仕事をこなせるようになります。
人と関わらず黙々と作業できる
パン工場のライン作業では、一人ひとりがスピード感をもって、自分の担当する作業を次々とこなしていきます。そのため、作業中は周囲のスタッフと関わることが少なく、接客や電話対応などもありませんので、人との会話やコミュニケーションが苦手な人、1人で黙々と作業したい人にも好適です。
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自社のパンを格安・無料でゲットできる

メーカーによっては、自社のパンを従業員に格安で販売する工場や、規格外品(訳あり品)のパンを無料で提供する工場もあります。とくに、パン・製菓工場は商品の外観規格が厳しく、焼き色や形に難のある規格外品が出ることが多いので、パン好き・お菓子好きの人には狙い目かもしれません。そのほかにも、新商品のパンが試食できたり、社員食堂で自社のパンが食べ放題になったりと、パン工場ならではのうれしい特典がいろいろあります。
女性スタッフが多く活躍している

パン工場は、他の業種の工場と比べて女性の割合が比較的多いのが特徴です。仕込みの工程では重量物を扱う作業もありますが、成型工程などのライン作業は力仕事が少なく、どちらかというと速く丁寧な作業が求められるため、女性も活躍しやすい職場といえるでしょう。
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パン工場の仕事に向いているのはどんな人?
では最後に、パン工場の仕事にはどのような人が適しているのか、その特徴を見ていきましょう。向いている人の傾向としては、仕事のきつい部分が苦にならない、逆にメリットにもなるというタイプです。
単純作業の繰り返しが苦にならない人
パン工場の仕事は、単純作業をコツコツとこなす集中力と持続力が求められます。単調な作業に飽きて気が散ると、集中力が途切れて作業遅れやミスが生じやすくなるため、単純作業の繰り返しが苦にならない人に適しています。
1人で黙々と仕事をするのが好きな人

パン工場では各人が自分の担当する作業に集中しますので、仕事中は周囲の人との会話もほとんどありません。よって、スタッフ同士でコミュニケーションを取りながらチームワークで仕事をするより、1人で黙々と作業を進めたい人に向いているでしょう。
パンが好き・パン製造に興味がある人

スーパーやコンビニで売られているパンがどうやって作られているのかは、普段なかなか知る機会がないため、パンが好きな人にとって、その製造に携わる仕事はとても興味深いのではないでしょうか。大量のパン生地がラインに乗って次々と運ばれ、いくつもの工程を経て完成していく様子は、見ているだけでもワクワクするに違いありません。
また、近所のスーパーやコンビニに自分が関わった商品が並んでいたり、購入している人を見かけたりすると、仕事のやりがいや喜び、モチベーションアップにもつながるでしょう。
食品工場の仕事とは?働く魅力や給料は?
まとめ
今回は、パン工場の仕事がきついと言われる理由とともに、その仕事内容や職場環境、働くメリット、注意点などをご紹介しました。
確かにパン工場の仕事はきついという声もありますが、どんな仕事でも大変な部分はありますし、人によって向き・不向きもあります。作業が単調というデメリットも、単純作業を黙々とこなすのが得意な人にはメリットになりますし、仕事のちょっとしたコツやポイントを押さえることで、解決できることも少なくありません。
本記事を読んでパン工場の仕事に興味をもった方や、自分に合っている&メリットがあると感じた方は、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょう。もちろん、パンが好きな方もチャレンジする価値は大ですよ!