Uターン・Iターン・Jターンで就職・転職するメリットや注意点について

2024/2/14 更新
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■目次
- 1.そもそもUターン・Iターン・Jターンとは?
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・生まれ育った場所へ戻るUターン
・生まれ育った都市部から地方に移住するIターン
・生まれ育った土地の近くに移住するJターン
- 2.Uターン・Iターン・Jターンのメリット
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・自治体のサポートが受けられる場合もある
・通勤や日常生活のストレスが軽くなる
・居住環境が豊かで経済的な負担も少ない
・子育てがしやすい
- 3.Uターン・Iターン・Jターンのデメリット
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・収入が減る可能性がある
・病院や学校、商業・文化施設などが少ない
・自家用車がないと生活しづらい
・地域に馴染めない可能性がある
- 4.Uターン・Iターン・Jターンで後悔しないために
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・就職先・転職先を決めてから移り住む
・移住セミナーや相談会に参加してみる
・仕事体験・移住体験ツアーに参加してみる
・寮付きの短期就業で働きながら住んでみる
- 5.Uターン・Iターン・Jターンで就職・転職するなら工場勤務もおすすめ!
1.そもそもUターン・Iターン・Jターンとは?
仕事への価値観や働き方が多様化する近年、地方へ移住して就職・転職しようと考える人が増えています。とくに、コロナ禍でリモートワークを導入する企業が増え、場所に縛られない働き方が一般化したことも、地方移住を後押しする要因となっているようです。
都会から地方へ移住する主なパターンとしては、移住の動線を示す「Uターン型」「Iターン型」「Jターン型」の3つが挙げられます。以下、それぞれの特徴や違いについて見ていきましょう。
生まれ育った場所へ戻るUターン
Uターンとは、進学や就職を機に都会へ移り住んだ人が、再び生まれ育った地域に戻ることを指します。たとえば、大学進学のために上京し、そのまま東京で就職した人が、実家に戻って地元の会社に転職する、といったパターンが該当します。
生まれ育った地域の自然環境、慣れ親しんだ地元のライフスタイル、親と近い距離での生活などを重視する人が、Uターン移住するケースが多いようです。
生まれ育った都市部から地方に移住するIターン

Iターンとは、主に都市部で生まれ育った人が、地方の新たな可能性や魅力に惹かれて移り住むことを指します。たとえば、東京で生まれ育った人が、島での生活に憧れて沖縄の会社に就職・転職する、といったパターンが該当します。
都会の方が利便性に優れていたとしても、子育てに適した自然豊かな環境や、起業・仕事をする上で有利となる資源・環境を求めて、地方に移住するケースが増えています。
生まれ育った土地の近くに移住するJターン

Jターンとは、生まれ育った地域から、進学・就職を機に都会へ移り住んだ後、生まれ育った地域に近い地方都市(県内や近隣の主要都市など)に移り住むことを指します。たとえば、宮城県の山間部で生まれ育った人が、進学のために上京してそのまま就職した後、宮城県仙台市(県庁所在地)に移り住んで転職する、といったパターンが該当します。
ほどよい地元感とともに、生まれ育った地域にはない利便性と、都会にはない自然環境を併せ持つ「故郷に近い地方都市」へ移住するJターンは、若い世代を中心に人気の移住スタイルとなっています。
引っ越しが先か、仕事探しが先か、移住と転職をスムーズに進めるコツ
2.Uターン・Iターン・Jターンのメリット
では、都会から地方へ移住して働くことに、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、Uターン・Iターン・Jターンの利点や魅力を紹介します。
自治体のサポートが受けられる場合もある
少子高齢化や人口減少が進行する地方では、地域活性化を図るために移住者を歓迎する自治体が増えています。移住者を対象にした支援制度を設けている自治体も多く、就業サポートやマイホームの資金援助などを行っている自治体もあります(下記参照)。具体的な支援内容は自治体によって異なるため、U・I・Jターンを検討する際には、移住先の自治体のサイトを確認してみましょう。
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《自治体の移住支援制度の一例》
●地元企業と連携した仕事紹介などの就職支援、起業支援
●地元企業に就職した人や、地元で起業した人に移住支援金を支給
●住宅購入・リフォームにかかる費用の補助や家賃補助
●空き家の紹介や家賃無料・格安での提供
●小学生以下の子どもがいる世帯への引っ越し代補助、子育て支援
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通勤や日常生活のストレスが軽くなる

都会では満員電車に揺られ、1時間以上かけて通勤している人も少なくありません。一方、地方では自動車通勤の人が多く、通勤時間も都市部より短い傾向にあります。
独立行政法人労働政策研究・研修機構が発表した「UIJターンの促進・支援と地方の活性化─若年期の地域移動に関する調査結果―」では、Uターンで通勤の負担が「減った」と回答した人は全体の48.7%となり、「増えた」の25.0%、「変わらない」の33.3%を大きく上回りました。また、出身県でのUターン者の平均片道通勤時間は76.7%が30分以内と、多くの人の通勤時間が都会より短いことがわかります。
また、都会より人や混雑が少なく、自然豊かな環境の中で暮らせるため、日常生活でのストレスが減って精神的なゆとりも生まれやすくなるでしょう。
※参考資料/独立行政法人労働政策研究・研修機構「UIJターンの促進・支援と地方の活性化─若年期の地域移動に関する調査結果―」
152.pdf (jil.go.jp)
居住環境が豊かで経済的な負担も少ない

全国賃貸管理ビジネス協会が実施した2023年4月の「全国家賃動向調査」によると、全国の賃貸住宅の総平均賃料(1ヵ月)は5万5092円。最も高いのが東京都で7万2677円、最も低いのが鳥取県で4万4129円となっています。また、人口の多い都市を抱える宮城県・愛知県・兵庫県・福岡県の総平均賃料は約5万4000~5万8000円で、東京都と比較すると2万円近く低いことがわかります。
よって、東京都からU・I・Jターンすることで、固定費の大半を占める家賃が抑えやすくなり、同じ金額でもより広い住宅に住めるなど、住環境や経済的な面で大きなメリットがあるといえるでしょう。
※参考資料/全国賃貸管理ビジネス協会「全国家賃動向調査」
全国賃貸管理ビジネス協会| 2023 4月 (pbn.jp)
子育てがしやすい

地方は、都会に比べて保育園の待機児童が少ない自治体が多いため、共働きでも子育てがしやすい環境にあるといえます。また、地方は自然豊かな地域が多く、のびのびとした環境で子育てができるのもメリットです。さらに、実家や実家の近くに移り住むU・Jターンであれば、親や親戚に子育てのサポートをしてもらえることもあるでしょう。
3.Uターン・Iターン・Jターンのデメリット
さまざまなメリットや魅力のあるUターン・Iターン・Jターンですが、デメリットになりうる面もあります。地方への移住を検討する際には、プラス面ばかりでなく、マイナス要素も理解した上で判断することが重要です。
収入が減る可能性がある

厚生労働省の賃金構造基本統計調査(令和4年)における都道府県別の賃金をみると、全国平均(30万6200円/月)よりも賃金が高かったのは、5都府県(東京都、神奈川県、愛知県、大阪府、兵庫県)のみという結果になっています。
したがって、以上の5都府県からU・I・Jターンで転職する場合は、転職前より収入が低くなる可能性があります。もちろん、収入が減るかどうかは、転職前後の職種・業種・企業などによっても異なりますが、U・I・Jターンで転職を検討する際は、収入が減る可能性を考慮しておく必要があるでしょう。
※参考資料/厚生労働省 賃金構造基本統計調査(令和4年)都道府県別の賃金
10.pdf (mhlw.go.jp)
病院や学校、商業・文化施設などが少ない

住む地域によって異なりますが、地方は都市部より病院や学校、商業施設や文化施設などが少なく、自宅からも遠いというケースが多いようです。そのため、通院や通学、日々の買い物や娯楽など、生活する上で不便・不満を感じることがあるかもしれません。
自家用車がないと生活しづらい

さらに、電車やバスなどの公共交通機関が発達している都会と比べ、地方は移動手段が少ないのもデメリットのひとつです。地方によっては車がないとスーパーやコンビニ、駅や病院に行きにくいなど、日常生活に支障が出る可能性もあります。
また、車を所有するとなると、駐車場代やガソリン代、車検、保険、税金などの維持費もかかるため、それらを踏まえて家計をしっかりシミュレーションすることが大切です。
地域に馴染めない可能性がある

地方には地域ごとに独自の風土や特色があり、これに馴染めないと快適な生活が送れない可能性があります。とくにIターンやJターンでは、馴染みのない新天地に移り住むことになるため、事前に生活環境や土地柄などをリサーチしておくことをおすすめします。
また、人口の少ない地方は地域のコミュニティが狭く、周囲との人間関係も濃くなる傾向にあります。都会より人情や人とのつながりを感じられる一方で、人によっては周囲との密な関わりが煩わしいと感じるかもしれません。
4.Uターン・Iターン・Jターンで後悔しないために
地方へU・I・Jターンしたことを後悔しないためにも、事前の情報収集や下準備は念入りにしたいものです。ここでは、U・I・Jターン先で仕事を探す際の注意点や、情報収集に役立つ支援サービスを紹介します。
就職先・転職先を決めてから移り住む

都市部より企業数が少ない地方は求人件数も少なく、U・I・Jターン先で希望する仕事がなかなか見つからない可能性があります。また、移住してから仕事探しを始めると、早く仕事を決めようと気持ちが焦って、ミスマッチな仕事を選んでしまうかもしれません。よって、移住してから仕事を探すのではなく、事前に移住したい自治体の就業サービスや、全国の求人を扱うエージェントなどを通して仕事を探し、就職先・転職先が決まってから移り住むのがベストです。
移住セミナーや相談会に参加してみる

認定NPO法人「ふるさと回帰センター」では、移住先探しや移住に関する相談のほか、移住マッチングフェアやセミナーなどのイベントも定期的に開催し、全国各地の移住情報がワンストップで入手できます(下記サイト参照)。また、各自治体でも担当窓口での個別相談や移住セミナーなどを実施していますので、気になる地域があればぜひ参加してみましょう。
仕事体験・移住体験ツアーに参加してみる

移住者の受け入れに力を入れている自治体では、移住後の生活をリアルに体感できる、さまざまな体験ツアーを実施しています。たとえば、地元企業と連携した仕事体験、農作物の収穫体験、古民家での移住体験、格安家賃での短期~長期の滞在体験などが挙げられます。体験ツアーは各自治体のサイトから申し込めますので、ぜひチェックしてみてください。
寮付きの短期就業で働きながら住んでみる

移住先の生活環境を確かめるなら、寮付きの短期就業で働きながら住んでみる方法もあります。たとえば、期間限定で働く工場の期間工なら、工場近くに格安(無料の場合も)の寮が用意されていますので、住む場所を探す手間や家賃の負担も少なくて済みます。希望する地域に求人があるとは限りませんが、実際に住んで・働きながら日常生活を送ることで、その地域の新しい魅力が発見できるかもしれません。
5.Uターン・Iターン・Jターンで就職・転職するなら工場勤務もおすすめ!

広大な敷地が確保しやすい地方部には、大手メーカーの工場が数多く点在し、経験不問の求人も多い傾向にあります。そのため、工場勤務なら地方でも比較的就業しやすく、未経験からスタートできるのも魅力。また、多くのメーカーは工場近くに寮を完備しているため、家賃の負担が軽減できるなどのメリットもあります。
これからU・I・Jターンで就職・転職しようと考えている方は、ぜひ工場勤務の仕事も検討してみてはいかがでしょうか。
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