中卒でもできる仕事8選!仕事探しのポイントや就職に役立つ資格も紹介

2025/4/2 更新
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■目次
- 1.中卒は正社員に就職できる?データから見た現状
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・国内における中卒者の割合
・中卒者の正社員の割合
・中学・高校新卒者の求人状況
・中卒者の平均収入
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2.中卒から正社員を目指す際のポイント
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・人手不足の業界・業種を狙う
・学歴より実力主義の職種・企業を選ぶ
・正社員登用制度を利用する
・紹介予定派遣で働く
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3.中卒者が就職・活躍しやすい8職種を紹介
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・営業職
・工場の製造スタッフ
・介護職
・販売職
・建設現場の作業スタッフ
・ITエンジニア・プログラマー
・運送業ドライバー ・接客スタッフ -
4.中卒者におすすめの資格・技能
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・調理師(国家資格)
・旅行業務取扱管理者(国家資格)
・宅地建物取引士(国家資格)
・フォークリフト資格(国家資格)
・ITパスポート(国家資格)
・介護職員初任者研修(民間資格)
・マイクロソフトオフィススペシャリスト(民間資格) -
5.中卒者の仕事探しに役立つ就活支援サービス
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・ハローワークを利用するメリット
・就職・転職エージェントを利用するメリット
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6.まとめ 中卒でも活躍できる仕事はたくさんある!
中卒は正社員に就職できる?データから見た現状
中卒者が就職・転職を検討する際、「中卒ができる正社員の仕事は見つかるのか」「中卒でも採用してくれる会社はあるのか」と、学歴に不安を感じる人も多いのではないでしょうか。
まずは、中卒者の割合や正社員率、求人状況、平均収入はどれくらいなのか、さまざまな調査データから見ていきましょう。
国内における中卒者の割合
国勢調査の最新版となる2020年のデータによると、15歳以上の人口に占める中卒の割合は約14%、高卒は約45%、短大・高専卒は約23%、大学・大学院卒は約17%となっています。ちなみに1970年の国勢調査のデータでは、小・中卒者の割合が約55%と半数以上を占めており、社会全体から見た中卒者の割合は、ここ50年で大きく減少したことがわかります。
※参考資料/総務省統計局「令和2年国勢調査」調査の結果
統計局ホームページ/令和2年国勢調査/調査の結果
中卒者の正社員の割合

厚生労働省「若年者雇用実態調査(平成30年)」のデータで、若年労働者(15~34歳)全体に占める正社員の割合を学歴別に見ると、以下の通りとなっています。
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●中卒者の正社員の割合……35.4%
●高卒者の正社員の割合……56.3%
●短大・高専卒者の正社員の割合……66.2%
●大卒者の正社員の割合……80.9%
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このように、中卒者のうち正社員として働いている人は3割程度となっています。つまり、正社員以外の約7割の中卒者は、派遣社員や契約社員、アルバイトやパートなど、非正規雇用で働いていることになります。
また、ほかの学歴と比べて中卒の正社員率が低いのは、正社員の求人で学歴を条件(高卒以上・大卒以上など)とする企業が多く、中卒で応募できる求人数が少ないことが一因と考えられます。
※参考資料/厚生労働省「若年者雇用実態調査(平成30年:中卒者の最新データ)
平成30年若年者雇用実態調査結果の概況
中学・高校新卒者の求人状況

厚生労働省の「令和6年度 高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職・就職内定状況」を見てみると、中学・高校新卒者の求人状況は以下の通りとなっています。
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●中学新卒者……求人数1081件、求職者数388人、求人倍率2.79倍
●高校新卒者……求人数44万3980件、求職者数12万7074人、求人倍率3.79倍
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上記のデータは、学校やハローワークからの職業紹介を希望した生徒が対象となっていますが、中学新卒者に対する求人数は、高校新卒者と比べて40万件以上少ないことがわかります。中学新卒の求職者(就職希望者)が非常に少ないという事情はあるものの、検討できる求人数が極めて少ないことから、中学新卒では仕事の選択肢がかなり限られてしまう可能性があります。
中卒者の平均収入

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査(平成18年)」によると、学歴別の平均年収は以下の通りとなっています。これを見ると、収入においても学歴が高くなるほど多くなり、中卒と大卒では平均年収に約130万円もの開きが見られます。
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●中卒の平均年収……約272万円
●高卒の平均年収……約304万円
●短大・高専卒の平均年収……約324万円
●大卒の平均年収……約405万円
※男女平均の月額賃金に12ヵ月をかけた数値で算出)
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※参考資料/厚生労働省「賃金構造基本統計調査(平成18年:中卒者の最新データ)」
厚生労働省:平成18年賃金構造基本統計調査(全国)結果の概況 学歴別にみた賃金
中卒から正社員を目指す際のポイント
上記のデータが示すように、中卒者は社会全体から見ると少数派であるため、企業からマイナスなイメージを持たれやすく、応募できる求人も少ないのが現状です。また、応募できても雇用形態や仕事内容が限られていたり、高収入の職種に就きにくかったりする傾向があります。
しかし、学歴を問わずに求職者を歓迎する企業もありますし、中卒が活躍しやすい業種や職種を選ぶことで、正社員への就職や収入アップを実現することは十分可能です。以下、中卒者が正社員就職を目指す際のポイントや有効な方法を紹介します。
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●人手不足の業界・業種を狙う
●学歴より実力主義の職種・企業を選ぶ
●正社員登用制度を利用する
●紹介予定派遣で働く
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人手不足の業界・業種を狙う

人手不足の業界・業種は求人件数が多く、応募の条件や就業のハードルも低い傾向にあります。たとえば、製造業や建設業、運輸業、介護業、サービス業(飲食・販売)などは、慢性的に人手が不足しており、仕事への意気込みや適性が認められれば、中卒の未経験者でも比較的スムーズに採用される可能性があります。
学歴より実力主義の職種・企業を選ぶ

中卒の就職・転職においては、学歴を問わずに収入を上げられる職種や、実力主義の企業を選ぶのがコツです。たとえば、目標達成に応じてインセンティブ(報奨金)が支給される職種(営業など)であれば、本人の努力次第で高収入を狙うことができます。
また、中途採用では学歴より即戦力を求める傾向が強まるため、前職で培ったスキルに自信があれば、給与水準の高い企業の中途採用に挑戦するのもいいでしょう。
正社員登用制度を利用する

現在、非正規雇用(パート・アルバイト、派遣・契約社員など)で働いている人は、勤務先の企業に正社員登用制度があるか確認してみましょう。正社員登録制度のある企業であれば、一定の条件(勤務期間、勤務態度、登用試験合格など)を満たすと、非正規雇用から正社員になれるチャンスがあります。
通常の正社員採用の場合、多くは高卒・大卒などの学歴が応募条件となっていますが、正社員登用制度は学歴に関係なく利用でき、実際に中卒でも正社員に登用されるケースが多くあります。ただし、企業によっては年齢条件(20代まで、35歳以下など)がある場合もありますので、正社員登用を目指すなら早めにアクションを起こしましょう。
紹介予定派遣で働く

そのほか、中卒から正社員になる方法としておすすめなのが「紹介予定派遣」という働き方です。紹介予定派遣とは、一定の派遣契約期間が満了した後、直接雇用に切り替えることを前提とした働き方です。派遣期間中に直接雇用契約を結ぶかどうかを本人と派遣先企業が検討し、双方の同意が得られれば、そのまま正社員として働くことができます(はじめは契約社員や準社員の場合もあり)。
中卒者が就職・活躍しやすい8職種を紹介
では、ここまで見てきた内容をもとに、中卒でも就職・活躍しやすい8職種を紹介しましょう。自分の希望や適性とあわせて、仕事選びの参考にしてみてください。
営業職

営業職は経験・学歴を問わない求人が多く、売上や実績で評価されることが多いため、実力次第で昇給・昇格が目指せるでしょう。営業成績に応じたインセンティブ(報奨金)を設けている企業も多いので、成果に応じて高収入を得ることが可能です。コミュニケーション能力や提案力があり、結果を出すことにやりがいを感じられる人であれば、どんな業界でも活躍できるチャンスがあります。
工場の作業スタッフ

工場に勤務する作業スタッフは、学歴や経験を問わない大手メーカーの求人が多く、実際に未経験からスタートした中卒者も多く活躍しています。製造現場で経験を積みながら、作業の効率化や正確さを追求できるようになれば、正社員登用やキャリアアップ&収入アップも目指せるでしょう。モノづくりに興味のある人はもちろん、ひとつの作業に集中して取り組める人や手先が器用な人にもおすすめの職種です。
介護職

老人ホームやデイサービスなどで働く介護職も、学歴や経験を問わない求人が多く、未経験の中卒者でも採用されやすい傾向にあります。高齢者を直接介護する業務には資格が必要ですが、介護士に付いて業務をサポートする介護助手であれば、資格がなくても働くことができます。高齢者の話し相手や食事の配膳、清掃、洗濯などのサポート業務に携わりながら、介護現場のノウハウを身に付け、介護系の資格取得を目指すことも可能です。
販売職

人手不足の傾向にある販売職も、学歴・経験不問の求人が多く、中卒でも活躍できる職種のひとつです。仕事内容は、来店した顧客への対応や商品提案、店舗のディスプレイ、商品管理など多岐にわたり、店長になるとスタッフの教育や売上管理なども任されるようになります。基本的に顧客と接する仕事なので、コミュニケーション能力があり、人と会話することが好きな人に向いているでしょう。
運送業ドライバー

学歴不問の求人が多い運送業のドライバーも、多くの中卒者が活躍している職種です。人手不足が慢性化している運送業界は、人材確保のために給与水準を高く設定している企業が多く、学歴に関係なく稼げるのが魅力です。ただし、車両重量・積載量によっては中型・大型免許が必須となり、荷物の積み下ろしや長時間の運転には、ある程度の体力と集中力が求められます。
建設現場の作業スタッフ

建設現場の仕事は学歴を問わず多くの求人があり、無資格・未経験でも採用されやすいのが魅力です。働きながら現場経験を積み、施工管理技士などの資格を取得すれば、キャリアアップや収入アップも目指せるでしょう。ただし、建設現場は肉体労働が多いうえ、危険とも隣り合わせの仕事なので、人並み以上の体力や注意力か求められます。
ITエンジニア・プログラマー

ここ近年ニーズが高まっているIT職も、学歴に関係なく稼ぎやすい職種です。仕事に就くためには専門的な知識が必要と思われがちですが、多くの人材を必要とするIT業界は未経験歓迎の求人が意外に多く、入社後にスキルを習得して活躍している人も少なくありません。新しい技術を学ぶ意欲のある人なら、経験を積みながらエンジニアとしてのスキルを磨き、より好条件・高収入での転職や独立も目指せるでしょう。
接客スタッフ

ホテルや飲食店などの接客スタッフも学歴不問の求人が多く、中卒者も就職しやすい職種のひとつです。基本的に接客業務が中心となるため、コミュニケーション能力はもちろん、きめ細やかなサービスを提供する“おもてなしの精神”がある人に向いています。現場で経験を積めば、マネージャーや店長、本部の幹部職などにキャリアアップできる可能性もあるでしょう。
中卒者におすすめの資格・技能
中卒者が仕事に生かせる資格を取得することで、学歴のハンデをカバーして就職活動を有利に進めることができます。また、就職後も身につけた知識やスキルを生かしながら、キャリアアップや収入アップも期待できるでしょう。以下、学歴を問わずに受験・取得できる、中卒者におすすめの資格・技能を紹介します。
調理師(国家資格)

調理師の資格(調理師免許)は、調理師の専門学校を卒業すれば取得できますが、学校へ通わずに取得するためには、調理師の国家試験に合格する必要があります。調理師試験を受験するためには、飲食店などで2年以上の実務経験を積むことが条件となりますが、働きながら受験資格を得て合格すれば、将来的に自分の店をオープンする道も開けます。
旅行業務取扱管理者(国家資格)

旅行業務取扱管理者は、旅行業界で働く際に有利となる国家資格です。資格には、国内旅行を扱う「国内旅行業務取扱管理者」、海外旅行を扱う「総合旅行業務取扱管理者」、限定地域の旅行商品を扱う「地域限定旅行業務取扱管理者」の3種類があります。資格を持っていると、旅行会社や航空会社、鉄道・バス会社、ホテル業界、ブライダル業界など、さまざまな業種で活躍できます。
宅地建物取引士(国家資格)

宅地建物取引士(宅建)は、土地・建物の売買や賃貸物件の契約を結ぶ際、契約内容に関する重要事項を顧客に説明することができる国家資格です。資格を持っていると、不動産価格を評価する際にも重宝されるので、不動産業界はもちろん、建築・金融・保険など幅広い業界で活躍できるチャンスが広がります。
フォークリフト資格(国家資格)

フォークリフト資格(運転免許)には、最大積載荷重1トン以上のフォークリフトで作業する際に必要な「フォークリフト運転技能修了書」と、最大積載荷重1トン未満のフォークリフトで作業する際の「フォークリフト運転特別教育修了書」があります。フォークリフトは資格がないと運転できないため、フォークリフト作業のある製造業や物流業への就職で有利になるでしょう。
ITパスポート(国家資格)

ITパスポートは「情報処理の促進に関する法律」に基づく国家資格です。IT業界は学歴よりスキルを重視する傾向があるので、とくに中卒者にはおすすめの資格です。また、ITの知識はさまざまな業界で活用できるため、就職・転職の際にも役立つでしょう。
介護職員初任者研修(民間資格)

介護職員初任者研修は、介護の基本的な知識や技術を習得するための民間資格で、資格を持っていると可能な業務の幅が広がり、介護業界への就職で有利となります。資格を取得するためには、130時間規定の講習を受講後、修了試験に合格する必要があります。
マイクロソフトオフィススペシャリスト(民間資格)

マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)は、マイクロソフトオフィス製品(ワードやエクセル、パワーポイントなど)のスキルを証明する資格です。多くの企業でマイクロソフトオフィスを使用しているため、取得しておけば業界や職種を問わず役立つでしょう。
中卒者の仕事探しに役立つ就活支援サービス
一人で仕事選びや就職活動を進めるのが不安な人は、ハローワークや民間の就職・転職エージェントを利用してみてはいかがでしょうか。自分に合った仕事を探しながら、就職活動に関するさまざまなサポートを受けられるので、就活が初めての中卒者や、仕事選びで悩んでいる人にもおすすめです。
ハローワークを利用するメリット

厚生労働省が運営するハローワーク(公共職業安定所)では、地元企業を中心とした全国の求人の中から、自分の希望や経歴に合った仕事を紹介してもらえます。面接指導や履歴書の添削、面接日程調整などのサポートも受けられるため、一人で就活を進めるより安心感もあるでしょう。
また、ハローワークの求職者を対象にした職業訓練などの支援制度もあり、就職に必要な知識やスキルを身に付けられるのもメリットです
就職・転職エージェントを利用するメリット

就職・転職エージェントは、求職活動全般をサポートしてくれる民間のサービスで、無料で利用できるサービスも多くあります。エージェントに登録すれば、自分にマッチした仕事選びはもちろん、サイトに掲載されていない非公開求人なども紹介してもらえます。
プロのアドバイザーに相談しながら、応募書類の添削や書き方のアドバイス、面接対策などの就活サポートも受けられるので、ポイントをしっかり押さえて就職の成功率を高められるのがメリットです。
まとめ 中卒でも活躍できる仕事はたくさんある!

今回は、中卒の就職状況や正社員を目指す際のポイント、中卒者におすすめの職種や就職に役立つ資格を紹介しました。
中卒者の就職・転職では、どうしても学歴の壁を感じてしまいがちですが、中卒でも活躍できる仕事はたくさんあります。学歴ではなく実力主義の仕事を選ぶことで、キャリアアップ&高収入を目指すこともできるでしょう。
とくに近年の国内労働市場は、少子高齢化の影響で人手不足が深刻化しており、学歴を問わずに人材を募集する企業も増えてきています。「どうせ中卒だから……」とマイナスに捉えず、前向きな姿勢で就職活動に取り組みながら、自分にマッチした正社員の仕事を勝ち取りましょう!
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