製造業の特徴や製造業に向いている人とは?
2023/11/13 更新
製造業で働いてみたいと考えたとき、どのような仕事内容で他の業種と何が違うのか気になる人は多いでしょう。そもそも自分に製造業が合っているのかどうか、平均年収は他の業種と比べてどのくらいあるのかなども気になります。そこで、製造業の仕事内容や特徴、製造業に向いている人や平均年収について解説します。製造業への就職・転職を検討する際の参考にしてください。
製造業の仕事内容
製造業とは、原料や部品を使って加工・組立した製品を販売する業種です。サービス業と違って製品として形があるものを提供しています。製品は、紙やプラスチックなどの工業製品の素になる原料から、食品・衣類・生活用品などの生活必需品まで種類は多岐にわたります。製造業の仕事内容は商品によって異なる部分もありますが、一定の質を保った製品を製造するという目的は同じです。基本的な作業内容は以下のとおりです。
・鍛造
金属を融解し固めて部品などを製造する仕事
・旋盤
金属を加工する仕事
・研磨
製造された部品を磨く仕事
・組立
部品の組立・加工を行う仕事
・塗装
製品に色を塗って仕上げる仕事
・クレーン
クレーン機を操作して物を運ぶ仕事
・検査
製品をチェックする仕事
・梱包
製品を箱などに詰める仕事
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製造業仕事の特徴
ここでは製造業の仕事の特徴や体制、製造業ならではの魅力についてご紹介します。
全工程を考え業務を行う必要もある
製造業は製品を出荷するまでにさまざまな工程を経る業種です。製品を作るのに、企画・開発をして材料を仕入れ、原料や部品から製品を作り出荷するという工程がありますが、どの工程でもミスが許されません。ひとつのミスが、その後の作業へ影響するからです。製造業では全工程を考えながら、その後の工程に影響が出ないかを考えながら作業する力や判断力が求められます。
未経験でも活躍できる
製造業は細かなミスがその後の工程に影響するため、品質管理や生産管理の徹底を行っています。基本的には製造工程の抜けやミスを防ぐためのマニュアルがあるので、未経験者でも戦力になれるのが特徴です。経験を重ねれば、知識を活かした企画や営業などの異動も可能になるでしょう。
柔軟性のある勤務時間
製造業はミスを防ぐため、体力的にも精神的にも負担の掛からない職場環境を心掛けています。しっかり働きしっかり休むという環境が整っているので、勤務時間や休みなどのバランスが徹底しているのが特徴です。24時間稼働している工場などは勤務が交代制になっています。夜間勤務の場合は深夜手当が支給されるなど、時間帯によっては給料アップも期待できるでしょう。
製造業に向いている人とは?
製造業への転職・就職を検討している人の中には、自分は製造業に向いているのかわからないという人も多いでしょう。ここでは製造業に向いている人の特徴についてご紹介します。自分の性格や行動に近いかどうかを是非チェックしてみてください。
集中力がある人
例えば製造ラインで作業する担当となった場合は、次々と流れてくる製品の一つひとつに注意を払わなければなりません。ちょっと話をして気が逸れたり、集中力が欠けて欠陥を見逃すと不適合品を出してしまいます。作業に集中できないと思わぬ事故や怪我をすることがあるので注意が必要です。また、時間内に完成させなければならない製品数が決まっていることが多いので、マイペースな人や時間にルーズな人は向いていません。製造業には決められた時間内に作業を完成させられる集中力が求められます。
仕事をコツコツ行うことができる人
仕事に集中力が求められるため、私語をせずコツコツと割り当てられた作業を行う必要があります。基本的には毎日同じ製品を作るので、決められた仕事を同じようにやり遂げられる人材が必要です。例えば、検査の作業などは製品の整合性が取れているか、きちんと動作するかなどの確認をひとつずつ行わなければなりません。一つひとつのチェックが面倒だと感じる人は向いていないでしょう。また、毎日の仕事に変化ややりがいを求める人や、おしゃべりが好きな人も向いているとはいえません。地味に思える作業でも黙々と続けられる人や同じ作業の繰り返しが苦にならない人は製造業に向いています。
几帳面な人
几帳面な人とは細かなことに注意が届き、ミスが少なく、丁寧な仕事ができる人です。いつもと違うちょっとした変化に気がつく人やミスに気づく人は製造業に向いているでしょう。現在関わっている工程の製品を雑に扱えば、製品としての仕上がりにも影響します。先を見据え、一つひとつの製品を大切に扱う気持ちも大切です。
製造業はひとりで作業するイメージが強いかもしれませんがチームで行う仕事もあります。仕事内容によっては、協調性やチームワークを求められることがあるので、コミュニケーション上手な人は製造業に向いているといえるでしょう。過酷さや危険が多い作業では、周囲に気を配れる人や声かけできる人が重宝されます。
単純作業が苦にならない人
仕事をコツコツ行うことができる人にも共通しますが、製造業は基本的には毎日同じ作業が繰り返される傾向があります。ライン作業のような仕事の担当になると、毎日同じ立ち位置で同じ作業を繰り返すので、人によっては苦痛やストレスを感じることがあるでしょう。一方、営業や接客など人と対応する仕事は常に変化を求められます。物を売るという同じ仕事であっても、売る人によって話し方や売り方を変えなければならないからです。変化を求められるのが苦手な人や一定作業の繰り返しが苦にならない人は製造業に向いています。
製造業の平均年収とは?
厚生労働省がまとめた資料「令和2年賃金構造基本統計調査の概況」によると、製造業の平均の年収は約32万円(年収384万円)です。全体の平均収入は月収で30万円(年収360万円)なので、製造業は平均より高めの年収であることがわかります。宿泊業・飲食サービス業は約28万円(年収336万円)、生活関連サービス業・娯楽業は約30万円(年収360万円)なので、製造業の年収は特別低いわけではありません。
しかし、製造業の年収は取り扱う製品によっても異なるので注意が必要です。例えば、医療機器や医薬品などの製造業は比較的年収が安定していますが、食料品の製造業は賞味期限によるロスが生じやすいために年収が低めです。また、輸送用機械器具などの製造業は比較的年収が高めですが、景気変動を受けやすいという特徴があります。
また、同じ製造業でも作業内容によって年収が異なることがある点も見逃せません。例えば、作業の中で特別な技能を有する人には技能手当や資格手当が、危険な場所で作業する人には特殊作業手当などがつきます。24時間体制の工場などで勤務する場合は、同じ作業をしていても休日出勤手当や深夜労働手当などで年収に差が生じやすくなります。
就職や転職で製造業を考えている場合は、取り扱う製品や仕事内容の違いについても注目してみましょう。仕事に慣れて経験を積み、生産管理者などのマネジメントを担当すると平均年収はさらにアップが見込めます。
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未経験でも活躍できる製造業にチャレンジ!
就職・転職時には過去の経験が活かされますが、逆に経験がないと新たな業種へのチャレンジは難しいといっても過言ではありません。しかし、製造業は比較的未経験者に対する間口が広く、マニュアルの徹底や柔軟性のある勤務時間なのでチャレンジしやすい業種といえます。製造業の種類は多いので、一度製造業に就けば製造業間での転職も有利になります。製造業では働きながら資格取得ができる企業もあるので、日々の仕事に取り組みながら資格取得で収入アップを目指すのも良いでしょう。まずは一歩踏み出すことが大切です。未経験者だからといって躊躇せず、積極的に就職・転職に臨みましょう。
まとめ
製造業の仕事内容や特長、製造業に向いている人についてご紹介しました。集中力がある、几帳面など、ほかの人に負けない強みがあれば製造業に向いています。他業種に比べても年収が高めで、業種や勤務時間によっては高収入が期待できます。未経験者でも採用される確立が高いので、就職・転職を考えている人は、積極的にチャレンジしてみましょう。